22.06.20 24.04.01 更新

<卒業生インタビュー> 黒姫食堂 オーナー関 美子さん

学生インタビュー
卒業生
東京校

「ウィズコロナ」の時代。

外食産業を担う卒業生たちは、今どのような心持ちでビジネスをしているのでしょうか?最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、長野県・信濃町にて「黒姫食堂」を経営する、オーナー関美子さんにインタビューを行いました。

 

 

外観紫陽花.jpeg

 

 

<在校中について>

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次を教えてください。

 

7年ほど前に、「カフェ開設コース」(現:飲食店開業コース)に6カ月間通いました。

 

―――― クラスは何名くらいでしたか。スケジュールも教えてください。

 

45名ほどで、人数的には多いコースだったみたいです。毎週土曜日に、授業がありました。

 

―――― 入学当時、おいくつでしたか。

 

58歳でした。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジを選ばれた理由を教えてください。

 

入学時は、会社勤めをしていたので、土曜日、日曜日というスケジュールも都合が良かったです。一日に集中して講義を受けられるのも良かったですし、知名度がある点も安心感がありました。

長野県信濃町に、土地を購入したので、そこでカフェを開業することは入学前から決めていました。飲食業界の経験はまったくありませんでしたが、60歳で退職する前にカフェ経営について勉強しておこうと思いました。実は、最初はベーカリーコースに入学する予定でした。美味しいパンを提供できたらいいなという気持ちでいました。入学前に、自分に合った専攻をカウンセリングしてくださる機会があり、「カフェ開設コースのほうがいいのでは?」とスタッフさんにすすめられ、コースを変更しました。

 

―――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

 

開業の基礎を習いたいのではなく、今の時代に合った新しく必要とされる知識を全般的におさえたいという気持ちでした。

 

―――― 印象的だった講師、授業はありますか

 

ティーチングアシスタントをされていた女性の講師には、授業中も質問に丁寧に答えてくださり、大変お世話になりました。

例えば、野菜を炒めてスープを作るときに、「どのような状態まで炒めればいいのですか?」と質問すると「甘くなるまで」と教えていただき、目からウロコが落ちました。調理の細かな判断基準などを教えていただき有難かったです。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

 

野菜を炒めるという話もそうですが、これまで「見よう見まね」で行っていた調理を、論理的に教われたことです。なぜ、そうしているのか、何のためにそれをしなくてはいけないのか、ハッキリしたことが、今に役立っています。

 

―――― 印象的だったイベント、販売実習などはありますか。

 

6カ月のコースだったので、販売実習はありませんでした。

ですが、入学する前に、オリエンテーションのような形で、体験授業を受けたことは今でも覚えています。店舗デザインと、調理実習の授業に参加しましたが、印象的でした。

入学前授業のときから「自分の感性を大切にしてもらえる」雰囲気を感じましたし、個々人の意見や主張を聞いて、しっかりと尊重してくださる土壌がありました。

 

―――― 在学中、アルバイトなどで飲食業界の経験をされていましたか?

 

していません。

 

―――― 開業前に準備されたことはありますか?

 

開業するまでの半年間は、ほぼ毎日お昼にパスタを作りました。

自分では美味しいと思っても、人によって好みがあるので、バリエーションを作れるようにしたかったんです。

なので、この作り方だとこういう味になる、という目安ができるように何度も調整しました。毎日練習していたので、それは開業前にやっておいて良かったと思います。

 

プロフィール大岡ひなたバイモ畑展望台にて.jpeg

 

 

<卒業後について>

 

 

―――― 開業された経緯をお教えください。

 

2017年12月にオープンしました。30年以上暮らした場所を離れ、信濃町に移住しましたが、自然環境が抜群にいいです。畑では、カフェでお出しする野菜も育てています。

 

――― 移住のキッカケは?

 

会社員時代から、夫と二人で「会社を退職したら、田舎で暮らそう」と話をしていました。

 

―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりをお教えください。

 

店舗付き住宅は、佐々木講師にデザインをお願いしました。

入学して、講師の授業を受けるうちに、「佐々木講師に相談したい」という気持ちになりました。移住する前にデザイン・設計をお願いし、建物の施工が終わり次第、引っ越しました。

 

<店名>

 

佐々木講師が「黒姫食堂」が、覚えやすくて良いのではないか?と提案してくださったんです。

最初は「薪ストーブ」や「薪小屋」のような名前も考えていましたが、黒姫高原の黒姫食堂で、場所もズバリ表現していて印象に残るので、名付けました。

 

<コンセプト>

 

「美味しい野菜を、美味しく提供したい」と思っています。環境がとてもいいので、信濃町でしか味わえない季節感を、お店に来る人たちに感じてほしいです。

 

<メニュー>

 

季節感を大切にしています。旬のものを使い、他のお店にはない料理を提供することを、コンセプトにしています。他のお店ではこういう使い方はしないけれど、こうして食べると美味しい!という食べ方を、常に生み出すようにしています。

 

<店舗デザイン>

 

カウンターの前に、大きな窓を作り、自然の環境を楽しめるデザインです。お客さまからも好評で、「ここがいんだよね」とカウンターを目当てに来られる人も多いです。

施工前は、お店の全ての方向で風景を楽しめるようにしたい、と考えていましたが、佐々木講師に「全方向に、窓を作る訳にはいかないよ」と言われたことを覚えています。

 

 

<秋>

 

内観カウンター秋.jpeg

 

<冬>

 

内観カウンター冬.jpeg

 

 

<客層>

 

長野市にお住まいの人が多いです。あとは、観光で訪れている人、別荘に泊まっている人です。比較的、年齢が高めの人が多い印象です。

ただ、関東から来る人は20代、30代もいるので、偏ってはいません。子供向けのメニューはお出ししていませんが、小さいお子さんも来ます。

当初は、観光客や、バイクでツーリングする人が多いのかなと?と予想していましたが、ツーリングのお客さまはあまりいらっしゃらないです。長野市からのお客さまが多いことは、予想外でした。

 

―――― 特にオススメのメニューについて教えてください。

 

メニューは、季節によって変わります。最近では、タケノコ、行者ニンニク、ポークのオイルベースのパスタが好評でした。秋は、栗、キノコと甘く煮た豚肉のオイルベースのパスタが人気で、パスタは1200円前後で提供しています。

春は山菜、夏から秋は自家菜園で収穫した野菜、秋は栗も穫れるんですよ。去年の夏は、野菜をたっぷり使ってラトゥイユを作り、それをオムレツに入れたメニューが好評でしたね。

信濃町は寒暖の差が大きく、野菜が美味しい場所としても有名です。娘に意見をもらったり、手伝ってもらうこともありますが、レシピを考えるのは、私自身です。

使いたい野菜は目の前にあるので、それをどうやれば美味しくメニューになるのか。どういう料理になるのか、日々考えています。

 

 

”グリーンピースのフジッリとサラダチキンのサラダ風パスタ”

 

グリーンピースのフジッリとサラダチキンのサラダ風パスタ.jpeg

 

 

―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

 

あんまり感じていませんが……自分が理想としている楽しみ方をされていないお客さまが長時間滞在されると、ストレスを感じますね。

例えば、ランチを食べにいらして、景色を楽しむ様子もなく4~5時間お喋りして、閉店間際まで団体でお客さまがいらっしゃるときは、ストレスを感じます。こちらとしては、居心地のいい空間で、旬のメニューを食べてリフレッシュして帰っていただきたいなと考えています。本を読んだり、一人でゆっくり長く過ごされる分には構わないのですが、他のお客さまにも迷惑がかかってしまうようなグループですと……なかなか注意することもできなかったりで、もどかしいです。

 

―――― 新型コロナウィルスの流行で、工夫された点や日頃、心がけていらっしゃることについてお教えください。

 

2020年に、席数を半数にしました。また、アクリル板を設置し、窓は寒くても換気のために開けるようにしています。現在も、マスクの着用を求め、アルコール消毒を行っていただくなど対策を続けています。

 

―――― お客さまの意識は、いかがでしょうか?

 

今、少しずつコロナ前の日常に戻りつつあると感じます。人が密集しているエリアではないので、お客さまも「この辺りなら大丈夫」という感覚になりつつあり、対策意識も少し薄くなっている気がします。黒姫食堂では、お客さまが密にならないように席を離していて、グループでいらっしゃる場合は最大4人まで、5名の場合は2名、3名とで分かれていただくようにしています。

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びについて教えてください。

 

「美味しかったです」と言われるときです。あとは、一度だけですが絵葉書をいただいたことがありました。差出人のお客さまは分からないですが……。「コーヒーカップなども素敵でした」とメッセージが書かれていました。食器選びにもこだわっているので細かなところまで見てくださっていて嬉しかったです。

 

―――― 大変さはどのようなところでしょうか。

 

オーダーを受けてから、提供するまでの時間です。

お客さまは、ランチタイムは12時前後に一気に来られます。そのときは特にスピード感が求められるので、集中力も必要ですし、緊張感があります。気持ちがのっているときはいいのですが、切れているときは手順を間違えたりして、時間がかかってしまうことがあります。

 

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なスキルは?

 

新しいことにチャンレジする精神です。

定番ではない、新しい料理を作り出せる発想力があるといいですね。飲食店に食べに行ったり、本を読んだり、映像を見たり。料理番組だけでなく、色々な情報をチェックすると良いと思います。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、レコールバンタンキャリアカレッジをオススメしていただけますか?「はい」の場合は、理由を教えてください。

 

オススメできます。言われたことをそのままやる人にはオススメできませんが、自分で何かを掴んでいくタイプの人には良いスクールだと思います。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、ぜひ前向きなメッセージをお願いします!

 

授業で言われたことを、なぞるだけではもったいないと思います。自分の意見を持って、追求して通われるといいと思います。意見があれば、どんどん引っ張っていってくれる場所だと思います。

 

 

 

<SHOP INFO>

黒姫食堂

営業日:8:00~18:00

定休日:不定休

026-219-6993

長野県上水内郡信濃町大井2742-1370

 

 

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