<講師がプロデュースに携わるお店>中島講師プロデュース。「コロナ禍のニュースタンダード」に合わせたコーヒースタンド「RAD BROS CAFE」が高円寺にOPEN!
<講師がプロデュースに携わるお店>
中島講師プロデュース。「コロナ禍のニュースタンダード」に合わせたコーヒースタンド「RAD BROS CAFE」が高円寺にOPEN!
2021年、8月22日に高円寺にオープンした「RAD BROS CAFE」は、SNSでも話題を集めているコーヒースタンド。
実はここ、レコールバンタン各スクールで教える中島講師がオーナーのお店です。
今回は、店長を務める佐々木さん&カフェの専門家の中島講師に「コロナ禍のニュースタンダード」に合わせたコーヒースタンドの「現状とこれから」についてうかがいました。
――― お店のコンセプトは?
佐々木さん「僕は高円寺に住んでいるんですが、町の人に兄弟のような関係で立ち寄っていただきたいという想いを込めて『RAD BROS』と名付けました。生活様式が『ニュースタンダード』になり、イートインが減りテイクアウトが増えたことは皆さんも肌で感じていると思います。そこで、「コロナ禍のニュースタンダード」に合わせた「コーヒースタンド」を目指しました。バスクチーズケーキも自家製で、とてもこだわっています。当社の社外顧問でもあり、レコールバンタン調理の白田講師がレシピ開発に携わってくれています」
――― 店名の意味は?
佐々木さん「現在の店舗の前身である『CAFÉ SANS NOM』はフランス語でした。この場所でカフェをするならスラングのほうが恰好よくイメージに合うと思い、クール、格好いいという意味のRADをつけました」
――― 佐々木さんご自身のキャリアについて教えてください。
佐々木さん「バリスタが長いですが、居酒屋、イタリアンレストランで調理をしていた経験もあります。飲食業界では計15年ほど働いていますね」
――― コーヒーのこだわりは?
佐々木さん「常時4~5種類の豆を揃えています。今日は、『Life Size Cribe』と『WORKBENCH COFFEE ROASTERS』の豆。偶然ですが、どちらも卒業生のお店ですね。豆も僕がセレクトしていて、基本的にはお互いの顔が分かる関係値の方にお願いをしています。また、定番のカフェラテやハンドドリップコーヒー以外にも、スペシャルだと思ってもらえるメニューを揃えています」
――― 具体的には?
佐々木さん「カスカラチャイ(税込550円)は、コーヒーの果実『カスカラ』のシロップを使ったチャイです。カスカラはコーヒーの実の果肉や皮を乾燥させたもののことで、今まではほとんど廃棄されていた部分です。こうしたメニューを提供することでサステナブルな取り組みに積極的だというメッセージにもなると思います。食材を余すことなく使うという時代の潮流にも合っていると思いますし、土地柄、個性的なものは『面白い』と受け入れてくださる方が多いです」
――― エスプレッソマシンは何を使っていますか?
佐々木さん「シモネリ社の『アウレリア』です。バリスタ憧れのマシンで、一杯一杯バリスタが丁寧に淹れています。コーヒー好きな人は、来店されてまずマシンをチェックされますね」
――― いちばん人気のメニューは?
佐々木さん「アイスカフェラテ(480円)とバスクチーズケーキ(500円)を楽しみに来られる方が多いです。最初に来られた方は、テンプレートでこのセットを頼まれますね」
――― バスクチーズケーキのこだわりを教えてください。
佐々木さん「最高級卵の『エグロワイヤル』を100%使っているのが特徴です。甘さ出しには甜菜糖を使っていて、パティスリーのショーケースに並べられるクオリティのケーキです。とても濃厚な味わいで、食べて『プリンみたい』とおっしゃる方もいます」
――― 内装のポイントは?
佐々木さん「高円寺は、いい意味でどちらかというとゴチャゴチャしてうるさい感じが魅力という部分がありますが、内装をあえてシンプルにしたことが近隣のお客様に気に入っていただいたと感じます。街中に、急に真っ白な異空間ができた、というので注目してもらえています」
――― 客層は?
佐々木さん「SNSを見て来てくれる20代のふたり組が多いです。主婦層、会社員、お笑い芸人やミュージシャンもいらっしゃいますし……おじいちゃん、おばあちゃんまで幅広いですね。
高円寺はフレンドリーな人が多いので、たまたま横に座ったお客さん同士が気軽に話してくる感じも好きです。今後はテラス席も併設する予定なので、お客さん同士で仲良くなってもらえる、コミュニティが広がるような場所になればいいなと思います」
ここからは中島講師が加わり、店内中央に併設した「ラボ」を見せてくれました。
中島講師「店舗プロデュースの観点からも、お店を紹介していきますね。
一般的に、コーヒースタンドでテイクアウトの焼き菓子やケーキが美味しいお店って珍しいと思うんです。もっと極端な言い方をすると、ほぼないと思います。それはなぜかというと、お店で内製化するのがとても難しいから。コーヒースタンドでは、原価70%で焼き菓子を外から買っていたりするケースが多いです。
バリスタとして働いている方の多くはパティシエと接点がありません。また、コーヒーに没頭しているので、コーヒー以外のジャンルには造詣が深くない場合も。ならばと、メーカーから仕入れると、確かに在庫ロスは少なく済みますが、原価にプラスして送料がかかるので結果60~70%のコストになります。焼き菓子があることによって、コーヒーが売れればいいという発想のお店が未だに多いと感じます。
『RAD BROS CAFE』の場合、店舗設計の段階でラボを作ることを決めていました。見ていただけると分かると思いますが、日本初ラボつきコーヒースタンドです」
人気の大型オーブンを180万円かけて導入。また自動のディッシュウォッシングマシーンを導入し、スタッフが調理に専念できる配慮も。
中島講師「合計で開業予算として1800万円をかけてます。初期投資として見ると高いですが、十分に利益は確保できます。今後はOEMも取っていくつもりです。焼き菓子などもこのラボから作っていけるといいですね」
佐々木さんは「バスクチーズケーキは、本当によく売れています。嬉しい悲鳴ですね。レコールバンタンのパティシエ科在校生が毎日焼いてくれています。多い日は200個売れることもあります」
中島講師「なんのプロモーションもしていないので驚いたよね。ネットもザワついているし、現在進行形でバズりまくっていますね。テイクアウト主体の店舗にしたことにより、初月から『CAFÉ SANS NOM』の最高動員数を上回りました。」
佐々木さん「近所の人の中でも、コーヒーを目当てに来てくれる方もいれば、ケーキだけをテイクアウトしたい人もいます。どちらにもすごくこだわっているので、個人的にはどういう目的でも来てくれてもいいと思っています」
また、オシャレな制服にも注目!
中島講師「岡山の倉敷児島の「桃太郎ジーンズ」さんに依頼して当社オリジナルのデニムを作成していただいてます。飲食事業の立ち上げをお手伝いさせていただいた経緯もあって。キメキメでお高くとまりすぎてもイメージと違うし、スタイリッシュでありたいけれどカジュアルすぎないブランディングという点でもデニムエプロンはピッタリでした」
――― レコールバンタン生が活躍しているとうかがいました。現在、何名の在校生が働いていますか?
佐々木さん「4名が働いています。バリスタ科杉本さん、カフェオーナー科対馬さん、パティシエ科藤巻さん、高等部2年生津田さんが活躍しています。レコールバンタンに募集をかけたところ20名くらいの応募がありました」
――― ポジティブなエピソードが多かったので、あえてお聞きします。今後、改善していきたいところはありますか?
佐々木さん「バズればバズるほど、地元の人が来づらくなるというジレンマは感じます。毎週末は、土曜も日曜もお客さんが並んでくれていて、わざわざ足を運んでくれることはとても嬉しいです。と同時に、地元の人で気軽にコーヒーを飲みに来たい人、日常使いしたい人も多いです。近所の方たちは有名店だから来てくれているというわけではないので、そのバランスをどのように取っていくのかは、まさに手腕が問われている点だと思います。もちろん、たくさんの方に知ってほしいですし、SNSで宣伝してくださるのも有難いです。理想的なバランスを見つけられるように模索しているところですね。
カフェって多面的で、特別な空間として『非日常』を体験する場所として使う人もいれば、お気に入りの『デイリー』な場所として使う人もいます。高円寺は、気に入ってくれれば、めちゃくちゃリピートしてくれる町でもあります。地元の人にも気軽に通っていただけるように進化していきたいと思います」
――― レコールバンタン/レコールバンタンキャリアカレッジ在校生にメッセージをお願いします。
中島講師「お店の中央がラボになっているので、スイーツ、焼き菓子などを作ることができます。自分でブランドを作りたい!っていう意識の高い在校生はもちろん、これを読んだ卒業生で委託販売など、何か良いアイデアを持っている方は気軽に顔を出してほしいですし、いつでも相談しに来てください!」とメッセージ。
日本初「コロナ禍のニュースタンダード」に合ったラボ付きコーヒースタンドは、今後さまざまなコラボレーションの発信地となっていきそうですね!
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