22.04.19 24.04.01 更新

<卒業生インタビュー>自家製欧風カレーと果実サワー 町家バル桑原 オーナー桑原重雄さん

学生インタビュー
卒業生
東京校

 

「ウィズコロナ」の時代。外食産業を担う卒業生たちは、今どのような心持ちでビジネスをしているのでしょうか?

最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、卒業生・「自家製欧風カレーと果実サワー 町家バル桑原」オーナー桑原重雄さんにインタビューを行いました。

 

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<在校中について>

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次を教えてください。

2017年4月から1年間「カフェ開業コース(現在:飲食店開業コース)」で学びました。

 

 

―――― クラスは何名くらいでしたか。スケジュールも教えてください。

週1回、日曜のコースでした。15名ほど在籍していたと思います。

 

 

―――― 入学時はおいくつでしたか。また、レコールバンタンキャリアカレッジを選ばれた理由を教えてください

55歳のときです。

勤めていた製薬会社を早期退職しました。サラリーマンを辞めたら「大好きなカレーを提供するお店をやれたら」、と漠然と考えていました。若いときからカレーが好きで、3食カレーでも大丈夫なほど。dancyuでカレー特集があれば熟読し、実際に試作したりしていました。

レコールバンタンキャリアカレッジは、自分で探して見つけたスクールです。退職したものの全日制のクラスに通うのは難しいと判断し、土日で学べるレコールバンタンキャリアカレッジを選びました。

 

 

―――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

開業するにあたり、必要な技術と知識を身に付けたいと思いました。

 

 

―――― 印象的だった講師、授業はありますか

バリスタの篠崎講師。知識も豊富で、教え方も上手です。「コーヒーの美味しさは、豆が8割、どう淹れるかが2割」という考え方も印象に残っています。

あとは、宮崎講師にも大変お世話になりました。開業に関するノウハウを豊富に持っていらっしゃいます。授業で「開業するときに、単なるオーナーではダメで、自分が調理人でなければなりません。調理人が辞めてしまうこともあるので、自分でスキルを持っておいて」と言われたことをお覚えています。

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

愛媛県に移住すると決めて、「誰にコンサルタントをお願いするか」ということを考えました。

そこで、実践的なスキルを持つ宮崎講師、店舗を作るデザイナーとして佐々木講師にお願いすることに決めました。入学していなければ、業界のプロフェッショナルと知り合う機会はなかったので、その点は非常に良かったと思います。

 

 

―――― 印象的だったイベント、販売実習などはありますか。

1日限りのカフェ運営を行いました。校舎1Fで営業しましたが、面白かったですね。開業したときの1日の流れを知ることができました。例えば、「こんなトラブルもあるんだ」という予想外のアクシデントもあれば、「こういうことができて良かった」と、在校時にできていることも明確になりました。

 

 

―――― 在学中、アルバイトなどで飲食業界の経験をされていましたか?

大学4年間のアルバイトは飲食店でした。喫茶店2件と、吉祥寺のカレー店です。カウンターのカレー屋さんで働いていましたが、仕込み、配膳、皿洗いからトータルで任せてもらっていましたね。

 

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<卒業後について>

 

―――― 開業された経緯をお教えください。

2018年8月に愛媛県に移住し、2018年9月に伊予市米湊の手づくり交流市場内の「町家」に開業しました。

もともと、愛媛県は松山市が気に入っていて「働きたい。生活したいな」と思っていました。有楽町で開催されている「移住フェア」に参加しましたが、結局松山市とはご縁がありませんでした。しかし、同じ愛媛県中予地方の伊予市のブースをのぞいたところ、伊予市の担当者さんすごく熱心に対応してくれました。

実は55歳で早期退職した後も、違う会社に転職したため、すぐに動ける状況ではありませんでした。が、伊予市の担当者さんの2年越しの誘いで「移住フェア」に参加したところ、瀬戸内の穏やかな海に山に恵まれ、空気の澄んだ伊予市がいっぺんで気に入ってしまいました。

移住を進める前に、担当の人に「飲食業の物件をいくつか探しておいてください」と、リクエストしました。要望通り物件を探してくれ、見学させてもらったのですが、ピンとくる場所はありませんでした。

そこで提案されたのが、現在お店がある「手づくり交流市場」内の「町家」。第三セクターがやっている道の駅のような施設です。「チャレンジ店舗」と呼ばれる4坪ほどのスペースが10区画あり、そちらに決めました。宮崎講師と、佐々木講師と3人で物件を見ましたが、講師たちからの評価も上々でした。

東京では社宅に住んでいたので、当初は伊予市に家を建ててその一角で店舗を運営するつもりでいましたが、家は賃貸にし、賃貸店舗を借りることに決めました。

 

 

―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりをお教えください。

 

<コンセプト>

昼は自家製欧風カレーを提供し、夜は果実サワーが楽しめる、バルスタイルで営業しています。

 

<店名>

佐々木講師の授業で、店名の付け方を学びました。店舗には、何のお店か一目でわかるように「ショルダーネーム」を付けるといいという内容を参考にし、町家バル桑原、だけではなく「自家製欧風カレーと果実サワー」をつけ、「自家製欧風カレーと果実サワー 町家バル桑原」としました。

 

<場所>

佐々木講師に、図面を引いてもらい、移住関係を担当する人に地元の施工会社を紹介してもらいました。佐々木講師と施工会社に、内装の色などはお任せしました。キッチンはオール電化です。

 

<メニューについて>

どのようなメニューを提供するかは、宮崎講師となんども相談して決めました。8月後半に伊予市に移住し、マンションを契約し、9月中旬には開業できるように準備を進めました。宮崎講師には、毎日東京から2週間お店に通ってコンサルティングしていただきました。

オープン前に、メニュー開発と調理の練習を行いました。カレーは、個人的なレシピがベースとしてあったので、宮崎講師にフィードバックしてもらいオープン1週間前に完成させました。

 

<客層>

まず、伊予市の人口分布のデータを取り寄せました。「高齢者が多いだろう」と推測し、カレーの味は塩分抑えめ、油抑えめ、辛さ抑えめとしました。

夜のバルの顧客は、60代の人が多いですね。伊予市の中でも、比較的サラリーマンが多い場所ですが、市役所の人をのぞくと地域のサラリーマンよりも年配のお客さまが多い印象です。

 

 

―――― 特にオススメのメニューについてお教えください。

昼は1品で、自家製欧風カレーです。700円(税込)で提供しています。野菜と果物を使った、やさしい味わいです。胃もたれしないように、油と塩をおさえて仕込んでいます。ちなみに、成人病の原因のひとつは塩分過多なので、その点でもヘルシーです。「フルーティですね」という感想をいただくこともあります。

夜は、開業当初はアラカルトで出していたのですが、現在は予約制&コースです。お食事は2000円をベースに、サラダ、ソーセージ、油淋鶏、フライドポテト、ピザなどを提供しています。地元果実の氷結サワー(季節の果実MIX、キウイ、伊予レモン)400円(税込)は、地元のフルーツが楽しめると大変好評で、ファンが多いです。

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―――― 開業されて経験された、ご苦労についてお聞かせください。

お店を空けていない時間帯の「見えない業務」が多いこと。お昼は11時から開けていて、15時に終わりますが、後片付けや仕込みなど裏の時間が多いです。

夜の営業があるときは17時から再オープンします。現在、予約をしてくれたお客さんの時間に合わせるように営業していますが、昼も夜も営業し、すべての片付けまでをすることまでを考えると、なかなか大変です。他にも、売り上げ、仕入れの計算、確定申告まで「お店に立って接客する仕事」以外にも、業務が多いなという印象です。

 

 

―――― 新型コロナウイルスの流行で、工夫された点や日頃、心がけていらっしゃることについてお教えください。

夜を、予約制にしました。厚生労働省の「飲食店における新型コロナウイルス感染症への感染防止対策」を遵守し、一組しか入れていません。「自家製欧風カレーと果実サワー 町家バル桑原」は4坪に7席ありますが、グループは4~5名まで、1日1組としています。それ以上入ると、密になってしまいますし、万が一何かが起きてしまうと、迷惑がかかってしまいますから。

※営業時間やご予約に関してはご来店前に店舗にご確認ください。

 

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びについて教えてください。

色んな人と交流できる点は魅力です。ただ単に移住しただけでは、人間関係はここまで広がらなかったのではないかと思います。

東京から移住して来た人や、移住を考えている人が集う「移住者のハブ」的な場所になっているのも嬉しいです。移住のコンシェルジュしている人が、伊予市のツアーとしてウチのお店でのランチを旅程に組んでくれることも多いです。

新型コロナウイルス流行前は、3カ月に1回、移住者の会を開催していました。外にテーブルがあるので、ビアガーデンをしたりして交流していました。お店を起点として、さまざまな人との繋がりが広がっていくのは有難いですね。

 

 

―――― 開業を考えている方へのアドバイスをお願いします。

準備予算について、カツカツで計算せず、1.5倍から2倍は見積もっておいたほうがいいです。当初予定していない費用がかかるもの、と想定しておいてください。伊予市で開業できたのは、家賃が安かったので良かったです。

繁盛するお店には、いくつか要素があると思います。

まずは、味。それから、店主の人柄、立地。どれか一つというよりも、複合的に要素が重なれば良いと思います。店主が頑固じいさんでも、味が良ければ行くでしょうし、味はそうでもないけれど、店主とのコミュニケーションが心地よければそれもまた来店要因となる。食べログでも、味も評価してもらえているようで嬉しいです。中には、週3で来てくれる人もいます。

 

 

―――― 値付けはどうのように行っていますか。

値付けの授業では、売価の算出方法を学びましたが、その方法ではつけていません。商品単価から考えています。伊予市のランチ相場は700円前後。近くのお店を見てもあまり高くしたくはありません。とはいえ、カレーを作るにあたって、必要なフォン・ド・ヴォーの量を減らすなど、材料のコストを削ることはできません。

FLコストは、(Food/食材費と人件費/Laborの合計)かなりの比率になってしまいますが、夜の売り上げでカバーする計算です。

 

 

――― 入学を迷っている方がいたら、レコールバンタンキャリアカレッジをオススメしますか?またオススメしていただける場合、どのような点がオススメできますか?

私の場合は、入学して良かったと思っています。卒業後も、宮崎講師とコンサル契約ができ心強かったです。

レコールバンタンキャリアカレッジに限らず、どの料理学校、専門学校を選んでも、フィットする講師、良い講師はいると思います。レコールバンタンキャリアカレッジはプロフェッショナル講師なので、入学して学ぶことが開業の後押しになると思います。

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に

ぜひ前向きなメッセージをお願いします!

飲食の世界に踏み出そうと思っているなら、是非、レコールバンタンキャリアカレッジに入ってみたらどうでしょうか。「じっくりな時間があるからどこか料理学校にいってみたい」という理由であれば、何もレコールバンタンキャリアカレッジである必要はないと思います。すぐに開業を目指している人にはいいスクールです。学費は、私の場合は約160万円ほどでした。かなり高価だと思いますが早く開業したいという人には高すぎるものではないと思います。夢の実現の後押しのために、一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

 

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<SHOP INFO>

自家製欧風カレーと果実サワー 町家バル桑原

愛媛県伊予市米湊827-4 交流市場「町家」内

営業時間 11:00~15:00、夜は要予約

080-6759-1633

https://tabelog.com/ehime/A3801/A380103/38012647/

 

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