24.05.10 24.05.27 更新

<卒業生インタビュー>「Coffee & Crepe ムツミモーターズ」オーナー大矢 正則さん

学生インタビュー
卒業生
東京校
ドリンク&メニュープランニングコース
開業プランニングコース

開業実績380店舗以上のレコールバンタンキャリアカレッジ。

外食産業を担う卒業生たちは、どのようなことを意識してビジネスをしているのでしょうか?

最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、埼玉県熊谷市「Coffee Crepe ムツミモーターズ」オーナー大矢 正則さんにインタビューを行いました。

 

 

<在校中について>

――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次を教えてください。

2021年9月に入学し、6ヵ月間「開業プランニング」コース、「ドリンク基礎&応用」コースを受講しました。「開業プランニング」コースだけでなく、午後から「ドリンク基礎&応用」コースも受けられるということで、一緒に受けようと決めました。せっかく通うのだから、開業の有無に関わらず、自分のスキルとして残ればいいなと思いました。20223月に、卒業しました。

 

―――― クラスは何名くらいでしたか。

それぞれ、30名くらいでした。皆さん、「開業したいんだ」という強い気持ちで通われているので、熱量の多い人が多かったです。社会人の在校生が多く、刺激を受けました。情報交換もしましたし、クラスメイトのグループLINEは今も続けています。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジに入学された経緯を教えてください。

ムツミモーターズは、昭和40年に、運送会社の自社整備工場としてスタートしました。

現在も一般車の自動車整備業を続けていますが、法人向けの整備事業が縮小するなどもあり、何か新しい事業を生み出せないかと考えていました。そこで、候補にあがったのが飲食業でした。整備を待っていただく20分から30分の時間に、カフェがあれば集客のキッカケになるのではないか?と考えました。例えば、オイル交換やタイヤの履き替えの待ち時間、男性はカタログを見たりして過ごされていますが、特に女性のお客さまは近所のカフェに出かけられて「時間を潰してきます」という人が多かったです。

私自身ももともとコーヒーが好きで、毎朝飲むのがルーティンでした。お客さまにコーヒー好きな人も多く、整備工場横の事務所を改装してカフェできないかなと。しかし、本当に開業できるのかな?という不安がありました。どうしたら上手くいくのかと考えながらネットサーフィンをしていたところ、レコールバンタンキャリアカレッジを見つけました。

 

―――― 開業されるまでのキャリアについて教えてください。

学生時代は、体育専門学校に通い、都立大学のスポーツクラブでアルバイトをしていました。

そのままアルバイト先に就職しましたが、父が亡くなったこともあり、22歳のときに叔父の経営する自動車整備業に転職しました。現場に入り、ベテラン整備士たちの技術を見て学びました。3年実務に従事すると受験資格が得られるので、自動車整備士の免許を取りました。現在もカフェの隣にある整備工場で、整備士として働いています。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジを選ばれた理由を教えてください。

開業ができるか、できないかを判断するための一歩になりそうだなと感じたからです。実は、気になって資料請求をしたものの、費用面などで迷っていました。すると、スタッフさんから「ガイダンスだけでもいらっしゃいませんか」と連絡をいただきました。中目黒の校舎で、スタッフさんの話を聞き、開業のためのサポートも充実していると説明をいただきました。カリキュラムも明確だったので、通ってみて、飲食店開業が可能かどうか判断してみようと決めました。また、卒業後も開業について相談できる「開業サポート」制度があるのも魅力だと思いました。結果的に、選択は正解だったと思います。入学時は57歳でした。

 

―――― 学びたい、身につけたいスキルは何でしたか?

そもそも、自分が飲食店を開業できるか否か、その判断材料を得たいと思いました。

 

―――― 印象的だった講師、授業はありますか。

「ドリンク基礎&応用」コースの江沢講師です。飲料専門家・江沢講師が中心となって、ドリンクのカリキュラムを組んでくださっているとうかがっています。

受講前は、「ドリンクを学ぶって、一体どういうことなのだろう?」と疑問に思っていました。最初に、紅茶の授業がありました。印象的だったのは、全員が同じレシピで、同じように淹れても人それぞれで味が異なること。コロナ禍だったので、クラスメイトの淹れた紅茶を試飲することはできませんでしたが、江沢講師が一人ひとりに的確にフィードバックしてくださいました。

 

――― 授業の雰囲気はいかがでしたか?

私は、つまらない話を聞いていると、すぐに眠くなってしまうタイプなのですが、レコールバンタンキャリアカレッジの授業はまったく眠くならなかったです。

 

―――― 他に、印象的だった授業は?

佐々木講師の「開業プランニング」コースです。在学中に、佐々木講師から「事業再構築補助金」があることを教えていただきました。もともとは、コロナ禍で、業績悪化した企業向けに新規事業を応援する補助金とのことでした。その補助金が給付されるのであれば、実現できるかもしれないと思い、レコールバンタンキャリアカレッジに通いながら、取引先金融機関に相談しました。

 

―――― 「事業再構築補助金」申請のプロセスについて、詳しく教えていただけますか。

銀行に専門の金融コンサルタントを紹介いただきました。事業再構築補助金の申請書類、事業計画書などもサポートいただきました。終えてみて、素人にはとてもできるものではないなと感じています。ひとつめのハードルは、補助金申請をして、採択されるか否かでした。一般的に、飲食業態が通る確率は44%くらい、と言われていました。また、補助金の相場は全体資金の3分の2ほどです。「1度で採択されることはないのかな」と思っていましたが、無事に採択されました。20229月に採択されてから、開業に向けて本格的に動き始めました。

 

―――― 在学中「開業サポート」は活用されましたか?

卒業した翌週に、設計デザイナー・佐々木講師に相談しました。

 

―――― 講師に直接相談できる「開業サポート」制度を利用してみて、いかがでしたか?

とんとん拍子で話が進んでいきました。佐々木講師に、整備工場の隣に事務所があること、私の考えをお話すると、「面白そうですね。コーヒーだけでなく、クレープもメニューとして検討してみてはいかがですか」と、ご提案いただきました。自分自身もスイーツ好きなのでいいなと思いました。佐々木講師には、「整備工場に、クレープとコーヒーのお店を併設しましょう」とコンセプトを出していただき、叩き台となる見積りとデザイン案を出していただきました。また、クレープ調理やコーヒーの技術研修などもサポートいただけるということでした。内装デザインが決まると、厨房機器もセレクトしてくださり、「施工は、地元の会社さんを選ぶといいですよ」とアドバイスいただきました。そこで、自動車整備のお客さまである施工会社さんに、依頼しました。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

在学時は、SNSをやっていなかったですが、カフェプロデューサー中島誠講師に「すぐにSNSを始めてください。飲食店を開業するのなら、SNSは必須です。日頃から、投稿するクセをつけましょう」と教えていただき、定期的に投稿することを意識し始めました。また、江沢講師に教えていただいたジンジャーエールは、「Coffee Crepe ムツミモーターズ」で提供しています。ショウガをみじん切りにし、グラニュー糖、水で煮込み炭酸で割っています。実は、レシピを習ってからすぐに自宅で試作したところ、思うようにできなかったんです。そのことを江沢講師に相談するとアドバイスをいただき、その通りにやり直したところ美味しく作ることができました。せっかく習ったレシピなので、使わない手はありません。

 

―――― 在学中または卒業後に、アルバイトなど飲食業界の経験をされましたか?

アルバイトの経験はありません。江沢講師からも「『飲食店で働いた経験がないと不安だから』と無理やりアルバイトをしなくても大丈夫です。働くお店のクセがついてしまう可能性があります」とおっしゃっていました。

 

―――― 入学前に描いていた開業とイメージに変化ございましたか?

思い描いてた通りとはいかないです。例えば、お店には、大通りに面したテイクアウト用の注文窓があります。近くに工業団地があるので、平日の朝7時頃から通学、通勤の人通りが多いです。おおよそ50人ほどが通るので「道行く人たちに、何か提供できないかな?」と考えました。でも、朝の5分は忙しいようで、さらに通学・通勤している人の手元をよく観察してみるとコンビニのコーヒーカップを持っている人もいませんでした。自分が見込んだアイデアが、上手くいかないことはあります。当初は朝7時からの営業予定でしたが、8時からになりました。現在、テイクアウト用の注文窓は、主にワンちゃんのお散歩をしているお客さまがオーダーしてくださいます。

 

―――― クレープ導入までの経緯は?

クレープに関しては、カフェプロデューサー中島講師にご相談しました。「クレープに詳しい」とうかがっていたので、中島講師のオンラインサロンに入り、LINEなどで相談させていただきました。そして、「RAD BROS CAFE」を手掛ける株式会社RAD BROSの顧問であり、レコールバンタン講師・吉田講師をご紹介いただきました。株式会社RAD BROSと契約しメニュー開発、クレープの技術指導などをしていただきました。特に、生地を焼く工程が難しく、お客さまに提供できるクオリティーになるまで、1ヵ月くらいかかりました。

 

<卒業後について>

 

―――― 開業された経緯は?

本業である整備工場の集客につなげたいと考えて、新事業の候補として飲食業があがりました。レコールバンタンキャリアカレッジで、事業再構築補助金制度を知り、金融機関に相談したところ対応していただけることになりました。設計デザイナー佐々木講師に、内装デザインなどの叩き台をいただき、補助金が採択されたので開業に向けて一歩踏み出すことにしました。

 

―――― オープン日は?

自動車整備工場「株式会社 睦モーターズ」の敷地内に、2023625日(日)にオープンしました。

 

―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりを教えてください。

<店名・コンセプト>

Coffee Crepe ムツミモーターズ」です。コンセプトは、自動車整備工場のあるカフェであり、カフェのある自動車整備工場です。中島誠講師の授業でも「店舗名はすごく大事」と習いました。

 

<内装>

個人的に譲れないポイントはありませんでしたが、ターゲットがくつろげるデザインをお願いしました。プロ視点で、上下水道、導線などをトータルで考えていただきました。事務所の改装でしたが、もともと飲食店だったと感じてくださる人が多いです。

<ロゴデザイン>

佐々木講師に、グラフィックデザイナーさんを紹介していただきました。グラフィックデザイナーさんは、「睦」の漢字が読めなかったそうで、カタカナ表記を採用しました。カフェが女性をターゲットにしているので、やわらかいフォントと雰囲気にしています。

 

<場所>

自動車整備工場の隣にあった事務所を改装しています。

 

<客層>

ファミリー層や、ターゲットとして想定していた女性のお客さまが多いです。学生さんにも、是非来てほしいなと思っています。

 

―――― 特に売れ筋のメニューについて教えてください。

クレープとコーヒーをセットで頼まれるお客さまが多いです。暑くなると、「アイスコーヒー」(EAT IN 520/TAKE OUT 510円)など冷たいドリンクが人気です。クレープは、「ショコラバナーヌ」(EAT IN 650/TAKE OUT 640円)が、フレッシュバナナとチョコソースを使っていて、王道です。また、フレッシュなイチゴを使った「ルージュ」(EAT IN 650/TAKE OUT640円)、パリッと焦がした砂糖と口溶けのよいカスタードクリームの「ブリュレ」(EAT IN 650/TAKE OUT640円)も人気があります。「シュークルブール」(EAT IN 460/TAKE OUT450円)は、クレープ生地に、発酵バターと砂糖のみで仕上げたシンプルな味わいですが、生地が好きなお客さまに喜ばれています。昨年夏には、季節限定でパイナップルのクレープなども提供しました。

 

―――― コーヒーのこだわりは?

コーヒー全体のコンサルタントは、バリスタ・佐藤宇宙講師にお願いしています。コーヒーは、ドリップコーヒーとラテと2回授業があり、在学中も佐藤講師にお世話になっています。コンサルティングでは、どのような豆を選定するか?実際にコーヒーを淹れて、テイスティングをしながら、アドバイスいただきました。結果、神奈川県・葉山のinuit coffee roasterさんから2種類の豆(モーニング・ブレンド/エキゾチック・ブレンド)を仕入れることに。この商圏は、自家焙煎で勝負しているお店が多く、inuit coffee roasterさんの豆を使ったコーヒーを飲めるお店はないので、付加価値になっていると思います。

―――― 「値付け」はどのように行われていますか。販売価格の付け方など、コツがありましたら教えてください。

宮崎講師の授業で原価率の計算について習いました。約20%から30%が目安と言われているので、その算出方法を参考に計算しています。ただし、吉田講師には「クレープの価格設定が少し低くないですか」と指摘されました。ですが、リピートしやすいよう現在の価格にしています。

 

―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

平日は、妻に「Coffee Crepe ムツミモーターズ」で働いてもらっています。私は、平日は整備工場で整備をしながらドリンクのオーダーが入ったときに、「Coffee Crepe ムツミモーターズ」に入る体制にしているので忙しいです。開業するまでは、体力作りでマラソンをしていて、地元のマラソン大会にも出場していました。スポーツをしていて体力があるので、毎日動けていると思います。

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びはどのような時に感じられますか。

子どものお客さまが、クレープにかぶりついてニコッと笑うとき、そういう幸せな表情を見たときに「やっていて良かったな」と思います。飲食業に従事されていらっしゃる皆さんは、きっと同じだと思います。言葉はなくても夢中に食べている姿を見られると、嬉しいなと思います。

 

―――― 大変さはどのようなところでしょうか。

食材ロスが出ないようにすること。特に、平日の来客数に波があります。クレープの生地は前日に仕込んで12時間寝かせます。作ったばかりはサラサラの生地ですが、時間をおくことでとろーっとしてくるんです。なので、来客数を適切に読むことが難しいですね。

 

―――― どのような媒体で、お店を知られることが多いですか。

Instagramを見てきました」というお客さまが多いので、SNSで発信していかなくてはいけないと思います。あとは、Google Mapで見つけてくださる人も多いです。オープン前にはチラシもポスティングしました。他には、車で前を通っていて気になったという人などもいらっしゃいます。熊谷市の市報でもご紹介していただきました。

 

―――― 今後の目標はありますか。

月に1回でも個人的な休みを取れたらいいなと思います。月曜から金曜までは自動車整備工場で働き、土日は「Coffee Crepe ムツミモーターズ」で調理接客をしているので、難しいです。定休日も仕込みなどがあるので、完全なお休みを取れたらなと思います。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、レコールバンタンキャリアカレッジはオススメしていただけますか。はいの場合、理由を教えてください。

オススメします。まずは一度、話を聞きに行くのがいいと思います。ガイダンスを聞いて、ご自身で判断してみてください。説明を受けて、自分がどう感じるかを大切にしてください。

私がガイダンスを聞きに行ったのも、レコールバンタンキャリアカレッジに通って開業できるのかどうかを判断するためでした。まずは、動いてみてください。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、ぜひ前向きなメッセージをお願いします!

バリスタ・佐藤宇宙講師、ドリンク江沢講師など、全員がスキルの高いプロフェッショナル講師です。「開業サポート」という制度も、助け船になると思います。分からないことがあったときに、すぐにプロフェッショナルに聞ける安心感もあります。

 

 

SHOP INFO

mutsumi_6210

https://mutsumimotors.com/

埼玉県熊谷市新堀1030-2

カフェ:090-3200-3968

定休日:月曜、火曜(変更になる可能性があります。詳しくはInstagramをご確認ください)

営業時間:水・木・金 12:00 – 18:00

土・日・祝 8:00 – 17:00(クレープは11:00より)

整備工場:048-532-6210

駐車場:5台完備

シェアする