<卒業生インタビュー>「tunturi bread & coffee」オーナー橋本恵子さん

学生インタビュー
卒業生
東京校
開業プランニングコース
JBAバリスタライセンスコース
コーヒーロースト&ブリューコース
ベーカリーコース

開業実績380店舗以上を誇る、レコールバンタンキャリアカレッジ。

外食産業を担う卒業生たちは、どのようなことを意識してビジネスをしているのでしょうか?

最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、宮城県仙台市にて「tunturi bread & coffee」を営む、オーナー橋本恵子さんにインタビューを行いました。

 

 

<在校中について>

――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次を教えてください。

2020年 4月に入学しました。

「ベーカリーコース」「コーヒーロースト&ブリューコース」「JBAバリスタライセンスコース」「開業プランニングコース」を受けました。

「ベーカリーコース」は1年を通して毎週土曜日に授業がありました。4月から9月までの前期は、日曜日午後に「コーヒー焙煎コース」を受講しました。

そして10月から3月までの後期は、日曜午前に「バリスタコース」を受講しました。「開業プランニングコース」と時間が重なっていたので、録画した授業を聴講しました。

 

――― クラスは何名くらいでしたか?

どのクラスも30名前後が学んでいました。特に「ベーカリーコース」は人数が多かったです。10代から60代まで幅広い年代の人が学んでいました。

 

――― 通学時の1日のスケジュールも教えてください。

土曜日朝イチで仙台から登校して授業を受けました。日曜日にも授業があったので、土曜の夜はホテルに宿泊して、日曜日に授業を受けてから自宅に帰っていました。

 

――― レコールバンタンキャリアカレッジを選ばれた理由を教えてください。

開業するまで、飲食の仕事はしたことがありませんでした。

プロフェッショナルとして、コーヒーや製パンの知識を身につけてから開業したいと思いました。仙台市内にも、若い人向けの製菓専門学校はありましたが、東京に社会人のためのスクールがあると知りました。3月にレコールバンタンキャリアカレッジを見つけ出し、「思い立ったら吉日!」とすぐに入学しました。

 

――― それまではどのようなお仕事をされていましたか?

国家資格を4つほど持っているので、病院、企業、大学、保育園など、さまざまな職場で働いてきました。最後に勤めていたのは大学で、同じ時期に大学院博士課程に進学していました。

 

――― レコールバンタンキャリアカレッジで学ぶと決断する前に、悩まれた点があれば教えてください。

一般的に専門学校に2年間通うカリキュラムを、1年で集中的に学べると考えれば、金銭的な面はそこまで悩まなかったです。入学金、東京に通う資金よりも「時間がかからない」ことに魅力を感じましたし、実践的な技術を学べる印象がありました。

 

――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

実践的技術を身につけたいと思っていました。また、卒業生が実際に開業をされている実績も知りました。実践授業が開業に繋がっているのだろうと思いましたし、私自身の「直感」もありました。

 

――― 印象的だった講師、授業はありますか?

入学前からコーヒーは好きでしたが「バリスタ」の存在は知りませんでした。特に、バリスタコースを指導してくださっている篠崎講師の授業は新鮮でした。素直に「バリスタって格好いい!」と思いましたし、助手の講師も含めて立ち居振る舞い、技術も素晴らしく、衝撃を受けました。丁寧に教えてくださり、内容も面白かったです。

「コーヒーロースト&ブリューコース」は、PASSAGE COFFEE代表の佐々木講師に教えていただきました。学んでみて、焙煎の奥深さに感心し、「こんなに世界があるんだ」と感じました。

東京で実際に開業されている講師の視点や考え方を知ることで、コーヒー文化に触れた気がします。「ベーカリーコース」後期は丸山講師が教えてくださいました。丸山講師は、美味しくて個性的なパンを作っていらっしゃいます。個人的にも相談しやすかったですし、「ベーカリーコース」授業もとても楽しかったです。

 

――― 授業の雰囲気はいかがでしたか?

10代から60代まで幅広い年代の人が学んでいました。「ベーカリーコース」は、コツコツと作業に打ち込まれる職人気質の人が多かったように思います。「JBAバリスタライセンスコース」は「陽」のメンバーが多く、自分が話すのも、人の話を聞くのも好きな人が多く今でも繋がりがあります。クラスは明るかったですし、刺激的でした。どのコースも同じ目的を持っている人が集まっているので、楽しかったですね。

 

――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

建築家、ブランディングなど幅広い分野のプロフェッショナルから、実践的な授業を受けられたことが大きいです。

特に、「開業プランニングコース」がなかったら開業できていなかったかもしれません。さまざまな飲食店のコンサルをされていらっしゃる宮崎講師は、ウェブを見ただけでは学べない、基礎をしっかりと教えてくださりました。融資を受ける際に必要となる「事業計画書」、「設計」の考え方のポイントまで、幅広く学ぶことができました。また、事前に宮崎講師に1度添削をしてもらい、おかげさまで融資もスムーズに通りました。先方からも、「こんなにちゃんと書ける人はいない」と言っていただきました。

融資は、公庫と銀行にお願いしましたが、そのプロセスで苦労することはなかったです。1000万円以上の融資を受けることができたのも、授業のおかげだったと思います。もしも何の知識もなかったら、計画そのものが頓挫していたかもしれないと思います。

 

――― 印象的だった授業はありますか?

「開業プランニングコース」を録画で学べたのは、レコールバンタンキャリアカレッジが柔軟に対応してくれたからこそです。通常、録画で聴講するコースはなかったのですが、私がどうしても受けたかったので、スタッフに相談したところ、録画した授業を見られるように手配してくださいました。

 

――― 在学中または卒業後に、アルバイトなど飲食業界の経験をされましたか?

「実践」が必要だと思って、2店舗でアルバイトしました。20222月からは、仙台でいちばん好きなベーカリーで10カ月ほど、その次に大手コーヒーチェーン店でも1カ月ほどアルバイトをしました。まず、ベーカリーはオーナーも未経験から開業していて、製造だけでなくいろいろなことを教えていただきました。現場で、すべての工程に責任をもって製造する経験をしたことで、自信が得られました。

大手コーヒーチェーンでのアルバイトについては、、正直いらなかったかも?と感じます。最初は接客を学ぼうと思っていましたが、「コーヒーロースト&ブリューコース」「JBAバリスタライセンスコース」で十分に学ぶことができたと思います。また、チェーン店ですとコーヒーを淹れられるようになるまで時間がかかるので、その時間を家でコーヒーを淹れる練習にあてるのも良いと思います。

 

――― 入学前に描いていた開業とイメージに変化ございましたか?

大きくは変わっていません。開業前に、いちばん不安だったのは、自分が接客業に向いているのか?という点でした。保健師、看護師、大学での先生として働いていたので、人と接することは好きでした。ただし、「飲食業」としてお客さまと接することに不安がありました。開業してみて、思い描いていたイメージと大きくは違っていないと感じます。

 

―――  在学中「開業サポート」は活用されましたか?

はい、かなり利用しました!受講クラスも多かったので、45回は受けたと思います。宮崎講師、佐々木講師、丸山講師は2回、コーヒーはバリスタ・佐藤宇宙講師にオンラインで相談に乗っていただき、オープン前にも技術指導をしていただきました。

 

―――  開業サポートを使用された場合、その感想は?

個人の状況にそったご指導をしていただけますし、プロフェッショナルから明確な答えが得られます。なので、在学中に絶対に受けるべき制度だと思います!

 

<卒業後について>

 

―――― 開業された経緯を教えてください。

2020年2月時点では大学院に通っていました。専門は保健学で、修士から博士課程まで6年間仕事をしながら大学院で学んでいましたが、大変なことが多く落ち込む日々が続きました。そんなとき、カフェで癒されていました。「人を癒す場所はいいな」と思い、これから仕事を探すのか、自分で開業をしようかを真剣に考え、カフェをやろう!と思いました。当時、「私の好きなことができるだけでなく、他の人にも癒しの空間を提供しよう」、「多くの資格や特技をいかして、お客さんにユニークな体験を提供しよう」、「カフェを通じて、地域やコミュニティとのつながりを深めよう」、「元気や癒しを与える場所になれるように努めよう」、「ペットと一緒に過ごせる場所を提供しよう」と考えていました。決断したときは、57歳でした。

 

―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりを教えてください。

<開業日>

2024年7月です。

 

<店名・コンセプト>

tunturi(トゥントゥリ)は、フィンランド語で丘や山を意味します。お店のコンセプトは「ありのまま」。私のまま、自然のままを大切にしていて、この場所を活かし、私自身を活かすことがコンセプトです。店舗は住宅地の山の上にあり、店舗設計や食器、家具にも北欧の文化を感じられるようにしています。

 

<デザイン>

我が家は、木や自然を取り入れた、Bessのログハウスです。なので家の持ち味や風合いを活かしつつ、訪れた人が癒されるような特別な空間にしたいと考えました。また、自宅兼店舗なので、家としての機能もちゃんと残したいと考えていました。

注文も多かったので、建築家さんにとっては難しいオーダーだったのかもしれません。初期投資の融資の準備よりも、個人的には、「自分たちの住み心地の良さ」と「カフェとしてのデザイン性・機能性」を両立させるほうが大変だったかもしれません。建築家さんは、45人と打ち合わせをしました。基礎設計までしたものの、こちらが求めているイメージやスタイルと合致せず、進まないということもありました。結果的に、地元のリノベーション専門の方にお願いしました。理想を叶えてくれる建築家さんを探し、何度も打ち合わせを行い、こちらの要望も伝えていきました。このプロセスには、しっかりと時間をかけて良かったなと思っています。

<場所>

家で仕事をしたかったので、自宅改装と決めていました。

 

<客層>

開業前に想定していたのは、近くに暮らす30-40代の働く女性、そして近隣に大学が23校あるので大学生を想定していました。実際に、平日は授業の合間に来てくださる学生さんも多く、休日はファミリー層もいらっしゃいます。テレビで紹介されてからは近所にお住まいの70代前後のお客さまが、パンだけテイクアウトされることもあります。40代、50代でお食事やお喋りに来られる人、小さいお子さんから70代までと幅広いです。男女比も、半々くらいです。

 

―――― 特に、売れ筋のメニューについて教えてください。

シナモンロール(税込380円)、カルダモンロール(税込380円)です。コーヒーに合う、パンは8種類ほど揃えています。どれも、まんべんなく売れます。他にも、季節ごとにフルーツを変えている「ハートワッフル」(税込850円)、ドリップコーヒー(税込600円)やカフェラテ(税込600円)も人気です!

 

―――― 「値付け」はどのように行われていますか。販売価格の付け方など、コツがありましたら教えてください。

レコールバンタンキャリアカレッジの授業で、「原価は3割」と学びました。お店全体でならして、「材料費が3割」になるように決めています。あとは、近くの飲食店の価格も参考にしています。「価値のあるもの」として認知していただきたいので、安すぎてもいけないと思っています。また、季節性のものは、売価を高くしても販売できるので、利益を厚めに設定することもあり、全体のバランスを見て考えています。

 

―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

ふたつあります。まずは、一人で営業しているので、自分が仕込める量とオペレーションを考えること。もうひとつは、メニューが単調にならないように季節のメニューを常に考えています。

自分で季節メニューを考えることがすごく大変で、今も苦労しています。そして、お客さまへのアプローチもSNSがメインですが、これからどうやって広めようかな?を考えています。

 

―――― 営業する日の1日のスケジュールを教えてください。

朝は4時起きです。前日に生地を仕込み、長時間発酵をします。起きて12時間以上は働いていますが、その点については大丈夫です。人に使われないのでストレスフリーですし、精神的健康が保たれています。なので、長時間の仕事が大変だと感じたことは一度もありません。

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びはどのような時に感じられますか。

月並みで申し訳ないのですが、「美味しかったです」「また来るね」と言われることがいちばん嬉しいです!なかには「今までで食べたシナモンロールの中で、いちばん美味しい!」と言ってくださる人もいます。お客さまがまた来てくれたら嬉しいですが、一方で「あの人、最近来ないな~」などと、執着しないことも大事だと思っています。

 

―――― 日々の営業も、大変さはどのようなところでしょうか。

来客数には、波があります。開業当初は、逐一感情を持っていかれていましたが、そうすると自分がすごく疲れてしまうと気付きました。お客さんが少ない日は「そういう日もある。自分にはわからないことも多い」と思えるように。読みができないのであれば、そこも楽しみにしちゃえばいいでしょう!と考え方を変えました。

 

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なスキルは?

自分を大切にすること。自分が持つ感性など、「自分」を大切にしていると上手くいきます。お客さま、周りの流行に流されないで。そうすると、迷わずに進めますし余計な気苦労もないです。開業して、お客さまに来てほしい気持ちから、一瞬「自分」軸が揺らいだことがありました。「お客さまに寄せてみようかな」とか。そうすると、欲のようなものも出てきてしまったり、ミスが起きてしまったりします。お店を運営している人の気持ちは、お客さまにも絶対に伝わると思います。「自分」が大切にしていることを見失わずに、迷わないことが大切です。

 

―――  今後の目標はありますか。

お庭を広げるなど、自分が心地よいと思える空間を広げていきたいです。積極的に、tunturiを知らない人に知ってもらうために、Instagramフォロワーも1万人を目指そうと思っています。フェスにも出店しいきます。やりたいことは多いので、「このままでいい」と慢心せず、良いものを作っていきたいです!

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、レコールバンタンキャリアカレッジはオススメしていただけますか。

レコールバンタンキャリアカレッジは、コスパが良いと思います。授業内容も実践的で、すぐに使える知識と技術を身につけることができます。卒業後は、自信を持って営業できるので、社会人の人には特にオススメです。何歳になっても学べるスクールは、日本ではレコールバンタンキャリアカレッジしかない!と思います。

個人的には、飲食店は知るべきところを知ってから開業されたほうがいいと思います。

多くの人に学んでもらえたら嬉しいです。

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、ぜひ前向きなメッセージをお願いします!

開業してみると、細かなところで「えっ」と思うような予想外のことがいっぱいあります。事前に知れて、学べておけたことは良かったです。また、私は卒業生にオンラインで相談できる「バンタンコネクト」を利用しました。実際に飲食店を経営されている卒業生から、生の声を聞くことができます。5人ほどにお話をうかがいましたが、実際の声をうかがうことができ、この制度の存在はすごく大きかったです!

もうひとつ、授業を受けるうえでは、受け身ではいけないと思います。私は、ある程度自分の中でイメージを決めていたこともあり、常に自分に落とし込んで考えていました。「自分から何かを得よう」という姿勢で授業を聞くといいと思います!お金をしっかり払っているので、通って満足してしまうのはもったいないです。自分が開業したい飲食店を具体的にイメージしながら受けると、学びの深度が違うと思いますし、より実践的だと思います!

 

SHOP INFO

宮城県仙台市青葉区川内三十人町5-114

営業日:

平日 10:0017:00(イートイン11:00)

土日 10:0017:00(イートイン、テイクアウトともに)

定休日:火・水・木

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