22.07.19 24.04.01 更新

<卒業生インタビュー> Cafe&Deli Ginza SOLEIL+ オーナー菊池直也さん

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「ウィズコロナ」の時代。外食産業を担う卒業生たちは、今どのような心持ちでビジネスをしているのでしょうか?

最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、東京都・銀座四丁目にて「Cafe&Deli Ginza SOLEIL+」を経営する、オーナー菊池直也さんにインタビューを行いました。

後半は、コンサルタントを務める宮崎講師に、新メニュー開発のポイントをうかがいます。

 

 

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オーナー菊池直也さん

 

 

 

<在校中について>

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名を教えてください。

 

2021年4月に、カフェ開業・副業コース(現在の飲食店開業コース)に入学しました。6カ月のコースでした。

 

―――― クラスは何名くらいでしたか。スケジュールも教えてください。

 

毎週日曜日で、クラスは20名前後でした。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジを選ばれた理由を教えてください。

 

カフェの運営母体である株式会社サン-ケイは、トールペイント画材の専門店・お教室を38年運営してきた会社です。

トールペイントを学ぶ生徒さんは、受講するときは10時から16時くらいまで滞在されます。

ランチにコンビニのお弁当を食べていたり、近所の飲食店に行こうと思っても10名以上だとなかなか入れるお店がなかったり、ということがありました。

それであれば、当店でランチやカフェまで完結できると便利ですし、生徒さんの満足度向上に繋がるのではないかと考えました。

以前居た銀座一丁目の店舗物件が建替となり、現在の場所に2022年3月に引っ越してきました。

店舗の場所が変わるにあたり、これまでと全く同じことするのではなく、新しいことを始めようとも思いカフェ事業を始めようと考えました。

カフェを利用した人が、隣接するトールペイントのショップに興味を持っていただくキッカケにもなればと思います。

 

―――― 「トールペイント」とはどのようなものなのでしょうか。

 

欧米で、伝統工芸として知られるハンドペイントのことです。

古くは教会の絵付けや、王室や貴族の邸宅の家具などに絵付けされた手法で、庶民が憧れて、自分の生活を豊かにするために取り入れたと言われています。

海外駐在員の奥様が習い帰国後に広めるなどして、日本でも少しずつ浸透していきました。

株式会社サン-ケイでは、創業は1979年ですが1984年からトールペイント用品を扱っています。知っている人は限定的かもしれませんが、国内最大級の専門店です。

 

―――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

 

具体的なスキルはまったく考えていませんでした。

ただ、「生徒さんに喜んでもらい、いいサービスを提供できたら」と考えていました。

飲食業界での経験はまったくなかったので、飲食業界の商習慣や人脈が作れたらいいなと思っていました。

業界が違えば働く人の価値観も違うでしょうし、その辺りを知りたいと思いました。

 

―――― 数ある専門校の中で、レコールバンタンキャリアカレッジを選ばれた理由は?

 

説明会に参加し、卒業後のサポートサービスがあるのがいいと思いました。直接、講師に相談できる制度があることも魅力に感じました。

 

―――― 印象的だった講師、授業は。

 

宮崎講師、佐々木講師は接している時間が長かったし多くの事を指導してくれました。また、カフェプロデューサーの中島講師の視点もユニークでタメになりましたね。

もう一人、外資系家具メーカーの店舗プロデュースなどで活躍されていた講師の方で、『モダン』『ヴィクトリアン調』など様々なインテリアのスタイルを紹介してくださり、歴史的背景も学ぶことができました。資料も充実していましたし、本業と近い部分もあり参考になりましたね。

宮崎講師には、数値管理をシビアに学びました。長くお店をやっていくうえでは欠かせない内容で、非常にタメになりました。また、内装は佐々木講師にお願いしました。

実際にお店に来ていただき、顧客層やイメージをお伝えし、私たちのお客さまに合うイメージに仕上げていただきました。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

 

大袈裟かもしれませんが、レコールバンタンキャリアカレッジに通っていなかったら、「Cafe&Deli Ginza SOLEIL+」はできていないと思います。

レイアウトや厨房設備は、佐々木講師と宮崎講師のアドバイスのおかげですし、提供するメニューは宮崎講師に監修していただきました。

食材の仕入れ先や問屋さん、導入するレジにいたるまで佐々木講師、宮崎講師にフルでお任せでしたので感謝しています。

 

―――― アルバイトなどで飲食業界の経験をされていましたか?

 

高校生時代に、短期間だけ居酒屋のアルバイトをしただけです。

妻は、現在「Cafe&Deli Ginza SOLEIL+」で働いてくれていますが、彼女も飲食業界の経験はなく、宮崎講師に熱心に指導していただきました。

 

 

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<卒業後について>

 

―――― 開業された経緯を教えてください。

 

2021年9末に卒業し、宮崎講師と佐々木講師にお声掛けしてコンサルティングに入っていただきました。

物件を見ていただき、コンセプトから相談にのっていただきました。

オープンは、2022年3月26日です。

 

 

―――― ご準備で、大変だった点は?

 

建物の内装工事、厨房設備など、すごくお金がかかります。資金手配は、いちばん頭が痛かったですね。

宮崎講師の授業で「事業計画書」を作る授業があり、フォーマットをいただいていました。

本業でも事業計画は書いていましたが、違う業界ですから原価率も変わりますし、新たな事業でしたから融資を受けるまでは大変です。

 

 

―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりを教えてください。

 

<店名>

 

社内で意見を出し合い、決めました。その上でトレンドも少し取り入れた店名ととしました。

 

<コンセプト>

 

「ていねいなくらしと健康な食生活」をコンセプトにトールペイントの生徒さんに質の高いフードやスイーツを提供すること、またこれまでにトールペイントと接点がないお客さまにとっても出会いを生み出す場所になればと考えました。

生徒さんは、普段からいいものを口にしていらっしゃる方が多いので、レンジで温めて出すなど簡易的なものではなく、質にこだわりたいと思っていました。

 

<内装>

 

「シャビーシック」な感じにしたいと考えていました。

色々な雑誌を見て、気に入った写真やPinterestで写真を集めて、佐々木講師に伝えました。

依頼する際は、アンティーク、ヴィンテージ、モダン、など関連するキーワードも整理していました。

 

<ロゴデザイン>

 

宮崎講師のお知り合いである、グラフィックデザイナーさんにお願いしています。

 

<客層>

 

50代、60代の女性が多いですが、老若男女、利用してくださっています。小さいお子さん連れや男性一人の方もいますし、歌舞伎座が近いので観劇帰りのお客さまも多いです。

また、同フロアには最大40名座れる教室があります。同じフロアなので、ご要望があれば食事やドリンクを生徒さんに運ぶこともしています。

 

 

―――― 特にオススメのメニューについてお教えください。

 

たくさんありますが、ランチは『欧風黒バターカレーと和風キーマカレーのダブルカレープレート』(1320円税込)が人気です。

スイーツは、「本日のシフォンケーキ」(700円税込)、「アフォガードコーヒーゼリー」(855円税込)、てんさい糖を使用した「自家製レモネード」660円税込)は、宮崎講師のレシピで作っていて好評です。

夜は「しらすとたっぷり薬味の和風ピザ」(1210円税込)、「自家製デリ盛り合わせ 5種」(1080円税込)の人気が高いです。

コーヒーは、COSTA COFFEEと契約しています。契約すると、エスプレッソマシーンが無償で借りれました。

実は、COSTA COFFEEは大好きで、25年前から海外出張に行った際に飲んでいました。

レコールバンタンキャリアカレッジの授業でCOSTA COFFEEの話を伺い、卒業後に、宮崎講師にバリスタ・篠崎好治講師をご紹介いただきました。

COSTA COFFEEのメニュー開発にも携わる方で、とてもスムーズに契約まで運びました。これもレコールバンタンに通っていて良かったと思うことの一つです。

 

 

―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

 

スタッフのオペレーションスキルと、お店の告知の足並みを揃えていくことです。

開業当初は、スタッフもオペレーションに慣れていないため、「『Cafe&Deli Ginza SOLEIL+』があるよ」と闇雲に告知することを控えていました。

今は少しずつスタッフも仕事に慣れてきたので、どのように告知をしてお店を知っていただくかが課題です。

 

 

―――― 新型コロナウィルスの流行で、工夫された点は?

 

コロナ禍以前は、北海道から沖縄、海外からも生徒さんが来てくださっていましたが、東京に来られない人が増えて、教室運営は大ダメージを受けました。その為緊急事態宣言中以降は、オンラインセミナーを始めています。

私たちは教室運営のノウハウがあるので、午前10時~12時、午後3時~5時のカフェが空く時間を使って、ランチ込みのニットカフェや、クラフトビールの飲み比べ、食べるオリーブオイルなどのセミナーを実施する予定です。

 

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びについて教えてください。

 

これまで、トールペイントのお店にはいらっしゃっていなかったお客さまが来てくれています。色々な世代の人が来てくださり、「美味しい」というお声をいただくと嬉しいです。

私自身は調理場には立ちませんが、シェフの方々が喜ぶのは、これなんだろうなと日々感じています。

 

 

―――― 大変さはどのようなところでしょうか。

 

土地柄、たくさんのお店がある中で、ファンを作るのは大変です。

そうした点でも、「COSTA COFFEE」のブランドコーヒーを提供するのは、いいアピールになると思いますし、信頼にも繋がります。

 

 

―――― カフェオーナーとして活躍するうえで、必要なスキルは?

 

お客さまに喜んでもらえる環境、サービス、お料理などを、お客さま視点で考えられることだと思います。

トールペイント教室の生徒さんとは、20年、30年のお付き合いです。家族のことなど、プライベートなお話をしてくださる方もいます。

なので、信頼されるような仕事をしていかないといけないと思っています。これは、どんなビジネスにも通じることかもしれませんが、たくさんのお客さまにファンになってもらうことだと思っています。そのためには、信頼を得ることが大切だと思っているので、誠実に対応することは心がけています。

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、レコールバンタンキャリアカレッジはオススメしていただけますか。はいの場合、理由を教えてください。

 

もちろんです。カリキュラムも色々な視点から学べるように組まれています。

カフェ開業・副業コースでは、店舗を持たない「ゴーストレストラン」運営のノウハウや、キッチンカー、クラウドファンディングにまつわる授業など多岐にわたりました。

そうした内容は、一般的な料理専門学校では教えないと思います。

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、ぜひ前向きなメッセージをお願いします!

 

迷っているなら扉を叩くのはとてもいいと思います。色んな講師陣の話も聞けますし、同じ目標に向かっているクラスメイトに出会えます。

「飲食」といってもジャンルは様々で、バーをやりたい人、フルーツサンド専門店をしたい人など自分とは違う夢、業態の人がいるので幅広い考え方を学ぶことができました。

開業後は、同じクラスの調理師さんがバイトで入ってくれたり、これから開業したい同級生も仕込みを手伝ってくれたり、お祝いに来てくれました。オススメできるスクールだと思います。

 

 

 

<エムズ・ファクトリー代表/フードコンサルタント 宮崎政喜(まさき)講師>

 

 

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―――― 「Cafe&Deli Ginza SOLEIL+」が開業される際のメニュー開発で、大切にされたポイントについて教えてください。

 

宮崎講師「トールペイント教室の顧客さまは、趣味に時間を投じられる、余裕のある方が多いです。自分を大事に思っていらっしゃる人が多いので、『インナービューティ』『医食同源』を理念としました。例えば、酵素たっぷりDELI、熟成低温ポーク、発酵ドリンク、多品目の野菜を摂れることなど、健康に気を遣った内容にしました」

 

 

―――― 今夏に提供を予定している、新メニューについて、教えてください。

 

宮崎講師「スイーツは、『白玉、抹茶、わらびもち、小豆を使った和風かき氷』と『果肉たっぷりのイチゴのかき氷』を予定しています。

フードは、7月中旬に『7品目の彩り野菜のフレッシュパスタ』、ストウブの鍋で提供するアヒージョは『ぷりぷりエビとマッシュルーム』『白魚とブロッコリー』の2種類を考えています。また、『タンドリーチキンのラップサンド』、『スモークサーモンとアスパラ トマトクリームフレッシュパスタ』も提供予定です」(※試作段階のため、すべて仮の名称です)

 

 

 

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7品目の彩り野菜のフレッシュパスタ

 

 

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白玉、抹茶、わらびもち、小豆を使った和風かき氷

 

 

―――― 新作メニュー開発のポイントは?

 

宮崎講師「まずは、目に見えるニーズ『顕在ニーズ』を拾います。お客さん、スタッフさん、経営者から『こんなご飯があればいい』といった声を拾います。

アンケート調査などをしてもいいです。次に、言語化されていない『潜在ニーズ』を汲み取ります。近隣に似たようなメニューがあると、お客さまがそちらに流れてしまうケースもあるので、競合他社分析を行います。“皆さんが欲しがっているもの”を提供するのが、基本です

 

 

―――― 新メニューを考案するときに、心がけていることは?

 

宮崎講師「現場で再現できるかどうか。どんなに美味しくても、工程が難しすぎるとスタッフさん全員が調理できないので、丁度いい塩梅を目指します。

また、尖ったメニューばかりではなく、王道が欲しい人に向けた定番も入れます。そのバランスを取ることも大切です。

もう一つ、個人的に大切にしているのは『ファーストインパクト』。お待たせしました、とお皿を持っていったときに『わぁ』、『可愛い』『どこから食べたらいいの?』といった反応が起きることが理想です」

 

 

<客足が遠のいてしまう理由とは……?>

 

宮崎講師「客足が遠のいてしまう、いちばんの理由は何だと思いますか?それは『なんとなく=利用に飽きている』です。

足を運ぶ理由がなくなって、一生懸命営業していても気付いたときには売り上げが徐々に落ちてしまうんです。

回避するためには、新メニューのリリースや価値あるイベントを企画し、『常に興味関心をもっていただき』行く理由を作ること。

新メニューは毎月出すことが理想、メニュー替えは年4回精査するのが基本ですが、最低でも4月と10月にはメニューの見直しはしましょう」。

 

これから開業を予定されている、入学検討者さまや、在校生は是非参考にしてみてください!

 

 

 

 

 

<SHOP INFO>

Cafe&Deli Ginza SOLEIL+ (カフェアンドデリ ギンザソレイユプラス)

東京都中央区銀座4-10-3セントラルビルB1F

03-6263-2481

月水木金土 10:30~20:30(L.O)

日・祝 10:30~18:00(17:30L.O)

ランチ 11:30~15:00(14:30L.O)

火曜定休

https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13270203/

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