<卒業生インタビュー>「COFFEE_STAND_TAKE III」オーナー 日置 健さん

学生インタビュー
卒業生
東京校
飲食店開業コース
コーヒーロースト&ブリューコース

開業実績380店舗以上のレコールバンタンキャリアカレッジ。

外食産業を担う卒業生たちは、どのようなことを意識してビジネスをしているのでしょうか?

 

最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、

コーヒースタンド「COFFEE_STAND_TAKE III」オーナー・日置 健さんにインタビューを行いました。

 

――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次を教えてください。

54歳のときに入学しました。20224月から、東京校で「飲食店開業コース」と、「ドリンク&メニュープランニングコース」を受講しました。また、2210月から「コーヒーロースト&ブリューコース」に半年間通いました。

 

――― クラスは何名くらいでしたか。スケジュールも教えてください。

前期はオンライン受講の方もいましたので、25人くらいだったと思います。スケジュールは週1回日曜日に授業があり、午前中に「飲食店開業コース」、午後に「ドリンク&メニュープランニングコース」でした。後期の「コーヒーロースト&ブリューコース」も同様に日曜日に授業があり、18名ほど在籍していました。

 

――― レコールバンタンキャリアカレッジに入学された経緯は?それまでのキャリアについても、差し支えなければ教えてください。

レコールバンタンキャリアカレッジに入学する前は、製造会社の事務職で管理者を務めていました。当時はコロナ禍もあり、当時していた仕事にやりがいを見いだせなくなって思い悩んでいたときに、これからのことを家族に相談しました。すると、「会社を辞めて好きなことをやれば?」と言われ、コーヒーがとても好きだったので、「思い切って飲食店をやろうかな」と考えました。開業すれば、残りの人生を自分らしく送ることができると思い、そのための知識と技術を学ぼうとバンタンの門をたたきました。

 

――― レコールバンタンキャリアカレッジを選ばれた理由を教えてください。

自分なりにいろいろと調べた結果、飲食開業だけだったり、コーヒーだけを学べる学校はありましたが、飲食開業の知識と、コーヒーと焙煎の実践的な技術、すべてが体系立てて学べるのがレコールバンタンキャリアカレッジだけでした。最後は実際に校舎に説明を聞きに行って、決めました。

 

――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

入学前から、「コーヒーの焙煎をして、挽いた豆で、コーヒーを提供したい」と考えていましたので、学びたいことは明確でした。

まずは、「飲食開業コース」を選択しました。スタッフさんから半年学ぶか、一年学ぶかを聞かれ「まずは、半年学びたいです。足りないと感じたら、もう半年学びたいです」と伝え、期間も柔軟に決めることができました。前期の授業を受けて一通り「飲食開業」の要点を理解することができたので、2210月からは、「コーヒーロースト&ブリューコース」を半年間受講しました。

 

――― 印象的だった講師、授業はありますか?

講師の方々は、皆さん特長がありました。

印象に残っている講師は多いですが、飲食開業コースですと、佐々木玲(アキラ)講師です。店舗の内装デザインや工事をされていて、お話も面白かったです。ちょうど、佐々木講師が手掛けるある飲食店の内装工事が進行していたので、その店舗に見学に行くことができました。お店をつくる過程が見られて面白かったですし、とてもタメになりましたね。

「コーヒーロースト&ブリューコース」はPASSAGE COFFEE(パッセージコーヒー)オーナー兼バリスタ・佐々木 修一講師が教えてくださいました。

「コーヒーロースト&ブリューコース」授業で面白かったのは、人によって焙煎の仕上がりがまったく異なること。「温度が1度違うだけで、こんなにも違うんだ!」と感じましたし、同時に「オタクの世界だな」とも感じました(笑)焙煎は、温度だけでなく、湿度や、条件でも、仕上がりがまったく変わります。そこが焙煎の奥深さです。

 

――― 授業の雰囲気はいかがでしたか?

「飲食開業コース」は、座学で受けるスタイルでしたので、皆さんとても真剣に聞かれていました。また、実技中心の「ドリンク&メニュープランニングコース」や「コーヒーロースト&ブリューコース」は和気あいあいとした雰囲気でした。意見交換をしたり、活発な雰囲気でした。

 

――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

学んだことは、今のビジネスにとても活かされていると感じています。現在は、キッチンカーで自家焙煎したコーヒーをドリップで淹れています。コーヒーの焙煎も、ドリップの方法もレコールバンタンキャリアカレッジで学んだことです。営業の観点や、値段の付け方などもそうですし、「自分が何のために飲食店をやるのかという『根本的』なミッションを持ちなさい」と言われたことは今でも印象に残っています。

 

――― 在学中または卒業後に、アルバイトなど飲食業界の経験をされましたか?

学生のときに、居酒屋の厨房やファミリーレストランのホールを経験しました。数十年も前のことでしが、「飲食店をやろう」と思った原体験は過去のアルバイトだったのではないかな?と思います。

飲食業は、お客さまと対面して反応がダイレクトに返ってきます。美味しかったら喜んでいただけるし、もしもお口に合わなければ何も言わずに帰ってしまう。そうしたことに気付けば、改善の余地も生まれます。

 

――― 開業前から、コーヒーは好きだったのですか?

そうですね。とても好きです。キャンプにもよく行くのですが、自然の中でドリップしたコーヒーの美味しさは特別だなと感じていました。自然の中で嗅ぐコーヒーの芳醇な香りや風味を楽しむことが好きでした。

 

――― 入学前に描いていた開業とイメージに、変化はありましたか?

もともと店舗を営業することも考えていましたが、店舗となると毎月の賃料がかかるので、どうしても収益を第一に考えなければいけません。

どちらかというと、僕はちょっとゆっくりやりたかったんです。アクセクしたくありませんでした。そこで、「キッチンカーがいいな」と考えました。初期投資が少なくてすみます。なので、開業前に思い描いていたイメージと違うかと聞かれると、そうでもないですね。自分がこだわって作った食べ物を、ゆっくりと提供する、というスタイルは思い描いていた通りです。

 

―――  在学中「開業サポート」は活用されましたか?

まだです。ゆくゆくは個人店舗をもって、営業することも視野に入れています。なので、「開業サポート」の権利を温存しています。卒業時にスタッフさんに「開業サポートは、いつまで受けられるんですか?」と確認したところ、期限はないとのことでした。なので、これから店舗を持つときに相談できるよう、機会を取っておいています。

 

<卒業後について>

――― 開業された経緯を教えてください。

ほぼキッチンカーで開業することを決めていたので、在学中から、キッチンカーを購入するために色々と調べました。

現在は、東京と淡路島の、二拠点生活をしながら、キッチンカーでコーヒースタンドを営業しています。将来的には、淡路島で店舗を構えることも視野に入れています。

 

――― キッチンカー選びのプロセスについて教えてください。

キッチンカーでの営業許可を取るためには、「仕込み場所」が必要で、シェアキッチンで仕込みを行うこともできますが、毎回場所を借りて足を運ぶのは大変です。そこで2-3社を巡り、「キッチンカーの中で仕込みも行えるタイプはないか?」と探し、給水、排水用のタンクがそれぞれ200L(仕込みをキッチンカーの中で行うために法的に必要)サイズを備えたキッチンカーを作ってくれる業者さんを探しだしました。

これから開業される予定の方へのアドバイスは、キッチンカーの中で仕込みを行わないのであればコンパクトなタイプでも大丈夫ですし、中古で買うという選択肢もあります。

キッチンカーの情報収集は、実際に営業されている方に「どのように手に入れましたか?」と聞くのが一番です。

 

――― 「キッチンカー」業態の魅力は?

固定の店舗を構えるのに比べて、初期投資を抑えられます。

例えば、居抜き物件の固定店舗の場合、1000万の予算はみていたほうがいいです。内装を改装するのに、600700万円の資金が必要になるケースもあります。その点キッチンカーは初期投資が抑えられるとともに、どこへでも商品を届けられることが魅力だと思います。

 

――― 二拠点の場所に、淡路島を選ばれた理由は?

家族で訪れたことがあります。淡路島は、海も山もあり気候も良くて、住んでいる方々もとても温かい。空も広くて、「すごくいいな」と感じました。直感的にここで営業したいと思いました。

 

――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりを教えてください。

<お日にち>

2023 年427日にスタートしました。

 

<焙煎方法>

直火のドラム式焙煎機を採用しています。

 

<店名・コンセプト>

COFFEE STAND TAKE Ⅲ」コーヒースタンドテイクスリーです。TAKEには、3つの意味が込められています。それは、

Take it easy=楽にいこう、Take a rest =休み休みやろう、Take an action=行動しよう!

3つのテイクを合わせて「TAKE Ⅲ」です。自分自身がアクセクしないための心がけのようなものです。

 

<ロゴマーク>

コーヒーショップなので、コーヒーカップに湯気が欲しいなと考えました。実は、息子がデザイン業界で働いているので、「こういうロゴマークを作りたい」と相談し、デザインしてもらいました。

 

<キッチンカー>

当初は、外観をコーヒー色にする案もありましたが、ベージュ系のカラーを選び茶色のロゴマークが映えるようにしました。また、前面は「フレンチフェイス」にしました。車体に貼っているロゴマークは、カッティングシートを買って自作し、目立つようにしています。

 

<出店場所>

東京では、自宅前で出しています。車を置けるスペースがありますし、駅に繋がる道です。近くに公園もあるので賑わいもあります。東京に関しては、出店場所探しが難しい印象があります。キッチンカー向けの「紹介業者さん」を使う手もありますが、相応の手数料が必要となります。

淡路島では、キッチンカーのコミュニティがあるので、LINEで情報交換をしてイベントや出店場所を教えてもらいます。あとは、出店しているお店に「どうやって出すの?」と直接聞いたりもします。キッチンカーでの営業は、出店情報をどのようにとるかがとても大切です。オススメは、既にキッチンカーで営業している人に話を聞くことです。キッチンカーオーナーは「一緒に頑張ろう!」「またイベントなどに一緒に出れたらいいですね」というように仲間意識を持った方が多いので、直接質問をしてみるのが早いと思います。

 

<客層>

幅広いです。30代以上の人が多いかもしれないです。

正直なところ、開業前はお客様のペルソナは、あまり考えていなかったです。コーヒーは嗜好品なので、エスプレッソベースのドリンクが好きな人もいれば、エチオピアが好きな人、ブレンドが好きな人もいます。「一回飲んでみて、僕の淹れたコーヒーが合うと思ってくれる人が来てくれたらいいな」と考えていました。「COFFEE_STAND_TAKE III」のコーヒーを好きになってくれる人が、一人でも多くなってくれればいいなと思います。

 

―――― 特に売れ筋のメニューについて教えてください。

ドリンクは、バラ型コーヒー氷をいれた「水出しアイスコーヒー」(税込500円)が売れます。水出しコーヒーで作った氷をいれることで、最後まで薄くならずに飲めると好評です。水出しコーヒーは抽出するのに時間がかかります。さらに、氷を水出しコーヒーで作っているので、非常に時間がかかるメニューです。時間がかかる水出しコーヒーで氷を作っているお店は、なかなかないと思います。

フードで「今日ありますか?」と聞かれるのは燻製ナッツ(税込350円)です。素焼きのナッツを、ガーリックオイルで味付け燻製しています。コーヒーにもお酒にも合います。

 

――― コーヒー氷を「バラ」の形にした理由は?

コーヒー氷のデザインをリサーチしたところ、あるお店がクマちゃん型だったんです。否定する意図はまったくありませんが、個人的にクマちゃんが溶けていくのはかわいそうだなと感じてしまって……。バラは、つぼみになるようなイメージで溶けていきます。

 

―――― 「値付け」はどのように行われていますか。販売価格の付け方など、コツがありましたら教えてください。

厳密に試算しているわけではないのですが、ある程度の利益がとれるように計算しています。例えば、「水出しアイスコーヒー」を税込500円にしているのは、自分自身も「ワンコインで飲めたら嬉しいな」という理由からです。自分自身の「手間」の部分はカウントしておらず、材料費、光熱費や水道費は考慮しています。同業の方の販売価格も参考にしています。

 

―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

開業して大変だなと感じることは、あんまりないです。今はやりたいことをできているから、楽しいという気持ちが大きいです。唯一挙げるとすれば、天候に左右されることが多いこと。

キッチンカーは、雨風に弱いです。雨が降ると、客足が鈍ります。屋根がある固定の店舗だといらっしゃるのかもしれませんが……。雨でも出店料はかかるので、毎日天気予報とにらめっこです。

 

―――― 日々の営業で、大変さを感じるのはどのようなときでしょうか?

お客さまがあまり来ない日が続くと、焙煎したコーヒー豆の美味しさが損なわれてしまうこと。コーヒー豆は、焙煎して23日後がいちばん美味しいと自分は思います。常温で1か月くらい持ちますが、徐々に風味は落ちていってしまいます。食材が残ってしまうと「どうしようかな」と思いますし工夫の余地があると感じますね。

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びはどのようなときに感じられますか?

自分がつくったものがお客さまに届き、反応がダイレクトに感じられること。また、作っている僕の気持ちが商品に反映されることもあります。例えば、楽しそうに淹れたコーヒーと、沈んだ気持ちで淹れたコーヒー、どっちが美味しいと思いますか?前者のほうが美味しそうな気がしますよね。

なので、まずは自分自身が楽しむ気持ち、お客さまに対しての「来てくれてありがとう!」「是非、美味しいコーヒーを飲んで楽しんでください」という気持ちを持つことがとても大切だと思います。

 

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なスキルは?

僕が心がけているのは、自分自身が楽しむことです。楽しいエネルギーがないと続かないと思いますし、楽しむエネルギーは、お客さまにも確実に伝わっていくと思います。大切なのは、飲食業への熱意、食べ物に対する愛情です。

それを持ったうえで「売れる、売れない」はまた別問題なので、売れるためにSNSを勉強するといったことも必要です。

 

―――― 今後の目標はありますか。

最終的には、自分の店舗を持つ予定です。店舗を運営しながら、キッチンカーでも自分が淹れたコーヒーを提供していきます。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、レコールバンタンキャリアカレッジはオススメしていただけますか。

すごくオススメしたいと思います。自分が必要となるスキルを得られます。いちばんの財産は、同じ志をもった仲間ができること。クラスメイトには、開業した人も多いです。東京・大井町でカフェを開業した人、千葉でパティスリーを開業した人、埼玉県・越谷でカフェを開業した人、小田原で手作りジャム作りを販売する人など、さまざまな繋がりができました。店舗を持ったクラスメイトに「実際はどうだった?」と聞けるので、そうしたことも宝だと思います。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、ぜひ前向きなメッセージをお願いします!

入学を検討されていらっしゃる方へ。自分がやりたいこと、叶えたいことがあるのなら、まずは行動を起こしたほうがいいと思います。その夢を実現するために、必要なことは全部レコールバンタンキャリアカレッジで学べます!

 

SHOP INFO

COFFEE_STAND_TAKE III

@coffee_stand_take3

営業日:公式Instagramをご覧ください。不定休

場所:江戸川区東部公園そば、淡路島をベースに出店

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