• <卒業生インタビュー>「金の百合亭」オーナー 手嶋文彦さん

    2021年02月13日(土)

「ウィズコロナ」の時代。

外食産業を担う卒業生たちは、今どのような心持ちでビジネスをしているので

しょうか?

最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、金の百合亭オーナー手嶋文彦さんにインタビューを行いました。

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<在校中について>

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次を教えてください。

2013年秋に入学しました。カフェ速習コースは半年間のコースで、週2回通っていました。妻もレコールバンタンキャリアカレッジで学んでいまして、パティシエコースに1年間、週1回通っていました。

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジ大阪校を選ばれた理由を教えてください。

52歳のとき、妻と喫茶店をできたらいいなという話になりました。子どももいませんし、二人のペースでカフェをやれたらいいねと。定年してからよりも、フットワークの軽いうちに始めたほうがいいと思い早期退職することを決意。ただ、飲食の経験はなかったので基礎的な技術を習得したいと思い入学しました。

 

―――― それまでは、どのようなお仕事を?

サラリーマンです。飲食業界とは関係のない企業で、総務部にいました。レコールバンタンキャリアカレッジに通うと決めてからは、溜まっていた有給休暇を使っていましたね。社会人向けのスクールは他にはなかったですし、週2回というペースも良かったです。

 

―――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

ドリンクと、料理の基礎的な技術を習得したいと思っていました。当初の予定では、妻はケーキを出して、僕はフードとドリンクを担当する計画でした。

レコールバンタンキャリアカレッジの魅力は、『一人一制作』で、ひとつの料理を最初から最後まで調理できること。例えば、パンなら、こねる役、焼く役と分業してしまうと全体を見通せないですよね。技術を身に着けるうえで、最初から最後まで責任を持って調理できる点が特に良かったと思います。

 

―――― 印象的だった講師、授業はありますか?

どの講師も、とても良かったですよ。ドリンクの石田講師、スイーツを教えてくださった田中講師、経営の末廣講師が印象に残っています。

あとは販売実習ですね。レコールバンタンキャリアカレッジの校舎ではなく、飲食店を借りて料理を提供しました。15人クラスでしたので、7人と8人に分かれて2日間の実習でした。ランチ、デザート、ドリンクまでついて確か980円で提供しました。メインは、ロコモコ丼だったと記憶しています。近所の方たちも「安くて気合いの入ったメニューが出てくる」ということをご存じで、とても賑わいましたね。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネスに活かされている」と感じることはありますか?

 

コーヒーの淹れ方、ドリンクの考え方など、基礎的な部分はとても役立っています。包丁もあまり持ったことのない人間が、材料の切り方から、野菜の甘みを出すためにはしっかり炒める必要があるといったポイントを習うことができました。基礎を抑えておけば、応用もききます。

私は総務もやっていましたので、経理的な考えは分かっていましたが、もう一度経営について復習しよう、という気持ちでのぞみました。個人経営で資本がないなかで、どのようにキャッシュフローを考えたらいいかという点は、学んでおいてよかったです。特に、末廣講師の授業では「喫茶店を始めるにあたって『お客様の笑顔を楽しみにやっています』とか、『美味しいものを提供して幸せになれたら』とか、甘っちょろいこと言っていたらあかん。コーヒーの利益率は8割ある、といっても甘いもんやない。家賃を15万円払うためには、利益額をとらえなあかん。利益の率ではなく、額を把握しないといけない」といった歯に衣着せぬ説明も良かったですね。

 

―――― アルバイトなどで飲食業界の経験をされていましたか?

学生時代に、飲食店でアルバイトを1年していましたが、そのときはホールでした。飲食業の経験はゼロではありませんが、時代も違うので、バイト経験が直接役立っているという感覚はないですね。

 

<卒業後について>

―――― 場所、店名、コンセプトについてのこだわりを教えてください。

 

<場所>

京都の中心部で開業したいと思っていました。お店があるのは、繁華街からも近く、交通量も多い場所。ビルの2階で、八坂神社の綺麗な西楼門がドンと見える景色が決め手になりました。たまたま空いていたので即決です。

2014年に物件を決めてからは、授業で教わった通り、店の前で人の動きをカウントしました。カウンターを持って、通行人の年齢層、男女比、日本人と外国人の比率を計測し、通行する人も1万人いると分かりました。在学中に物件を決めていたので、末廣講師に「こういう場所でやろうと思います」と相談していましたね。

 

<店名>

ロッシーニのオペラ「ランスへの旅」の舞台となった宿から名付けました。フランス王シャルル10世の戴冠式のために世界中の人が集い、楽しい時間を過ごした場所です。旅行でふと立ち寄った店でもいい思い出の場所になれば、という想いを込めています。

 

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<コンセプト>

店名と同じように、一期一会を大切にした「クラシックの音楽カフェ」「日本のフルサービスの喫茶店」です。祇園は本来賑やかなので、観光で疲れた時に落ちついた雰囲気の中でゆったりとした雰囲気を味わっていただければと思います。

 

―――― 特にオススメのメニューについてお教えください。

月替わりのパフェがオススメです。京都に来られる方は、抹茶を目的にしていることが多いです。シンプルな抹茶パフェだと季節感が出せないので、季節感を出しやすい和菓子を加えて和洋折衷パフェを提案しています。ケーキ、プリンなどは妻が作っていて、和菓子は僕が作っています。独学ですがレパートリーも増えていますね。

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―――― パフェは、外国からのお客さんにも人気ですか?

そうですね。新型コロナウィルス流行前は3割くらいが外国からのお客さんでした。海外ではパフェ=子どもの食べ物というイメージがあるようで、外国人のお客さんはチョコレートケーキやチーズケーキを頼まれる方が多かったです。最近は、日本のパフェは子ども用じゃないと浸透してきたようで、売れ行きも好調でした。

 

―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください

飲食は初めてのふたりが、同時に仕事を辞めて開業しました。なので、冒険やったわけです。オープン当初は「お客さんが来て、お金が回るのか」という心労はありました。実際に開けてみて、最初の売り上げはあまり良くなかったですが「ベタですけれど、おぜんざいとか意外といけますよ」とか「このあたりの喫茶店には必ずある抹茶ラテないの?」など出入り業者やお客様からメニューのアドバイスをいただきました。すぐにメニューに加えると、確かに反応が良かったです。最初は、お客さんのニーズもよく分からなかったですが、その後も業者さんやお客さんの意見も取り入れて改良していきました。

パフェもそうです。手間のかかるものは、ようせえへんな……と思っていましたが、雑誌に紹介してもらえたりして、だんだんと軌道に乗っていきました。この3年くらいでSNSの影響も大きくなりましたね。開業時は、全然意識していませんでしたが、SNSで「金の百合亭パフェは映えるし、おいしい」と広まっていって、今はパフェ目当ての方に多く来ていただいています。タイミングも良かったように思います。

 

―――― コロナウィルスの流行で、工夫された点、心がけていらっしゃることについて教えてください。

観光協会や飲食業の組合からガイドラインが出ているので、アルコールスプレーを置く、席と席の距離を離す、会計はコイントレーで金銭の受け渡しをするなど、その規定に沿ったことを行っています。遵守していないと、GO TOも参加できません。他に、独自のものでは、光触媒コーティングを行っています。手すりやテ-ブルにナノチタンを塗布しているので、仮にウィルスを持っている人の手が触れても死滅するようになっています。常時稼働させている加湿空気清浄器には、ウィルスをキャッチするフィルターも追加しています。

テイクアウトについては、飲食店の営業許可だけでは、ケーキなどの乳製品はテイクアウトできないので、ドリンクとカレーとボロネーゼパスタなど一部のフードに限って対応しています。ウーバーイーツや出前館の登録もしています。現在は、通販も行っていません。

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びについて教えてください。

「美味しかったです」「来て良かったです」「また来ますね」などと声をかけてもらえると嬉しいです。お金のやりとりの際にはおっしゃられなくても、SNSに感想を書いてくれたりします。いいコメントを目にすると、張り合いになりますよね。

祇園という場所でやっていますので、雰囲気などの含めて「さすが祇園だ」というイメージで帰ってもらえたら嬉しいです。また、末廣講師もおっしゃっていましたが「キャッシュフローが安定しないことには笑顔も作り出せない」。すべてがうまくいくと、とても嬉しいですよ!

 

―――― また、大変さはどのようなところでしょうか。

利益の確保ですね。喫茶店ですから、単価は一人1000円前後です。コーヒーだけでは利益額が出ないので、それなりにお金を取れるメニューを考えていかないといけません。お客さんに満足してもらいながら、経営面を安定させることが大変さでもあり、面白さでもあります。お互いにWIN-WINになれば、うちもニコニコです。お客さまが満足しないのにうちだけ儲かるのはありえない。ですから、常にお客さんの満足度をあげられるように工夫するところです。

当店の場合、特にパフェは手が込んでいますが、できるだけお待たせしないように提供することを心がけています。質の高いものを提供しながらオペレーションを簡略化することは難しいんですが、水鳥のように、表は優雅に泳ぎ、裏では努力を続けることが大事だと思います。

 

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なのは、どのようなスキルだと感じますか?

強いメンタル。特に個人で開業するとなると、20席くらいのところからスタートすることが多いと思いますが、その席数でもお客様がわーっといらっしゃると対応する余裕がなくなります。ひとりふたりで営業すると、仕入れをして、仕込みをして、ホールを回して、片付けをして……と肉体的には大変な部分も多いです。でも、報われる瞬間もあります。「来て良かったです」「幸せな気持ちになりました」と言われると苦労した分、深く自分に返ってきます。お客さんが喜んでもらうことに喜びを見出すことです。

 

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―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、ぜひ前向きなメッセージをお願い致します!

非常に実践的な授業をやってくれたと思います。経営についても、変に甘いことは言わず、夢ばっかり見ていてもダメだよと真摯に教えてくれる。厳しい授業もありましたが、私は良かったと思います。レコールバンタンキャリアカレッジをコアにして、開業を志す人の横の繋がりもできます。授業料も安くはないですけれど、その分の価値はあったと思います。地に足をつけて進められましたので感謝しています。

 

―――― ありがとうございました!

 

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金の百合亭

京都府京都市東山区祇園町北側292-2

金の百合亭(きんのゆりてい)|祇園石段下、八坂神社を臨む寛ぎのカフェ (kinnoyuritei.com)

金の百合亭 - カフェ - 京都市 | Facebook - 写真529件

 

さらに詳しいスクールの特長はパンフレットに
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