23.02.17 24.04.01 更新

<卒業生インタビュー>Brownies Cafe オーナー 中川 由香子さん

学生インタビュー
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ウィズコロナの時代。外食産業を担う卒業生たちは、今どのような心持ちでビジネスをしているのでしょうか?

最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、東京・江古田「Brownies cafe」オーナー中川 由香子さんにお話をうかがいました。

 

 

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<在校中について>

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次を教えてください。

 

2018年10月に「開業プランニング」コースを受講しました。半年間のコースです。

 

 

 

―――― クラスは何名くらいでしたか。スケジュールは?

 

15名ほど在籍していました。土曜日に授業(現在は日曜日)がありました。

 

 

 

―――― ご入学時はおいくつでしたか。

 

56歳で入学しました。

 

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジを選ばれた理由を教えてください。

 

子育てや母の介護をしながらも、ずっとカフェをやりたいと思っていました。ただ、飲食の業界についてはまるっきり知らず、知識がありませんでした。

兄が「レコールバンタンキャリアカレッジという飲食の専門校があるよ。」と教えてくれました。

そこで、アポイントメントを取らずに、校舎の見学に行きました。

すると、スタッフさんが温かく対応してくださり、「ちょうど、10月からの秋の生徒を募集しているところで、締め切りに未だ間に合います」と案内をしてくださいました。タイミングも良かったと思います。

 

 

―――― なるほど。それまでは、どのようなお仕事をされていたのですか?

 

1984年に、ハワイに留学で渡りました。現地で結婚し、双子の男の子を出産しました。息子たちが1歳になるとき、夫の仕事の関係でフロリダへ移住しました。

海外生活が長かったです。2000年、息子たちが11歳のときに日本に戻ってきたのですが、それから6年ほどして母が認知症を発症したため、介護が始まりました。

振り返ってみると、自分のことはいったん置いておいて、日々の生活で手一杯でした。でも、忙しさを理由にして「自分のやりたいことができない」とは言いたくないと思っていました。

母をホームに預け、起業に向けて準備を進めました。

 

 

 

―――― 「ブラウニー」をメインにした理由は?

 

子どもたちが1歳のときに、ハワイからマイアミに引っ越したのですが、現地にアジア人がほとんど暮らしておらず、知り合いも限られていて大変でした。

育児に追われる日々の中でも、一日の終わりにブラウニーを食べるときは至福の時間でした。

また、料理本やネットのレシピを片っ端から試し、スイーツも食べ歩いて独学で研究していました。ホームパーティを開くときは、ホームメイドブラウニーを振る舞っていました。

ママ友から「本気でブラウニーのお店を開いたら?」と言われることもあり、励みになりました。

大変な時期は、ブラウニーのおかげで乗り越えられたので感謝の気持ちがあります。また、自分が食べたい創作ブラウニーを、たくさんの人に食べて欲しいなという気持ちがあります。

日本に帰国しましたが、当時ブラウニーを知っている人はほとんどいませんでしたが、今は少しずつ認知度が上がっていると感じています。

 

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジで、特に学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

 

経営と法律の知識です。自分の人生をかけて開業するので、失敗するのはイヤだと思いました。

飲食店を経営していくために必要な知識を身に着け、開業に向けて事前にどのような準備をしたらいいのか?を知りたいと思いました。

自分の想いだけでは、上手くできないだろうと思っていました。

 

 

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―――― 印象的だった講師、授業はありますか

 

カフェ専門家・中島誠講師です。最新のトレンドを知ることができて、授業はとても楽しかったです。

デザイナーの佐々木講師には、設備やどういったキッチンであれば使い勝手が良いのかを学びました。また、宮崎講師は、最も授業数が多く印象に残っています。

実店舗を使った例題も出してくださり、分かりやすかったです。どの講師の授業も内容がすごく濃く、あっという間でした。

 

 

 

―――― 授業以外で、印象的だったことはありますか。

 

モチベーションの高いクラスメイトが多かったです。授業の合間には、各自がスイーツを持ち寄り、「もぐもぐタイム」を過ごしました。

手づくりだけでなく、知っておきたいお店のスイーツを持ち寄って、意見を交換しました。私も、ブラウニーを持っていき、同級生に意見をもらうことができたので良かったです。

また、授業前には中目黒・代官山エリアのカフェを同級生と訪れ研究しました。ランチを食べて、授業で学んだことの振り返りをしたり、分析をしたりしたことが印象的です。

 

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

 

開業する前に準備しておくべきことや、法律面の知識を知れたのが良かったです。

自分の想いだけではやってはいけない、ということも教えていただけました。

卒業時の開業プランをプレゼンテーションしたとき、店名は「brownieyuca」としていましたが、それではダメだと講師の方々に言われました。

自分が良いと思うアイデアも、他の人も同様に良いと思うとは限りません。店名に限らず、味やデザインなどすべてに言えると思います。

自分のお店ではあるのですが、感覚として6割は自分の意見、4割は他者の意見を入れることも必要です。

 

 

 

―――― 印象的だったイベント、販売実習などはありますか。

 

私たちのコースでは、特にありませんでした。

 

 

 

―――― 在学中、アルバイトなどで飲食業界の経験をされていましたか?

 

開業する以前には、ありません。

 

 

 

―――  在学中「開業サポート」は活用されましたか?

 

利用しようと思っていましたが、使っていません。卒業後も、中島講師とは連絡を取り合っていましたので実質的には開業サポートを受けていたと言えるかもしれません。

中島講師は出張カフェにも来てくださいましたし、実際に物件探し際にも同行してくださり、物件探しのコツなども教えていただきました。卒業後も大変お世話になっています。

 

 

 

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<卒業後について>

 

 

―――― 卒業されてから、開業されるまでの経緯を教えてください。

 

レコールバンタンキャリアカレッジ卒業と同時に、南長崎のシェアキッチン「コマワリキッチン」を借り、製造販売とカフェ事業をスタートしました。

家からも近く、便利でした。2019年2月にオープンしたばかりの施設でしたが、3月から借りることができました。

ただし、人通りが少ない場所に位置していたことと、オープンしたばかりでシェアキッチンを知っている人が限られていました。

 

そこで、リラクゼーションサロン運営の会社に頼み、月に1回、会社で出張カフェをさせていただくことになりました。

当時からブラウニーを主役にしていましたが、出張カフェではチーズケーキやショートケーキも出していました。お持ち帰りのブラウニーも好評でしたね。

2019年3月にスタートし、「シェアキッチンも、手狭になったのでそろそろ実店舗を持ちたい」と考えていた矢先に、2020年1月からコロナ禍になり、月に一度の出張カフェもクローズしました。お得意様にブラウニーの発送をするなどして事業を続けましたが、すぐに店舗を構えるというよりも様子見をしようと決め、1、2年を過ごしました。

 

 

 

―――― 転機はありましたか?

 

2021年の夏に、ハワイに行かなくてはいけない用事があり滞在しました。

日々の生活から離れて自分の原点に戻ったときに、「ウィズコロナが少しずつ定着してきたし、ここでやらなくては後悔する」と感じました。

2021年10月に、会社をつくろうと思い、カフェ専門家・中島講師に連絡させていただきました。司法書士さんもご紹介いただき、登記を行いました。

それから、中島講師からさまざまなスペシャリストをご紹介いただき、ブランディングをご相談しています。

 

 

 

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―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりを教えてください。

 

 

<場所>

 

世田谷、目黒、吉祥寺も見て歩きました。最終的に江古田を選んだのは、家からも近く、土地勘もあるので良いと感じました。

また、1階で視認性が高く、スケルトン、キッチンのスペースが広く、イートインのスペースも理想的でした。

 

 

 

<お日にち>

 

2022年12月1日からソフトオープンしています。

 

 

 

<店名・コンセプト>

 

ブラウニー専門店です。100個ほど候補があった中で、「Brownies Cafe」に決めました。

 

 

 

<ブラウニーのラインアップ>

 

30種類以上提案し、選りすぐりの9種類を提供しています。オリジナルがいちばん人気です。私が好きな、毎日でも食べていただきたいブラウニーです。

ブラウニーの上にレモンケーキをのせたオリジナル「ウィークエンド シトロン」(ソフトオープン価格・税込385円)などが揃います。

 

 

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<内装>

 

店内デザインは、中島講師が所属するクリエイター集団の「NN」さん 〈nn_inc_tokyo〉 に依頼しました。

内装業者さんはNNさんが数社相見積もりを取っていただいてその中から決めました。ショーケースも、ブラウニーのサイズに合うように設計されています。

特に床のデザインは気に入っています。ブラウニー型のレンガを等間隔に敷き詰めているんですよ。

当初は、エスプレッソマシーンを導入しないつもりでしたが、コーヒーを担当する夫と相談して、設置することにしました。

エスプレッソマシーンのメーカーさんも中島講師から紹介いただきました。

 

 

 

<客層>

 

地元の人が多いです。SNSを見て、来て下さるお客さまもいます。

特に、お子さま連れのお母さんに一息ついて欲しいと思っています。

のんびりした時間を過ごせるように、座席は荷物をのせやすい設計にしていて、乳幼児がつかまり立ちできるボックス席もつくっています。

私もカフェでリラックスしていたように、子育て世代に元気になってほしいと思います。

 

 

 

―――― 特に売れ筋のメニューについて教えてください。

 

ドリンクでは、「アメリカーノ」(ソフトオープン価格・税込440円)も出るし、「ラテ」(ソフトオープン価格・税込495円)、「ハンドドリップ」(ソフトオープン価格・税込440円)も出ています。エスプレッソマシーンも、コーヒー豆は主人が選んでいます。

中島講師の会社である「株式会社CafeCreates」の加藤さんが、抹茶ラテやほうじ茶ラテを淹れる技術研修を行ってくださっています。

 

 

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―――― 「値付け」はどのように行われていますか。販売価格の付け方など、コツがありましたら教えてください。

 

2023年1月時点では、「オープニング価格」で提供しています。現時点では、利益優先ではなく、地元の人たちに愛されるような価格を探っている真っ最中です。

中島講師にもアドバイスをいただきながら、長く愛されるお店になれるような価格帯に落ち着いていくと思います。

 

 

 

―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

 

オープンして未だ1カ月なので、全部が大変です。仕入れ、仕込み、接客など、すべてを滞りなく進めなくてはいけません。

特に学びがあったのは、年末年始もオープンしていたのですがお客さまの過ごし方が日によって大きく違う点です。

クリスマスは、パーティに行くためおもたせで持っていきたい人が多くテイクアウトが伸びました。また、12月31日はイートインの利用は少なく、テイクアウトが多かったです。

1日が経って1月1日は、休日でのんびり過ごしたい人が多くイートインで過ごす人が多かったです。そういう変化は読めないところですし、対応するのは大変でしたが学びも多かったです。

 

 

 

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―――― ブラウニーのこだわりを教えてください。

 

手作りにこだわっています。また、ココアパウダーは使わないのもこだわりです。個人的にはココアパウダーを使うとブラウニーの呼吸が止まってしまうような気がしています。

コーヒー豆も寝かせると美味しさが増しますが、同じようにブラウニーも3日目、4日目が美味しいです。焼きあがったら、冷蔵庫に入れてクールダウンし、3、4日ほど置きます。

また、包装にもこだわっていて、プラスチックには包まないようにしています。紙のパッケージであれば、熟成して美味しくなりますが、一方でプラスチックに包むとオイリーになるだけでなく、乾燥も早いように思います。

一つひとつのブラウニーは、まるで我が子のように愛しい存在で、ついつい母のような目線で見てしまいます。お客さまには、“いい表情”のブラウニーを召し上がっていただきたいです。

 

 

 

―――― 新型コロナウィルスの流行について、ご自身のビジネスへの影響は感じられますか?

 

お店を持つか持たないかという時期だったので、その点では悩みました。開業してからは、2022年4月に物件が決まり、本来であれば10月にオープンしたかったのですが、コロナ禍で、職人さんがお休みすることもありました。また、ロシア・ウクライナ戦争が起こり、厨房機器が入荷しないといった影響もありました。工期が伸びてしまいましたが、その期間中は私もブラウニーをどんどんブラッシュアップしていきました。

 

 

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びはどのような時に感じられますか。

 

お客さまが「美味しい」と言ってくださる一言で元気になります。自分の想いの詰まったブラウニーが、お客さまのお口に合うととても嬉しいです。

 

 

 

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なスキルは?

 

自分が人生で食べてきたもの、食べものでどれだけ感動してきたかを表現するスキルです。

私くらいの年齢で始められるのでしたら、能書きではなく、食べたときの感動をどのように自分で表現できるのかを考えていってください。

年齢を重ねてきているので、このスキルは、もしかすると若くして開業を目指す人とは少し違う視点かもしれません。

 

 

 

――――  今後の目標はありますか。

 

まずは、営業を軌道に乗せたいです。そして、いずれはランチメニューも提供したいですね。

アメリカで暮らしていたときに、ご飯の上にチリをのせた「チリボール」を作っていました。我が家ならではの「チリ」があるので、その味も提供したいです。

 

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、レコールバンタンキャリアカレッジはオススメしていただけますか。はいの場合、理由を教えてください。

 

はい、です。レコールバンタンキャリアカレッジでは、迷っていることや分からないことの答えを教えていただけます。

ネットにも無料の情報は溢れていますが、何が正しいのか分かりません。プロフェッショナル講師が、直接疑問点に答えて下さるので、オススメです。

 

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、ぜひ前向きなメッセージをお願いします。

 

在学中に、ある程度自分のお店の構想をまとめながら授業を受けるといいと思います。プランが無いと質問も出てきません。在学中に、たくさん聞いたほうがいいと思います。

また、自分が提供したいと思っているフードを、講師の方々に召し上がっていただくと良いですよ。クラスの友だちにも意見を聞いちゃうといいと思います。

ぜひ、レコールバンタンキャリアカレッジという恵まれた環境を活用してください。

 

 

 

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<SHOP INFO>

@browniescafe_jp

https://www.brownies.cafe/

https://lit.link/browniescafe

東京都練馬区豊玉上1丁目9-10 ヴィラ江古田 1F

営業日:水曜~月曜

定休日:火曜

営業時間:10:00~18:00

 

 

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