21.01.12 24.04.01 更新

<卒業生インタビュー>「カフェおきもと」オーナー久保愛美様

学生インタビュー
卒業生
東京校

「ウィズコロナ」の時代。 外食産業を担う卒業生たちは、今どのような心持ちでビジネスをしているのでしょうか?

最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、「カフェおきもと」オーナー久保愛美(なるみ)さんにインタビューを行いました。

 

久保愛美様1.jpg

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次をお教えください。

2017年にカフェコースに入学し、2018年に卒業しました。

1年間受講し、気の合う仲間にも出会い、一緒にカフェ巡りをしていました。卒業後、その仲間に「カフェおきもと」を手伝ってもらっています。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジ東京校を選ばれた理由を教えてください。

経験ゼロから、カフェを開業できるコースをネットで調べていて、出てきたのがレコールバンタンキャリアカレッジでした。カフェ開業に焦点を当てているスクールは珍しく、自分の求めていることと合致していると感じましたね。既に開業しながら通われている方もいました。

 

―――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたでしょうか

カフェを経営するとはどういうものなのか、まったく知らなかったので、基礎的な知識を得るためです。

実際に学んでみて感じたことは、開業はもちろんですが、開業してからお店を存続することも努力が必要だなということですね。

 

―――― 印象的だった講師、授業はありますでしょうか

どの講師も個性的な方が多く、印象に残っています。特に宮崎講師には、市場調査や業界のトレンドなどを教えていただきました。メニュー開発のポイント以外にも損益のこともお話されていましたね。経営面は、知らないことばかりでした。あとは、ドリンクを担当されている江澤講師。とてもフレンドリーで、お話も面白かったです。「ドリンク」というジャンルそのものが好きになりましたね。調理の授業では、カフェで使える実践的な料理を習えたのも良かったです。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネスに活かされている」と感じることはありますか?

とても役立っていると思います。宮崎講師には、卒業後、開業のコンサルテーションに入っていただき、市場調査からメニュー開発、厨房の設計までをお任せしました。自分ひとりでは、開業準備はとても無理でしたね。市場調査では、地域ごとにどのようなメニューが合っているかを教えていただきました。私の場合、開業する建物はもともとあったので、建物の雰囲気に合うメニューを提案していただきました。値段設定についても、私は高めに考えていましたが、講師と相談し、当初のイメージよりも手頃な値段に落ち着きました。高すぎると、お客さまは、2度、3度と来てくださらない、というアドバイスも今となっては納得です。

 

―――― 在校中、印象的だったイベント、販売実習などはありますか。

校舎で2度ほど模擬レストランをオープンしました。学生自らメニューを考えて、フードやドリンクを提供するんですよ。私は、お店でも出したいと思っていた「スペアリブのオレンジ煮込み」を提供しました。調理の船木講師に味付けをレクチャーしていただきました。私のメニューは人気が高かったので、嬉しかったですね。

 

 

 

―――― これまでに、アルバイトなどで飲食業界の経験をされていましたか?

高校生のときにレストランでアルバイトをしたことがありますが、ウエイトレスで、キッチンのアルバイト経験はありません。飲食の経験は高校のときだけですね。

 

 

 

<卒業後について>

―――― 開業された経緯をお教えください。

キッカケは、国分寺市内に現存する最古の別荘建築・洋風建築を、沖本姉妹から譲りうけたことでした。約600坪の竹林の中に、昭和8年築の洋館と和館があって、ご高齢の沖本京子さん、智子さんが住まれていたんです。私たち家族とは18年前ほどから交流がありましたが血縁関係はありません。お2人には後継者がいらっしゃらず、また姉妹が90歳を超えたときから、介護を引き受けるようになったんです。思いがけず、「家を継いでほしい」と相談されて、相続することになりました。

東京都の職員の方々から、「歴史的価値のある家を残すために、文化財にしよう」というお話が出ました。ただし、文化財として残すにしても、「ただ残すだけでは、朽ちてしまう。カフェであれば、良い状態で保存できるのではないか」というアイデアが出たんですよ。

保存方法を検討するために、日本各地の文化財を見学しに行きました。宝塚市や、バラが楽しめる北区の旧古川庭園にも足を運びました。私は、古い建物は人に使ってもらってなんぼだと思います。人が来たときに、くつろげる場所として残したかった。それまでカフェをするなんて思ってもいませんでしたが、カフェであれば、その時間、その空間を多くの人に楽しんでもらえるだろうと思い、開業を決意しました。

―――― オープンされたのは2020年10月ですが、このタイミングだったのはなぜですか?

文化財指定を受けるために、2年間待ちました。建物の修繕もあり、卒業してから時間がかかりましたね。主人は医者をしているのですが、当初は、土地の中にクリニックを別に建てるという話もあったんですよ。

紆余曲折あって、2020年5月に「カフェおきもと」をオープンしようと決まりました。ですが、新型コロナの流行に加えて、娘が双子を妊娠していることが分かり、開業を秋に延期しました。オープンの10月まで、本当にバタバタでしたね。

 

―――― 店名、コンセプトについてのこだわりをお教えください。

シンプルに「カフェおきもと」としました。歴史的な雰囲気を感じながら、くつろげる空間にしたい、という想いを込めていてお店の字体にもこだわっています。

 

―――― 特にオススメのメニューについてお教えください。

「煮込みハンバーグとおばんざい盛り合わせ」(1400円・税別)です。おばんざいは、手作りのピクルス、キャロットラぺ、さつまいとかぼちゃのサラダ、お豆腐の味噌漬け、サラダ、煮込みハンバーグのセットです。ハンバーグは、とても柔らかくて人気ですね。お年寄りが多いので喜ばれています。オープンして、既に4、5回とリピートしてくださっている方もいますよ。

 

お食事写真_カフェおきもと様.jpeg

 

―――― 開業されてから経験されたご苦労についてお聞かせください

当初は、5人ほどの従業員でお店を運営できると思っていました。でも、実際に開業してみて10名くらい必要だと感じています。オープンは11時で、ラストオーダーは16時ですが、それでもスタッフには7~8時間働いてもらっています。スタッフの働き方がオーバーワークになっていないかは気を遣いますね。

また、コロナ禍で予想外の仕入れも多いです。例えば、カフェに入っていただくとき、お客さまに使い捨てスリッパを履いていただくのですが、その購入費も予想外でした。また、テーブルの仕切りを購入し、3席あった外の席を5席に増やし、ダルマストーブも設置しました。食器の数量も、予定より増えていますね。

 

―――― コロナウィルスの流行で、工夫された点、心がけていらっしゃることについてお教えください

まず、従業員が感染してはいけないと思っています。スタッフは、手袋をすることにしました。お客さまにも入店時に消毒をお願いし、検温を行っています。テイクアウトも始めました。ケーキ、お菓子、手作りジャムやバスクチーズケーキも持ち帰りできますよ。ただ、フードのテイクアウトまでは未だ手が回らない……という感じですね。

―――― テレビ朝日「人生の楽園」放送の反響も大きかったのではないでしょうか。

そうですね。とても光栄なことです。9月には東京新聞さんにも掲載されました。切り抜きを持って、墨田区から来てくださったお客さまもいました。週刊文春さんも2回、朝日新版asacocoさんにも掲載していただきました。すると、知り合いの方が紹介してくださって、東海テレビさんからのオファーもいただきました。有難いことにお客さまが多く来てくださっているのですが、あまりにも多いと待ち時間も増えてパニックになってしまうので、ちょうどいい具合を模索しているところです。

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びはどんなところですか?

お客さまとのコミュニケーションが何よりも楽しいですよ。「美味しかった!」と言ってくださると嬉しいです。

今日は、レジミスでお代をいただいていないメニューが一品あったのですが、お客さまがわざわざお金を払いに戻って来てくださったんです!

また、気に入ってくださったお客さまが、ご自身のお友だちを次から次へと呼んでくださることもあります。予約してくださる方も多く嬉しいですね。

 

―――― では、大変さはどのようなところでしょうか。

最近の悩みは、予約の取り方についてです。ウチは、7~8席しかないので予約を取ると、90分制にしても3組になってしまう。食べログからも予約システムを導入しないかというお話をいただいたのですが……。果たして60歳、70歳で杖をついて歩いている方が、携帯電話で予約をするかな?と疑問です。以前は、電話を取ることと、ファックスのチェックで夜中2時まで処理したこともありました。

経営そのものの難しさもありますよね。宮崎講師、会計事務所さんがついてくださっているので心強さはあります。

 

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なことはどのようなスキルでしょうか?

オーナーになるのであれば、お店をバランスよく見る力は必要だと思います。日々のメニューの仕込み、取材対応、スタッフの人件費まで、幅広くすべてに対応しなくてはいけません。

 

 

 

 

―――― ありがとうございます。レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、ぜひ前向きなメッセージをお願い致します!

 

レコールバンタンキャリアカレッジの講師は、業界で活躍する一流の方ばかりです。船木講師がコンサルティングに入られた卒業生のお店、立川『Adam's Awesome Pie』にも4、5回行きました。宮崎講師がコンサルティングされている卒業生たちのお店も、どれも美味しく個性的でした。『ヒノハテラス』さん、『Café 湘南テラス』さん、『カキノキテラス』さん、『ノボルノバル』さん、門前仲町のスペインバル『Hola-ole(オラオーレ)』さん、いずれもとても人気で流行っていましたね。

同じ意識を持つ仲間が集まると、大変なときも相談しながらいいものを作っていけると思います。切磋琢磨しながらやっていけるのは、レコールバンタンキャリアカレッジという「場所」があればこそ。ひとりで開業の本を読めば、実際に開業できるのかというと、そうではないと思いますし、私はレコールバンタンキャリアカレッジに通ってなければ開業していなかったと思います。

今カフェをしていて良かったです。

これを、皆さんに手向ける言葉とさせていただければ幸いです。

 

外観.jpg

 

カフェおきもと

〒186-0003 東京都国分寺市内藤 2-43-9

カフェおきもと | 沖本邸 | 国分寺 (wixsite.com)

カフェ おきもと(10月4日グランドオープン!)(@cafe_okimoto) • Instagram写真と動画

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