22.09.13 24.04.01 更新

<卒業生インタビュー>前編 BEVALLEY COFFEE オーナーバリスタ・大谷 一仁さん&大谷 直道さん

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「ウィズコロナ」の時代。外食産業を担う卒業生たちは、今どのような心持ちでビジネス

をしているのでしょうか?最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、神奈川県・つきみ野にて「BEVALLEY COFFEE」オーナーで、バリスタとして活躍する大谷 一仁さん&大谷 直道さんにインタビューを行いました。お二人はご兄弟。

レコールバンタンキャリアカレッジを選んだ理由や、開業された経緯について、語ってくださいました。

 

 

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<在校中について>

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジに入学された経緯を教えてください。

 

一仁さん「消防士として8年間働いていました。BEVALLEY COFFEEを開業する前は、ベトナム・ダナンで物件を借り、カフェを開業しようと動いていました。しかし、コロナ禍で行けなくなってしまいました。個人で何ができるかを考え、カレー店かパーソナルトレーナーだと思い、三軒茶屋で間借りカレー店を始めたんです。2020年4月4日から、2022年2月まで、1年8カ月営業していましたが、家族で持っている土地が空くことになり、『何かビジネスをやろう』という話になりました。このエリアには喫茶店が一件しかなく、行列ができていました。マーケット的にも、カフェを開業するのが最適なのではないかと思いました。ベトナムではなく、日本でフードビジネスをするとなると、圧倒的に知識量や技術がないと勝てないのではないかと思い、コーヒーについて勉強してから開業しようと思いました」

 

直道さん「僕は、アパレルメーカーで営業をしていました。『家族みんなで開業しよう』という話がでたときに、楽しそうでいいなと思いました。キャリアチェンジは、大きな決断ではあったと思いますが、天秤にかけたときに独立・開業する方が、ときめきが大きかったです」

 

 

 

―――― コースは?

 

一仁さん「JBAバリスタライセンスコース、コーヒーロースト&ブリューコースを、2021年4月から半年間受講しました。弟も同じクラスで学びました」

 

 

―――― ご入学時はおいくつでしたか?

 

直道さん「僕は29歳、兄は32歳です」

 

 

 

―――― クラスは何名くらいでしたか。スケジュールも教えてください。

 

一仁さん「週1回、日曜日だけクラスがあり、朝9時から18時頃まで学びました。クラスメイトは、それぞれ30名前後いたと思います」

 

直道さん「授業終わりに、校舎近くの恵比寿横丁に兄と一緒に飲みに行くこともありましたね」

 

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジを選ばれた理由を教えてください

 

一仁さん「最大手のスクールだったので、安心感がありました」

 

直道さん「プロフェッショナル講師による店舗運営の秘訣や、カフェ経営に必要な技術を体系的に学べるのがいいと思いました」

 

 

 

―――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

 

一仁さん「開業できる知識と技術です」

 

直道さん「カフェ経営のノウハウやテクニックを、学びたいと思っていました」

 

 

 

―――― 印象的だった講師、授業は。

 

一仁さん「篠崎講師と、佐々木講師に学びました。バリスタ・篠崎講師は日本バリスタ協会 技術研究委員長や、コンサルタントとしてもご活躍されています。東京オリンピック選手村のレシピ提案や、コスタコーヒーのメニュー開発などにも携わっていて、篠崎講師のような働き方をしたい、と夢を与えてもらえました」

 

直道さん「僕も、篠崎講師と佐々木講師です。佐々木講師は、味に関してすごいストイックで、『味の鬼』だなと感じました。焙煎過程で、ネガティブな要素を極限まで取り除いて磨き抜かれた味を追求する姿に感化されました。

例えば、豆は、焙煎温度が高すぎるとえぐみが出てしまうので、丁度いい温度帯があります。ベストな豆、ベストな焙煎、ベストな抽出方法で淹れて下さり、コーヒーの味は複雑な要素が絡まり合っているんだなと知ることができました。コーヒーは奥深く、底なしの世界だと思います」

 

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

 

一仁さん「バリスタとしての所作だけでなく、コーヒー豆の知識が印象に残っています。佐々木講師は、市場に出回っている豆の多くが安価な『ロブスタ種』であることや、品種ごとの特性などを教えてくれました。知識があることで、自分たちが理想とする、美味しいコーヒーを提供できると思います」

 

直道さん「もちろんです。例えば、篠崎講師に教えていただいたエスプレッソのレシピは、『これさえ守れば間違いない』ものです。篠崎講師は、さまざまなお店のコンサルティングやカフェでのレシピ開発を経験されたうえでの結論なので、信頼しています。また、卒業した後も、佐々木講師のPASSAGE COFFEEさんから豆を仕入れていますし、コネクションが今のビジネスの役立っていて、有難いです」

 

 

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<卒業後について>

 

 

―――― 開業されたのは?

 

一仁さん「2022年7月7日です」

 

 

 

―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりをお教えください。

 

<店名・コンセプト>

 

一仁さん「苗字が大谷なんですが、英語に訳すとBIG VALLEYです。そこから頭文字を取ってビバレーとしました」

 

 

<ロゴデザイン>

 

一仁さん「好きなお店のマークに敬意を込めて、ラテアートで描くのが難しい白鳥のモチーフを選びました」

 

 

<場所>

 

一仁さん「持ち土地でした。もともとチェーン店のレストランが出店していましたが、撤退されたので更地にし、店舗を建てました。天井が高くて開放感がある内装をイメージしていました。代表取締役は父ですが、父の好きなテイストが色濃く反映されています。僕は、海辺の雰囲気が好きなので、窓、ガラス、ファンモーターなどを採用してもらっています。開放的な空間です」

 

直道さん「自分自身は、四季を感じる瞬間が好きです。冬は温かい場所でアイスを食べたり、夏は涼しいところで景色を見たり。自分にとって風流だと思えるものを、お客さんに提供できるといいなと。自分のしたいことが反映されやすいのも、家族経営ならではだと思います」

 

 

<客層>

 

一仁さん「30代、40代、50代女性がメインですが、幅広い年齢層のお客さまがいらっしゃいます。今後は、10代、20代のお客さんを増やしていきたいです。飲食店を続けていくうえで、幅広い世代にアプローチすることが大事です。Instagramのストーリーズやリールを活用し、知名度アップに繋げていきたいですね」

 

 

<豆の仕入れ先>

 

一仁さん「Amameria Coffee Roasterさん、PASSAGE COFFEEさん、YOUR DAILY COFFEEさん、他、2社から仕入れています。使い方としては、ブレンドコーヒーは、自分たちが美味しいと思うコーヒーをベースに、多くの人が美味しいと思うようなコーヒーを10%くらいブレンドしています」

 

 

 

―――― 特に売れ筋のメニューについてお教えください。

 

一仁さん「バランスの良い苦みと甘み、果実味のある酸と心地よいコクを感じていただける『ビバレーブレンド』(490円・税込)、牛乳で6時間かけてじっくりと抽出した『ミルクブリューアイスコーヒー』(550円・税込)、12種類のスパイスと3種類の出汁を使った、オリジナルスパイスカレー(980円・税込)です。今後、フレンチトースト、パスタも提供していきます」

 

 

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―――― 「値付け」はどのように行われていますか。販売価格の付け方など、コツがありましたら教えてください。

 

一仁さん「フードと人件費のコストを6割以内におさめたく、おおよそ3割で算出しています。今後は、原価率4~5割を超えたフードメニューなども出していく予定です」

 

 

 

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―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

 

一仁さん「未だ始まったばっかりなので……。これから難題が出てくるのだろうなと思います。カフェ未経験なので、作業に慣れないというのはあります。一日エスプレッソマシーンやハンドドリップで200杯を淹れる作業に慣れておらず、肉体的な疲労感があります。消防の仕事は、静と動がありましたが、カフェの場合はロングランなので、力の配分を考えているところです。僕の場合、常に全力を出してしまうタイプなので……」

 

直道さん「駅前で、かつ大通りに面している立地なので、自然とお客さまは来るだろうと思っていましたが、ちゃんとアピールしないといけないというのが気付きです。お客さまが、どんなサービスを受けられるのかが具体的に見えないと、警戒していらっしゃらない人もいます。告知は大切です。また、100杯オーダーをいただいたら、100杯すべてを等しいクオリティで出すことは、改めて難しいと感じています」

 

一仁さん「あとは、アルバイトスタッフが多いので、全員の意見を汲んでくと収集がつかなくなります。特に、開業当初はオペレーションが未確立だったので、難しかったです。今後は、自分が現場から離れているときの、オペレーションやコミュニケーションをよりスムーズに伝達できるように工夫していきたいです」

 

 

 

―――― 新型コロナウィルスの流行について、ご自身のビジネスへの影響は感じられますか?

 

直道さん「コロナ後の開業なので、『コロナ前だったら』など、比較するものがありません。ただ、新規の感染者数が増えると客足に響く感覚はあります。また、テレビで猛暑注意といった報道がされるとお客さんが少ないです」

 

 

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びについて教えてください。

 

一仁さん「お客さまに美味しかったよ、と言っていただけたり、常連さんが何度もいらっしゃってくださったりすると、自分たちのお店の価値を感じられます」

 

直道さん「自分たちが美味しいと思っているものが、お客さまに喜ばれるとき。その根っこには共感があると思います。食を通じてお客さまと同じ気持ちになれるのは面白いところです。BEVALLEY COFFEEで、良い思い出を作ってもらいたいな、と思っています」

 

 

 

―――― ご家族で経営されていて、大変さはどのようなところでしょうか。

 

直道さん「意見が対立することもありますが、信頼しているので問題にはなりません。メニューを2カ月に1回更新するので、それにまつわる話し合いが多いです。今回はできなくても、次にやればいい、と自然と折り合いがつきます。試してダメであればやめればいいし、失敗したら違うことすればいいという意識です。大きな組織に起こりがちな、誰かを蹴落として自分が出世してやろう、みたいなこともないですしね」

 

 

 

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なスキルは?

 

一仁さん「お客さんの求めているものを把握できる能力。あとは、身だしなみ、清潔感、几帳面さが大事だと思います」

 

直道さん「目配り、気配り、お客さんが何を求めているか、どうしてあげるべきか、を気付いてあげるスキルは基本だと思います。それにプラスして、世の中で求められているものを知ること。成功している条件を抽象化して、実行する力も求められます。アイデアも大切ですが、やり切る実行力が必要です」

 

 

 

―――― 今後の目標はありますか?

 

一仁さん「たくさんありますが、まずはお店を大きくしていきたいです」

 

直道さん「未だまだ、これからだと思います。続けていくことに価値があると思います。金額的な目標はないので、とにかく続けていくこと。自分が楽しさを感じるのは、四季を感じることなので、それをより良い形で表現していくことが目下の目標です」

 

 

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―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、レコールバンタンキャリアカレッジはオススメしていただけますか。はいの場合理由を教えてください。

 

一仁さん「開業したい志を持つ人が集まるので、情報共有ができます。豆を仕入れている業者さんは、篠崎講師に紹介していただきました。また、BEVALLEY COFFEEでも、クラスメイトと、専門部・レコールバンタンの卒業生が働いてくれていて、そうした横の繋がりも得られるのでオススメします」

 

直道さん「はい、です。講師が素晴らしいですし、設備もいいです。また、講師は現役でカフェを経営しているプロフェッショナルなのがいいところ。篠崎講師にお会いし、『バリスタを極めるとこうなる』という、具体的なイメージが湧きました。憧れもありますし、将来的に自分が目指すべき理想のゴールが見つかりました」

 

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、メッセージをお願いします!

 

一仁さん「講師の一挙手一投足を、見逃さないで。是非、自分の経験に活かしてください」

 

直道さん「自分のときめきを信じて、入学してみてください」

 

 

また、一仁さん、直道さんのお母さまである大谷幸さんも、レコールバンタンキャリアカレッジで学ばれてから、独立・開業されました。後編では、大谷幸さんのストーリーをお届けします。

 

 

 

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<SHOP INFO>

BEVALLEY COFFEE

https://www.bevalley-coffee.com/index.html

@bevalleycoffee

神奈川県大和市つきみ野4-13-5

046-200-7633

8:00~20:30

定休日:水曜日

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