24.04.07 24.04.08 更新

<卒業生インタビュー>「ピーカンベーグル」オーナーブランジェリー 吉村 千里さん

学生インタビュー
卒業生
東京校
大阪校
ベーカリーコース

開業実績380店舗以上のレコールバンタンキャリアカレッジ。

外食産業を担う卒業生たちは、どのようなことを意識してビジネスをしているのでしょうか?

 

最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、

鹿児島県・南九州市頴娃町の「ピーカンベーグル」オーナーブランジェリーとして働く吉村 千里さんにインタビューを行いました。

 

 

<在校中について>

――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次を教えてください。

ベーカリーコースの1年制を卒業しました。入学したのは、30歳のときです。

 

――― 差し支えなければ、それまでのキャリアについて教えてください。

飲料メーカーに勤めていました工場見学、コールセンター担当の部署にいました。

 

――― レコールバンタンキャリアカレッジでのクラスは何名くらいでしたか?また、スケジュールも教えてください。

18名でした。週1日、日曜日の10時から17時頃まで授業がありました。

 

――― レコールバンタンキャリアカレッジを選ばれた理由を教えてください。

自分の好きなことで、手に職をつけたいと考えたことがキッカケです。

実は入学するまでに、パンはまったく作ったことがなかったので自信をつけるために入学しました。神奈川県に住んでいたのですが、一人旅で訪れた鹿児島に「移住したい!」と考え、手を動かす仕事で、かつワンオペでできる仕事を逆算しました。そのときにいちばんに思い浮かんだのが、大好きなベーグル専門店でした。

 

――― なるほど。入学して、学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

製パンの技術を身につけたいと思い専門校を選びました。レコールバンタンキャリアカレッジを知ったのは、インターネットで「社会人」「製パン」などのワードで検索して選びました。

 

――― 印象的だった講師、授業はありますか。

丸山講師です。理論的なところを、きちんと教えてくださいました。

初心者なので、作業一つひとつに「?」がついていましたが、理論・理屈をしっかり丁寧に教えてくださったので、次のステップに進みやすかったです。基本の理論が分かっていないと、発酵時間がなぜ長いのかなども分かりません。

 

――― 授業の雰囲気はいかがでしたか?

私は、クラスの中では初心者で、若手でした。クラスメイトは、家でパンを作ったり、パン屋さんでアルバイトをされていたりする人が多く、完全な初心者は私ともう一名ほどでした。クラスメイトと年の差はあったんですけれども、とても仲良くできて、楽しく学ぶことができましたね。コース修了後、どんな形でもいいから「パンの技術を将来に繋げたい」という意思の強い方が多いので切磋琢磨できました。今も、みんながいるから頑張れていると感じています!

卒業後も、LINEInstagramで繋がっています。もともとは自信をつけるために入学したのですが、仲間ができたことは、本当に財産だなぁと思っています。

 

――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

実習がメインで、実践的だったなと思います。また、教えてくださる講師はパン屋さんのプロフェッショナルばかりで、現場に則したことを教えていだけるのが良かったです。いちから開業する方、個人経営者向けには良いカリキュラムだと思います。

 

―――  在学中「開業サポート」は活用されましたか?

いえ、使っていません。

 

――― 在学中または卒業後に、アルバイトなど飲食業界の経験をされましたか?

カフェのホールでのバイト経験はありますが、キッチンは担当していません。

レコールバンタンキャリアカレッジを卒業して5カ月ほど東京にいたので、カフェの間借りで6回ベーグル店をオープンしました。

 

<卒業後について>

――― 開業された経緯を教えてください。

もともと1人旅が好きで2020年秋頃、鹿児島へ行きました。自然に触れたり地元の方との出会いを経て「鹿児島に住みたい」と思ったことがキッカケです。

 

――― 移住&開業に、南九州市頴娃町を選ばれた理由は?

旅行で訪れたのがキッカケでした。地域密着型の宿に泊まったことがキッカケで、鹿児島に仲間ができました。

南九州市頴娃町は県の端に位置しますが、町おこしに熱心な若手移住者が多いです。「地域を元気にしたい!」という熱意のある地元の方や移住者が多く、パワフルだなと感じました。また、面白い人も多く、「ここでなら挑戦したい」と感じたからです。29歳のときでした。

 

―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりを教えてください。

 

<お日にち>

2023年1014

 

<店名・コンセプト>

「ピーカンベーグル」です。「ピーカン晴れ」とは雲ひとつない晴天のこと。ピーカンの日は、気分が上がるなと思っています。また、ベーグルは私にとってのパワーフード。お昼ご飯に食べられたらテンションが上がり、午後の仕事も頑張ろうと思えます。食べるとちょっと頑張ろうと思えて、気分が上がるものであってほしいという想いで名付けました。

 

<ロゴデザイン>

ロゴは、好きなデザイナーさんにダメもとで、Instagramからアタックしました。結果、デザインを手掛けてくださることになりました。

 

<場所>

まずは、鹿児島に移住してから、店舗を探すつもりでいました。なかなか住まいを見つけられなくて、「来月引っ越す予定なのにどうしよう」と思っていたら仲間が、元々魚屋さんだった場所を紹介してくれました。貸してくださる魚屋さんのオーナーさんも「是非!」と好意的で、自宅兼店舗がスムーズに決まりました。「この街でお店をやりたい」という気持ちを掲げていたからこそ、周囲の方々が物件探しを協力してくださったのだと思います。

 

<内装>

デザインは友人に依頼し、施工会社は地元の仲間に紹介していただきました。

 

<客層>

地域柄、ご年配のお客さまが多いです。50半ばから70歳、80歳が多く、車でお越しくださいます。あとは、ベーグルファンの主婦や女性の方が遠方からお越しくださることもあります。

 

―――― ベーグルは、常時どれくらいのラインアップがありますか。

10種類くらいです。サンドイッチは2種類ほどを揃えています。

 

―――― 特に売れ筋のメニューについて教えてください。

「チョコベーグル」(税込350円)と、黒ゴマ生地に餡を入れた「黒ゴマベーグル」(税込380円)が人気です。

 

 

―――― 「値付け」はどのように行われていますか。販売価格の付け方など、コツがありましたら教えてください。

地域の物価と比較すると決して安いお値段ではないと思っています。ですが、素材にこだわっていて、付加価値を考慮したうえでの設定になっています。例えば、北海道産小麦、天然酵母もお米由来の酵母菌、奄美産砂糖、沖縄の塩シママースを使っています。素材の価格も反映して決めています。

 

――― レコールバンタンキャリアカレッジ入学前に描いていた「開業」と、実際のイメージに変化はございましたか?

正直、あんまりないです。最初からベーカリーに就職するつもりではなく、自分一人でお店を開くことを前提とし、覚悟を決めて入学していたので。一人で切り盛りするのは、思っていた通り大変です。開業に対するイメージに差はありませんが、レコールバンタンキャリアカレッジで、同じ目標を抱いた仲間がいることは心の支えになっています。独学では得られない、大きな財産になっていると思います。

 

―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

製造、販売、経理、宣伝、開店前後の清掃作業もすべて自分でやっています。ワンオペレーションですので、けっこう時間がかかってしまいます。週3日オープンですが、前日には仕込みをしているので、やることがたくさんあるところは大変です。

 

―――― 1日のスケジュールを教えてください。

オープン日の一例ですが……、営業前日は21時に寝て、夜中2時半に起きます。営業日当日は、仕込んでいた生地を成型し焼いていきます。11時オープンなので、10時半には焼き上がり並べられるようにしています。1種類のフレイバーあたり約20個前後用意します。土曜日は、トータルで200個以上焼いていると思います。

 

―――― 体調管理が大事だと思いますが、コツはありますか?

今、オープンして5カ月目なのですが、4カ月目になってようやく意識し始めたかなと思います。最初の23ヵ月はたくさんのお客さまに来ていただけたのは嬉しかったのですが、健康管理が疎かになってしまっていたのが反省点です。作ることに精一杯になってしまっていましたので、これから気を付けていきたいと思っています!

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びはどのような時に感じられますか。

開業以前は、ベーグル専門店でやっていけるのだろうか、特にご年配のお客さまに「弾力のあるパンが受け入れられるか?」が心配でした。いかに「ベーグル」への壁をなくしてオープンするかまで考えること、そこは工夫ひとつだと思いますしベーグルの魅力を伝えていくことが楽しさでもありました。

 

―――― どのように「ベーグル」への理解を深めるよう動かれたのでしょうか。

「移住者が来てパン屋をやるらしい」という噂はあったものの「ベーグルとは、はてさて?」、「そもそも、ベーグルとは何か」を知らない人も多かったです。ベーグル屋さんではなく、最初は「パン屋さん」と思われていました。ここで何もせずにオープンしてしまって、蓋をあけたら「なんだ、硬いパンしかないんだ」と思われてしまうことを最も懸念していました。

そこで、まずは「ベーグルの啓蒙活動」から始めました。ベーグルがそもそもどんなパンなのか?「利点」を書いたチラシをポスティングすることにしました。腹持ちの良さ、バター、牛乳、卵を使っていないので食生活に気を付けている人や、卵アレルギーがある人も食べられるパンですよ、といったメリットをまとめたチラシを配りました。町内会の回覧板に添える形で、3集落分配りました。

また、「店舗の外壁塗りをしませんか?お手伝いしてくださった方には、ベーグル1個プレゼントします」というチラシも配り、誰でも来て親しんでもらえるような企画も実施しました。結果、店舗のペンキ塗りは、お子様からご年配の方まで30人くらいの方々が来てくださいました!

 

―――― 素晴らしいアイデアですね。

都会から来た人が「パン屋をやるぞ」となっても、私が地元の立場だったら「興味はあっても入りづらいかな?」という想いもありました。なので、ベーグル紹介のチラシ、壁塗りのプロジェクトをやってお店作りを一緒に始めたのは良かったと思います。実際にベーグルを気に入ってくださって、週3日買いにきてくださるおじいちゃんもいらっしゃいます。

 

―――― では、日々の営業、大変さはどのようなところでしょうか。

作ることも大変だったんですが、今は集客も同じくらい大変だなと感じています。

お店は、鹿児島県の南の端なんですが、電車は上り下り合わせて6本ほど。車社会なのですが、天気が悪いと人が来ないこともざらにあります。大雨になると、どうしても市内から人が来ることが少なくなってしまいます。そして、日によってはパンが売れ残ってしまうことも。オープンしたときは噂で広まりますけれども、その範囲も限定的なので、今後はマルシェなど、自分から外に出ていかないと認知度は上がらないと思います。今月からは、イベント出店にも力を入れていこうと考えています。

 

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なスキルはどのようなものでしょうか?

技術面についてはスクールで教えてもらったので、それを自分なりに組み立てて、現場で実践するスキルです。

その他にと言われたら、お客さま視点だと思います。「作ったものを売る」までトータルで携わりますので、お客様本位や品質管理を高く意識し続けないといけません。

 

―――  今後の目標はありますか。

目標は、「ピーカンベーグル」の認知度を上げるということです。現状、商圏が鹿児島県内なのですが、通販などにもチャレンジして全国に広められたらなと思っています。

 

――― レコールバンタンキャリアカレッジ東京校への入学を検討されている方に、レコールバンタンキャリアカレッジはオススメしていただけますか。

オススメします。是非とも!です。先ほどもお伝えしたように、パン作りが初めての人にも、分かりやすく一から最後まで教えてくれるので、自信にもつながります。また、レコールバンタンキャリアカレッジでは、会社や学校の友人ではなく、「パン仲間」に出会えます。切磋琢磨できる仲間に会えるのは通ったからこその賜物だと思います。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、メッセージをお願いします!

卒業されていざ開業となると、準備などでとても忙しくなると思います。今のうちに、自分のやりたいお店像を明確にしたり、情報収集をしたりしておくことをオススメします。例えば、遠方のパン屋さんに足を運ぶといったこともとても勉強になります。

私は、開業前にカフェの間借りで営業させていただいたことがすごく勉強になりました。

 

 

ピーカンベーグル

pecan_bagel

891-0704 鹿児島県南九州市頴娃町別府3343

営業日:月木土

営業時間:11:0016:00(売り切れ次第終了)

お店に関するお問い合わせは、公式DMまでお願い致します。

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