22.04.21 24.04.01 更新

<卒業生インタビュー>KOTONOKA COFFEE オーナーバリスタ 市岡優也さん

学生インタビュー
卒業生
東京校

 

「ウィズコロナ」の時代。

外食産業を担う卒業生たちは、今どのような心持ちでビジネスをしているのでしょうか?最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、卒業生・「KOTONOKA COFFEE」オーナーバリスタ市岡優也さんにインタビューを行いました。

 

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<在校中について>

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、入学時の年齢を教えてください。

カフェオーナー速成科に2019年4月に入学し、2020年3月に卒業しました。

24歳のときに入学しました。

 

 

―――― クラスは何名くらいでしたか。スケジュールも教えてください。

22名ほどでした。

週3のコース(※現在キャリアカレッジは週1回コースのみ)で、月・水は月9時半から夕方まで、金曜日は2時間程度の授業がありました。

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジに入学された経緯を教えてください

20代で開業することが目標でした。大学まで野球をやっていて、実はコーヒーはまったく飲んでいなかったんです。教員になることが目標で、免許は取得したものの、卒業する直前に教員になってから自分が何をしたいのか、何ができるのかを考えた時、学校で決められたことと野球のことしか語れない自分に気付きました。なのでいったん、学校の枠を出て見聞を広げたいと思いました。

なぜ、コーヒーの道を選んだのかというと、自分の知らない分野で1から学べるもの、開業まで繋がることを考えた時、思い浮かんだのがコーヒーでした。

大学卒業後は、大手カフェチェーンに就職しました。22歳から2年間働くうちに、自分の環境を変えたいと思いました。もちろん、カフェチェーンで働いているときも、日々の営業や、先輩社員から学べることは多かったです。ただ、一つの組織から学んだだけでは不十分ではないかと思い、「働きながら学ぶ」環境から「学びながら働く」環境にシフトチェンジしたいと思い入学しました。

 

 

―――― 数あるスクールの中から、レコールバンタンキャリアカレッジに決めた理由は?また、学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

ネットを見ていて、自分がやりたい環境に近いと思ったからです。当時の僕からすると、スクールがいくつもあるという感覚はありませんでしたね。どんなスクールでも、結局は自分自身がモチベーションを高くやるかどうかが大事だと思います。レコールバンタンキャリアカレッジの広告がフィットしましたし、ここにすると直感的に決めました。

正直に言うと、入学前は学びたいことは、明確には分かりませんでした。一般的に、専門校は技術を習得する場所なので、「これを学びたい」という目標を持っていくと思うんですが、会社で働く2年間で、知らないことがあったらすぐに調べたり、先輩社員に聞いたりすれば、すぐに答えが出る状態でした。なので、レコールバンタンキャリアカレッジに入る前に「知らないこと」が分からなくて……。むしろ、それを知るために、入学したという感じでした。

 

 

――― 現役のプロフェッショナルが、講師をやることについてどう思いますか?

入学前は、プロフェッショナル講師がいることは知っていたものの、どんな講師がいるかは知らない状態でした。入れば、必ず得るものがあるだろうと思っていました。

 

――― 実際に、教えてくれた講師はどうでしたか?

皆さん、個性も強いので(笑)、その分だけ印象も強いです。ドリンクで特にお世話になった宇宙講師、調理の手塚講師、カフェプロデューサーの中島講師、飲料専門家の江沢講師、バリスタの篠崎講師など、どの講師も尊敬していますしたくさんのことを教えていただきました。卒業後も、宇宙講師にはコーヒーのことでアドバイスをいただいております。

実は、卒業して1年ほど経ったあとに、カフェプロデューサー中島講師から電話をいただいて。「新規カフェのオープンがあるから一緒に盛り上げよう」と、オープニングメンバーに誘っていただきました。20代で開業するためにも勉強になると思いましたし、プロフェッショナルメンバーでやれるのは貴重な経験だと思いお引き受けしました。急な話ではありましたが迷いはありませんでした。

 

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――― そうだったんですね。新規カフェの立ち上げについても詳しくうかがえますか。

初台にあるカフェの運営です。中島講師が、オーナーから業務委託を受け、僕はカフェ運営全般を任されました。店舗に立ち合いながら、シェフ白田講師にアドバイスをいただいて料理メニュー決め、江沢講師にアドバイスをいただき、ドリンクのメニューを決めました。もともと、中島講師と契約する前から、半年ほどしたら地元の愛知県に戻り、自分のお店を探そうと思っていました。なので、事前に「半年でどうですか」とご相談はしていました。

ご快諾をいただき、2020年10月に、中島講師が代表取締役を務める株式会社株式会社ZERO CREATIVEと業務委託契約を締結。カフェのオーナーさんからは、「今後、アルバイトスタッフだけで営業するかもしれない。誰が来ても大丈夫なように、オペレーションを構築して欲しい」と要望され、日々の運営に加えて、引き継げるようなオペレーションを考えました。

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

授業も充実していましたが、「その他」のことが多いかもしれないです。卒業後も、宇宙講師のイベントに行ったり、個人的に分からないことがあったときに講師に聞けたりするので、入って良かったなと思います。中島講師に誘っていただいた経験も、そもそも入学していなければそんなご縁は無かったと思います。一緒にお仕事ができて、いい経験になりましたし、講師の方々との関係は今も活かされています。

 

 

―――― 印象的だった販売実習などはありますか。

通常は、1年に2回あると思いますが、3月の「卒業制作展」は、ちょうど新型コロナウィルスの流行がスタートした時期で、販売そのものが中止になりました。1日限定のカフェで、オムライスやドリンクを出す機会は一度だけありました。

 

 

<卒業後について>

 

―――― 開業された経緯をお教えください。

愛知県に戻り、今年の2022年2月に「KOTONOKA COFFEE」をスタートしました。

 

 

―――― なぜ、愛知県だったのでしょうか?

22年間、暮らした場所だったからです。大学卒業後から、「開業するなら愛知県で」ということは決めていましたね。

また、東京でコーヒーを勉強する4~5年間も、地元でずっと応援してくれる人もいましたし、「戻ってきたら?」と声をかけてもらうこともありました。また、応援されている分、いつか友人や知人に恩返しをしたいと思っていました。愛知県にお店を出すことで、少しでも地元に貢献できたらと考えています。

 

 

―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりをお教えください。

 

<オンラインショップについて>

実店舗の場所やオープン日は、未だ決まっていません。物件は地元の不動産屋さんとやりとりをしながら探している段階です。店舗の前段階として、オンラインショップを開設したという経緯があります。ブランドとしてスタートし、少しでも、お客さんと繋がることが大切だと思います。

 

<店名>

花言葉をモチーフにした店名で、意味は「言の花」です。なぜ、花言葉を選んだかというと、

知らない誰かが考えたメッセージでありながらも、適当に付けられたものではなく、自分たちの想像を超えた想いが込められていると感じたからです。人によって「ロマンチック」と感じたり、「残酷」だと感じたり、受け取る人によって変わるところもユニークで素敵だと思います。花言葉みたいに、僕らのコーヒーがユニークで人の心を動かす存在になりたいと思って名付けました。決して感情を強制するものではなく、受け取り手に委ねるコーヒーでありたいです。

 

<ロゴデザイン>

麦わら帽子に、コーヒーフラワーを使っています。どういうものにしたいかを考えたんですが、花は絶対入れたかったんです。さらに、どういうお店にしたいか考えたときに、親しみがあって、大好きな「ジブリ」っぽさも加えられたらと思いました。なので、麦わら帽子には趣味嗜好が反映されています。こちらのイメージをデザイナーさんに伝えて、制作をお願いしました。1週間ほどデザイナーさんとやり取りして、フォントや線の質を決めていきました。

 

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―――― 特にオススメのメニューについてお教えください。

現在、展開しているのは3種類です。KOTONOKA COFFEEのオリジナルブレンド「HOUSE BLEND コーヒー豆」(1500円・税込)、ドリップバッグ「HOUSE BLEND Single serve 10pieces」(1900円・税込)、ロゴステッカー(200円・税込)です。売れ行きとしては、ドリップバッグのほうが売れていますね。お湯とカップだけあれば飲めて、手軽なのも人気の理由だと思います。

また、ドリップバッグ「HOUSE BLEND Single serve 10pieces」は、ギフトに渡しても恥ずかしくないよう、厚手のトレーシングペーパーで包装しています。OEMだと、似たりよったりのデザインになりがちなので、オリジナリティが出るように工夫しています。

 

 

―――― 生豆は、どこから購入していますか?

専門商社「ワタル株式会社」さんから仕入れています。今後は、丸山珈琲さんからも生豆を購入する予定です。

 

 

―――― 焙煎機は、どうされていますか。

シェアロースターを使っています。

 

 

―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

そうですね……。パッと思い浮かばないですね。

瞬間的に大変だなとは思うんですけれど……僕の性格かもしれないけれど、辛いとか苦しいとか思わないようにしています。「思ってはいけない」と、思っている節もあるかもしれませんね。というのも、「苦しい」とか「辛い」とか思いながら作る人のコーヒーって、絶対美味しくないと思うんです。バリスタが淹れる一杯はどんな時でも特別でなければなりません。ネガティブな気持ちで淹れたコーヒーは提供したくないし、提供させません。そもそも辛いことはすぐ忘れてしまうので引きずったり、心に残り続けるようなことがありません。

 

 

―――― 新型コロナウィルスの流行で、受けた影響はありますか。

卒業と同時にコロナだったので、コロナじゃない時期がないんです。なので、展開する事業において、新型コロナウィルスの営業で変わったということは基本的にありません。また、コロナ以前と比較することもできません。もちろん、経済が下降気味というのはあると思いますが、どこかで打ち止めがあると思います。底打ちしたときに、上がりどきをどうチャンスに変えるかは自分次第だと思っています。

 

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びについて教えてください。

オンラインショップを始めて、お客さまからInstagramのDMでメッセージをいただくことがあります。「すごく美味しかった」と感想を教えてくれたり、「家でどうやって淹れたらいい?」といった何気ない質問を寄せて下さったりというのが嬉しいです。

コーヒーを通して、人と関わる機会が増えることが何よりの喜びです。先日も、ポップアップを、豊田市、岡崎市、名古屋市のカフェで行いました。お店を間借りして、コーヒーやカフェラテを出しました。お客さんと喋る機会に恵まれることが、嬉しいですし、やり甲斐だと感じます。

 

 

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なスキルはどのようなものだとお考えしますか?

特に無いと思っています。自分も含めて、人には得手、不得手があります。どんなに仕事ができる人でも、自分一人ですべてのスキルを身に着けている人はいません。できること、できないことを見極めて、苦手なことは信頼できる人に任せた方がいいのではないでしょうか。

なので、「これだけなければ飲食はできない」という絶対的なスキルは、個人的にはないと思っています。僕は、コーヒーが好きだから淹れていますが、極端なことを言えば、コーヒーを淹れられるスキルが無くてもいいです。大手カフェチェーンで働いていたときに、色んな店長さんがいることを知りました。めちゃくちゃ仕事ができてコーヒーのクオリティがすごい人もいれば、仕事はできないけれどお店を回すのが得意な人、仕事全般は思わしくなくても人柄がすごく良くて、アルバイトが「この人のために頑張ろう!」と思える人……本当にさまざまなタイプがいます。なので、自分にできること、できないことを理解して、他の人に任せるという方法でも飲食店を運営することはできると思います。

 

 

――― 入学を迷っている方が居たらレコールバンタンキャリアカレッジをオススメしますか?どのような点がオススメできますか?

YESです!自分自身も入って後悔していません。僕は週3のコースだったので、レコールバンタンキャリアカレッジで過ごす時間は有限だと思って、緊張感を持ってのぞんでいました。講師が教えてくれる技術や知識を習得するかどうかは自分次第です。

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、前向きなメッセージをお願いします!

個人的には、レコールバンタンキャリアカレッジのことを「学校」とは思っていません。学校であれば、イヤでも数学や体育の授業に参加しないといけませんが、そうではありません。例えるならば、塾に近い感じでした。習得したいからこそ行くわけで、モチベーションがない状態で入っても学べることはすごく少ないと思います。ただし、何かを得ようと思って通うなら、すごく有意義になります。講師は全員絶対的なプロフェッショナルなので、知りたいことがあればその答えに導いてくれたり、近づいたりできる環境です。モチベーションを保って、ぜひ能動的に学んで欲しいと思います。

 

 

 

<KOTONOKA COFFEE>

Speciality coffee shop

https://kotonoka.official.ec/

@kotonoka_coffee

 

 

 

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