23.03.20 24.04.01 更新

<大阪校・卒業生インタビュー> ties coffee roaster オーナーバリスタ 小池鷹さん

学生インタビュー
卒業生
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レコールバンタンキャリアカレッジは、製菓・カフェ・調理と、「食」の分野に特化した人材を育成する専門校です。

バンタングループの実績として、56年間で約19万人の卒業生を輩出してきました。

最前線で活躍されている卒業生に開業のヒントをもらうべく、静岡県・浜松市にて、「ties coffee roaster」を営む小池鷹さんにお話をうかがいました。

 

 

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<在校中について>

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次を教えてください。

 

 

2018年に、大阪校カフェオーナー学科2年制を卒業しました。

 

―――― 入学時は、おいくつでしたか?

 

 

27歳です。

 

 

―――― クラスは何名くらいでしたか。スケジュールも教えてください。

 

 

週3日授業がありました。料理2回、ドリンク1回など週によってカリキュラムが変わる仕組みでした。クラスメイトは、11人ほどいました。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジを選ばれた理由を教えてください。

 

 

キッカケは、カフェの経営が学べるスクールを探していました。ネットで調べていたところ、レコールバンタンキャリアカレッジともう一校が候補としてあがってきました。

もう一校は、コーヒーというより調理や製菓の内容が多い印象でした。レコールバンタンキャリアカレッジに体験入学に行ったところ、雰囲気も良く、こちらがいいなと思いました。

 

 

―――― どのような点が良いと思われましたか。

 

 

講師の方が、現役バリバリで働いているプロフェッショナルばかりでした。あとは、校内を見たときに、自分が欲しい知識やスキルが得られそうだなと感じられたこと。道具も含めて環境が揃っていると感じました。

 

―――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

 

 

コーヒーに関しては、エスプレッソマシーンを触って、エスプレッソをつかったメニューを淹れられるようになること。

当時、ラテアートにも興味がありました。本格的なマシーンを使って実践的な授業を受けられるのが魅力でした。

また、コーヒーの品質の見極めや、現場目線で求められる所作といった面も身につけたいと考えていました。

働きながら覚えられるスキルもあると思いますが、学ぶことにだけに集中したほうが短期間でしっかりとスキルが身につくかなと思います。

カフェ経営の授業では、原価計算や、開業する際にどういった経費がかかり、どういう手順が必要なのか、数字と事務的な部分を教われたことが良かったです。

 

―――― 印象的だった講師、授業はありますか?

 

コーヒーを教えくださった、石田 謙介講師です。石田講師の授業は、現場で実際にあったケースやトラブルを例にあげながら、詳しく説明してくだいました。

また石田講師自身も現役のプロフェッショナルとして働かれているので説得力がありました。

また、オリジナルドリンクを作る授業も印象に残っています。

味の作り方、コンセプトの立て方、お店の看板ドリンクや期間限定メニューをどのようにつくっていくかというスキルは、今でもとても役立っています。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが、「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

 

 

お店を開く際の価格設定、内装などハード面を決めるときに、レコールバンタンキャリアカレッジで学んだコンセプトに関する話がとても役立っています。ソフト面では、オリジナルドリンクの作り方の授業や、エスプレッソマシーンを使いこなせるようになったことは、日々の営業に活かされています。

 

―――― 印象的だったイベント、販売実習などはありますか。

 

 

販売実習イベントがありました。校舎のスペースを借りて、席数、席の配置、内装、カフェメニューを考えて、企画から販売までをトータルで行いました。

調理も学んでいたので、ワンプレートランチやスイーツを提供しました。

 

―――― 販売実習イベントは良い経験になりますか?

 

 

そう思います。学生という身分なので、極端な話、失敗をしてもいいと思います。リスクを負わずに、開業のテストをできる側面があるので経験して良かったと思います。

 

―――― 在学中、アルバイトなどで飲食業界の経験をされていましたか?

 

 

パンケーキ店でアルバイトをしていました。最初は、エスプレッソマシーンが置いているカフェで探して働いていましたが、徐々に調理も任されるように。また、バーのバイトも掛け持ちしていました。

 

―――― アルバイト先を選ぶときの、ポイントは?

 

 

学校の近くであることと、コーヒーに携われる環境、カクテルを学ぶ授業もあったので、授業内容を活かせそうという基準で選びました。

 

―――― ご出身は浜松とうかがいました。東京校、大阪校のちょうど中心ですが、大阪校を選ばれた理由は?

 

 

確かに、どちらも選べたんですが、東京のほうがオシャレで格好いい感じもあり、周りは東京に出る人が多かったです。なので、常に笑いがあり楽しそうな大阪を選びました。大阪は、お客さまとの距離が近いのでそこに関しても良かったです。

 

―――  在学中「開業サポート」は活用されましたか?

 

 

すぐに開業する予定ではなかったので、利用していません。制度について、聞いてはいたと思います。

 

 

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<卒業後について>

 

 

―――― 開業された経緯を教えてください。

 

 

レコールバンタンキャリアカレッジを卒業後は、カフェの立ち上げや店舗運営ができる企業を探して就職しました。

アメリカ発のコーヒーショップが新店を立ち上げるタイミングだったので、入社しましたが、1年ほど勤めてもっとコーヒーの専門知識を勉強したいと思い、退職しました。

 

その後、大阪のスペシャリティコーヒー専門店「LiLo Coffee Roasters」で働きました。自家焙煎をしているコーヒースタンドで、8畳ほどの小さい店内です。

カウンター越しにお客さまと話しをしながら豆を売ったり、コーヒーを淹れたりとすごくフレンドリーで良い空気感のお店でした。

1年くらい働き、未だまだ勉強できることはたくさんあると思いましたが、もともと「30歳に開業の準備に入りたい」と思っていたので、オーナーに相談していました。

すると、「浜松に戻って、開業準備をしたらええんちゃう?」と、背中を押していただきました。それが、30歳のときです。振り返ってみると、大阪には、レコールバンタンキャリアカレッジを含めて計4年いました。

 

 

―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりを教えてください。

 

 

<お日にち>

 

 

2022年12月24日オープンです。

 

<場所>

 

 

地元の不動産情報などを頼りに、20近くの物件に足を運んだと思います。なかなか理想の場所に出会えず、準備するのに3年かかりました。

条件として、まずは地元・浜松であること。当時、コーヒー専門店が少なかったので、ここは譲れませんでした。次に、広さと、天井の高さ。そして、車社会なので、駐車場は絶対に欲しいと考えていました。

コロナ禍で、閉店されたお店も多かったのですが、古い物件が多かったです。内装を見ても、そこで働いている自分が想像できませんでした。

現在の物件は、広さ、天井の高さも丁度よく、駐車場も備えていて、内装はほぼ何もない状態でした。車通りの多い道沿いで、欲しい条件が揃っていました。ここまでのお店はなかなか無いと思い、決めました。

 

<店名・コンセプト>

 

 

「ties coffee roaster」です。tiesには、「結びつける」や「つながり」といった意味があります。美味しいコーヒーをライフスタイルに結びつけ、コーヒーをきっかけに色々なものが繋がり、地域貢献や面白いことを生み出して行きたいと思って付けました。

 

<内装>

 

 

内装は、コンクリートや鉄を使って無機質な感じをベースにしました。木材を入れる事で温かみも出しています。

内装業者さんには、参考になる画像を幾つか共有し、「こういうお店にしたい」というイメージを伝えていました。基本的には自分のイメージや好きなものを大事にして考えています。

 

 

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<業者さん>

 

 

不動産屋さんを周るときに、「カフェの内装を経験したこがある業者さんを知らないですか?」と聞いていき、紹介していただきました。

また、市内のカフェをめぐって、内装がいいなと思ったら、手掛けた企業を調べるようにしました。実際に、依頼する業者さんが手掛けた施工例を見るのが大事です。

 

―――― ハプニングはありましたか?

 

 

手間がかかり、やらなければいけないことが増えていくことは、直感的に分かっていました。いちばんの悩みは、金額面です。さまざまな原料の値上がりが始まる次期だったので、どこにお金を使うか、もう少し悩む時間があったら良かったなと思います。

また、静岡県で台風・洪水が発生し、内装のカウンターをつくる木工所が水没した為、納期が一カ月ほど延びました。予定通りに進めるように準備はしていましたが、それでも災害など想定外のことが起こることもあります。

 

<客層>

 

 

目の前が車通りの多い道で、「通勤のときに見つけてずっと気になっていました」と来てくださる方が多いです。

また、コーヒー好きな方はGoogleやSNSで検索して来てくれます。

通勤途中に見つけてくださる人が半分、GoogleやSNSで見つけてくださる人が半々です。

お客さまの7割くらいは女性で、年代としては25歳から35歳くらいの方が多いです。

 

 

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―――― いちばんの売れ筋のメニューについて教えてください。

 

 

「ドリップコーヒー」(税込500円前後~豆の種類によって異なる)が人気です。常時、7、8種類の珈琲豆を揃えています。スイーツは、洋菓子店から仕入れていて、ドーナツ(税込280円)が人気です。

 

―――― 豆は、どのように仕入れていますか?

 

 

インポーター様から生豆を仕入れて焙煎しています。焙煎の知識は、就職したLiLo CoffeeRoastersで教えてもらいました。

実は、僕がレコールバンタンキャリアカレッジに在籍していたときは、焙煎を学べるクラスがなかったんです。卒業して1年後に、焙煎のクラスができました。

 

―――― 「値付け」は、どのように行われていますか。販売価格の付け方など、コツがありましたら教えてください。

 

 

基本的には、地域のお店が、ハンドドリップを出す価格帯、また大手チェーン店の価格も参考にします。そこから、スペシャリティコーヒーであること、ハンドドリップで淹れることの付加価値を加算し、値段を考えています。

他店と同じような価格帯もあれば、付加価値を考慮して少し高くお出ししている質の良いメニューもあります。

 

―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

 

 

二つあります。まずは、経営は、全て自分一人でやっています。お店の営業も回し、焙煎もして、SNS運用もするとなるとやることは多いです。

営業以外にも、経理や発注など事務作業もあり、そういった部分の作業面はうまく時間を作らないと新しい事も出来なくなってしまいます。

もう一つは、いかにコミュニケーションを取って、お店のことを覚えてもらうか。大阪での経験を活かして、来て頂いた方には珈琲以外の色々なことも話すようにしています。

楽しかったと感じて帰ってもらえるよう、苦労もありますが、自分自身も楽しんで続けています。

 

―――― 新型コロナウィルスの流行について、ご自身のビジネスへの影響は感じられますか?

 

 

ほぼ無いです。今、さまざまな面で緩和され始めてきたなと感じています。以前、市や県による「新型コロナウィルス対策認定店」という制度がありました。

助成を得るためにパーテーション、検温などが必要な期間がありました。ties coffee roasterでも手指消毒のアルコールは置いていますが、特に影響は無いという印象です。

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びはどのような時に感じられますか。

 

 

ties coffee roasterでは、コーヒー豆を選ぶときに、参考までに豆の香りを嗅いでいただいています。お客さまが目の前で体験され、その瞬間の「熱のある感情」を目の前で感じることができます。

対ヒトで、仕事をしている人は結構いらっしゃると思いますが、飲食店は喜びやリアクションを肌で感じられるお仕事なので、それはやっていて面白いです。良いものを提供できたという実感が得られます。

また、たくさんの人が集まる場所で、お店での出会いが生まれることもあり、その辺りも面白いです。

 

―――― 日々の、大変さはどのようなところでしょうか。

 

 

少しでも良いもの、良い空間、良いお店を作れるよう変化して行く事。例えば、シーズナルメニューの作成など、新しいことも考えてつくっていかないといけません。

内装も、少しずつ変えていきたいです。時代に合あわせて、柔軟に対応していくこと、お店を良くすることを常に考えて変化していくことが大切です。

 

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なスキルはどのようなものだとお考えですか?

 

 

器用な人、もしくはお願いが上手な人、このどちらかだと考えています。器用な人というのは、料理もドリンクも作れてホールも回せるような人です。

もう一つ、飲食業は、自分一人で営業できるものではありません。「ties coffee roaster」でも、業者さんなど関わってくださる人がたくさんいます。なので、頼ったりお願いできたりするのが上手な人は、周りを巻き込むことができますし、助けてもらえます。

そういった部分が活躍に繋がっていきます。

 

―――― 今後の目標はありますか。

 

 

浜松には、スペシャリティコーヒーの専門店が少ないので、もう一店舗つくることが目標です。一店舗目を比較的郊外につくったので、駅周辺にコーヒースタンドのような空間でもいいので、出店したいと考えています。

大きな目標としては、浜松のコーヒー文化をアップデートしていきたいです。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、レコールバンタンキャリアカレッジはオススメしていただけますか。はいの場合、理由を教えてください。

 

 

目標があって達成したいのであれば、オススメできます。バンタンでは意思があって、学ぶことに貪欲であることが大事だと思っていますので。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、ぜひ前向きなメッセージをお願いします!

 

 

目標を達成する意思を持って飛び込んでみて下さい!

飲食業界のプロフェッショナルが集まっているので、やろうと思ったら幅広い分野で専門的スキルを持てる環境です。人脈もそうですけれど、将来的に開業を志す人にとっては、力になる部分が多いですよ!

 

 

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<SHOP INFO>

tiescoffeeroaster

@tiescoffeeroaster

静岡県浜松市北区三方原町195-2

営業時間:10:00~20:00

定休日:水曜

駐車場:店舗前、横に3台

オンラインSHOP  tiescoffee.base.shop

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