23.05.12 24.04.01 更新

<卒業生インタビュー>GASENDO オーナーブランジェリー 佐藤 勉さん

学生インタビュー
卒業生
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大阪校

レコールバンタンキャリアカレッジは、製菓・カフェ・調理と、「食」の分野に特化した人材を育成する専門校です。

バンタングループの実績として、56年間で約19万人の卒業生を輩出してきました。

 

最前線で活躍されている卒業生に開業のヒントをもらうべく、島根県・奥出雲町でパン屋「GASENDO」を営むオーナーブランジェリー佐藤 勉さんにインタビューしました。

 

 

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<在校中について>

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次を教えてください。

 

 

平成31年3月卒業です。大阪校ベーカリーコースで学びました。

 

―――― クラスは何名くらいでしたか。スケジュールも教えてください。

 

 

23名でした。毎週土曜日に1回授業がありました。

 

―――― 入学は?

 

 

49歳のときです。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジを選ばれた理由を教えてください。

 

 

当時勤めていた会社を辞める際に、「退職したら何をやろうかな?」と考えていました。そこで思い浮かんだのがパン屋さんでした。

ただ、技術が0だったので、学校で学びたいと思いました。地元・島根県には働きながら通えるスクールがありませんでしたが、ネットで調べ、レコールバンタンキャリアカレッジを知りました。

東京校も検討したのですが、飛行機代が高く、大阪校にしました。

 

―――― これまでのキャリアについて教えてください。

 

 

前職は、厨房機器メーカーの子会社に勤めていました。

 

―――― パン屋さんを目指すキッカケは?

 

 

20年ほど前に生命保険に加入するときに、ライフプランを組みました。

ライフプランナーさんに、「定年退職後は、何をされますか?」と質問され、妻が、「パン屋さんでもやりたいなぁ」とボソっと言ったんです。その一言がキッカケです。

 

―――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

 

 

パン作りの知識と開業に必要な知識を習得したいと思いました。

 

―――― 印象的だった講師、授業はありますか。

 

 

米澤講師が良かったです。教え方も良く、分かりやすかったです。在校生には、現役でパン屋さんに勤めている人や、素人の人も混ざっていました。

知識がない人に対しても分かりやすく教えてくださったので、すごく良かったです。

 

―――― どのようなパンを調理されましたか?

 

 

菓子パンから、ハード系まで、幅広く教えてくださいました。

 

―――― 授業の内容で印象的だったことは?

 

 

本当にパンの知識がなかったので、すべてが新鮮で印象的でした。

それぞれの工程での、各材料の役割など科学的に説明していただきました。

中でも特に、パンを膨らませるのに必要なイースト菌に興味を持ちました。

生イースト、ドライイースト、セミドライイースト等、それぞれの違いや使い分けについて、丁寧に教えていただきました。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが、「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

 

 

あります、あります。

前職は飲食業界ではなかったので、基礎知識を学べたことがすごく財産でした。レコールバンタンキャリアカレッジを卒業したと同時期に会社を退職しました。

その後、松江のパン屋さんに2年勤めてから起業しました。

レコールバンタンキャリアカレッジに通っていなかったら、10年は働かないと、きっと自信がなくて起業できなかったのではないかなと思います。

基礎をしっかり教えていただいたので、2年間の実務を積んで、起業することができたのだろうなと思います。すごく助かりました。

 

―――― 印象的だったイベント、販売実習などはありますか。

 

 

卒業前に、オリジナルパンを作って販売する「販売実習」がありました。クラスメイトと協力して、道行く人に声をかけて販売するのが楽しかったですね。

講師からの指導で、印象的だったことが一つあります。それは、「配置の位置によって、売り上げが変わる」ということ。

入口から商品を取っていくので、一般的に入口近くの商品の売り上げが良く、奥に進むほど売れにくいというセオリーです。

今でも、手前の商品と、奥側の商品と位置を入れ替えています。

 

また、同級生のオリジナルパンも見させていただきました。皆さんの想像力はとても豊かで、クラスメイトのパンを参考に、メニューを開発したこともあります。

在学中のイベントは、現在のGASENDOにも繋がっているかなと思います。

 

―――― 在学中、アルバイトなどで飲食業界の経験をされていましたか?

 

 

卒業してから、松江のパン屋さんで働きました。候補は3店舗ありましたが、イートインがなく、回転が良いお店を選びました。

開業したら、基本的に一人で営業しようと思っていて、イートインまでは手がまわらないだろうと思っていました。

なので、販売のみで、種類をたくさん作っている、開業希望のスタイルに近いお店にしました。

 

―――  学外で利用された制度はありますか?

 

 

島根県商工会連合会の「わくわく島根起業支援事業費補助金」を活用しました。当時は、400万円が上限でした。

補助金以外にも、製パンの講師を招いて新作を開発するなど、さまざまなサポート制度があります。

各自治体が起業に必要な経費の一部を補助する事業も行っているので、自分で調べてみるか商工会に相談してみると良いと思います。

 

 

 

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<卒業後について>

 

 

―――― 開業された経緯を教えてください。

 

 

レコールバンタンキャリアカレッジ卒業後は、松江のパン屋さんに勤めましたが、最初は仕事を覚えるのに必死で、あまり起業のための活動はしていませんでした。

1年半ほど経った頃に、開業するための物件を探し始めました。

エリアは、「出雲、奥出雲、雲南」です。出雲は住んでいる場所、雲南は育った場所、奥出雲は広島との県境で、なじみのエリアに近いので候補でした。

すると、奥出雲に、現在の物件が売りに出ていて、不動産屋さんに問い合わせをして、内見に行きました。場所も外観も雰囲気も気に入り、即決しました。

 

―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりを教えてください。

 

 

<お日にち>

 

 

2021年9月23日にオープンです。

 

<店名・コンセプト>

 

 

現在の建物は、もともとギャラリーで「画仙堂」という名前でした。1年ほど空き家だったそうです。

物件のオーナーさんに「名前を引き継いでもいいか」とうかがうと、ご快諾いただいたので決めました。

かつては漢字だったものを、横文字にして、「BREAD OF LIFE GASENDO」としました。建物も何件も見たわけではなく、直感で決めているのでご縁だなと思います。

 

<内装デザイン>

 

 

壁紙を変更し、厨房を設置しました。知り合いの改装屋さんに依頼し、要望を伝えました。前の会社の関係で、改装業者さんにも知り合いがおり、お願いしました。

頼んだ建築屋さんも、飲食店の実績は1件だけでしたが、担当者さんと一緒に勉強して進めていきました。気の合う人と進めたほうが、気分も良いですし意見も出し合えると思います。

 

 

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<厨房機器>

 

 

レコールバンタンキャリアカレッジ在学時に、先に開業する人がいました。その方は自分が働いている企業の新ベーカリー店の店長になる人で、手際よく厨房機器を決めていました。

厨房設計の業者さんとも打ち合わせもされていて、一緒にオーブンなども見に行っていました。また、厨房の設計図や、機器の配置なども見せていただいていたので参考になりました。

また、厨房機器は前の会社を通して購入しています。

 

<仕入れ先>

 

 

粉は、厨房機器の販売会社と打ち合わせしていたときに 近くに粉屋さんがあるよと教えていただき、その粉屋さんから仕入れています。

牛乳、卵は、木次(きすき)乳業さんから仕入れています。社長さんも知り合いなので、仕入れはスムーズでした。

 

<客層>

 

 

奥出雲町は、人口減少や高齢化が進んでいる町です。年配の人や、小さなお子さんを連れたお客さまが多いです。

 

―――― 特に売れ筋のメニューについて教えてください。

 

 

食パン(2斤税込700円)が、いちばん売れています。こだわりは、シンプルで飽きのこない味わいにしています。

 

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―――― 「値付け」は、どのように行われていますか。販売価格の付け方など、コツがありましたら教えてください。

 

 

サンドイッチは30%くらいになりますが、通常のパンは25%前後で設定しています。

 

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―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

 

 

あまりないですが、心配だったことは、体力がもつのかな?ということ。朝早くから夕方まで仕事をしていますし、接客もありますので体力面の心配がありました。

他には、苦労と感じることはないです。

 

―――― 営業日は、何時頃から起きていますか?

 

 

土曜日は午前2時に起きます。他の営業日は、午前3時くらいです。パンの種類が多いので、そのくらいの時間に起きることが多いです。

 

―――― コロナが始まったとき、ご自身のビジネスへの影響は感じられますか?

 

 

前店に勤めていたタイミングですが、テイクアウトがメインなので、影響は出ていなかったように思います。起業してからも忙しく必死だったこともあり、大きな影響は感じていません。

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びはどのような時に感じられますか。

 

 

お客さまからダイレクトに「美味しい」とか、「このパンをまた作って」といった声を聞けることです。高校生もパン屋さんができたことで、「学校の帰りに寄れて嬉しい」と言ってくれます。

 

―――― 日々の大変さはどのようなところでしょうか。

 

 

体力面ですね。とにかく寝る時間を確保し、夜にしっかりと食事をとるようにしています。

 

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なスキルは?

 

 

個人的には、サラリーマンなどを経験されてから独立されると、これまで培ったスキルが活かされるのではないかと思っています。

なぜかというと、開業するとパンをつくること以外にもやるべきことがたくさんあります。例えば、補助金の申請や、GASENDOを立ち上げるときにも、さまざまな人たちにお世話になりました。建築屋さん、メーカーさん、厨房機器メーカーさんなどさまざまな職種の知り合いがいたからこそ、スムーズに準備が進んだ側面があります。

組織にいらっしゃった人であれば、プレゼンテーション力なども強みになるので、決してこれまでのスキルも無駄にはならないと思います。

 

―――― 今後の目標は、ありますか。

 

 

継続していくことが、いちばんです。まだ1年目なので3年くらいは必死に働きます。3年ほどが経ち、経営的に安定したら次の目標を立てていこうと思っています。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、レコールバンタンキャリアカレッジはオススメしていただけますか。はいの場合、理由を教えてください。

 

 

はい、理由は自分が助かったからです。レコールバンタンキャリアカレッジがなかったら、今の自分はあり得なかったです。

 

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―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、ぜひ前向きなメッセージをお願いします!

 

 

同じクラスの繋がりは、卒業後もずっとあります。クラスメイトは前向きな人が多く、今でも仲が良いです。それも想定して、学生生活を過ごされたらいいのではないかなと思います。

例えば、淡路の道の駅でマフィンを販売している周さんや、「conana」古川さんなど、活躍している同級生も多く刺激をいただいています。

仲間をつくりにいくという感覚で学ばれても、良いのではないかなと思います。

 

 

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<SHOP INFO>

GASENDO

https://r.goope.jp/gasendo-okuizumo/

島根県仁多郡奥出雲町横田1044-12

0854-52-1588

火10:00~17:30、金土10:00~18:30、日9:30~

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