22.06.03 24.04.01 更新

<卒業生インタビュー> collegarest(コレガレスト)オーナーバリスタ 成田有沙さん

学生インタビュー
卒業生
東京校

 

「ウィズコロナ」の時代。外食産業を担う卒業生たちは、今どのような心持ちでビジネスをしているのでしょうか?最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、北海道を拠点にキッチンカー「collegarest」を運営する、オーナーバリスタ成田有沙さんにインタビューを行いました。

 

 

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<在校中について>

 

―――― レコールバンタンでのコース名、卒業年次を教えてください。

23歳のときに、カフェバリスタ専攻1年コースに入学しました。卒業は2015年です。

 

 

―――― クラスは何名くらいでしたか。スケジュールも教えてください。

20名くらいでした。週3日通っていました。

 

 

―――― レコールバンタンを選ばれた理由を教えてください

入学前は、地元である北海道・旭川の銀行に勤めていましたが、入社前も飲食業界でアルバイトをしていて、再び飲食業界で働きたくなったんです。何をしようかと考えたときに、コーヒーを提供する職業により価値を感じました。当時、バリスタは、私の知る限りでは旭川にはほとんどいなくて。大手の仕事を辞めるからには、一からしっかりと学びたいと思いました。また、バリスタと検索したときにレコールバンタンキャリアカレッジが上位に出ていたことが、スクールを知ったキッカケです。

 

 

―――― 札幌で学ぶという選択肢はなかった?

そうですね、札幌で学ぶよりは東京で学んだほうがいいかなと考えました。また、札幌だと誰かの下でアルバイトとして働き、楽をしてしまいそうだな、という気持ちもありました。

 

 

―――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

実は、コーヒーが特別好きだったという訳ではありません。美味しいコーヒーを提供する「バリスタ」という仕事そのものに魅力を感じました。入学時は、エスプレッソやカフェラテ、カフェオレの違いも分からない状態で、本当に右も左も分からない素人でした。

 

 

―――― 印象的だった講師、授業はありますか。

篠崎講師と佐藤宇宙講師。実践的な技術を教えてもらえますし、現場のリアルな方法を教えてもらえること。業界でもさまざまな繋がりを持っている講師なので、どのようなお店で働けばいいか相談し、篠崎講師や宇宙講師に紹介していただきました。

 

 

―――― レコールバンタンでの学びが「実践的だった」「今のビジネス」

に活かされていると感じることは?

授業でも、緊張してガチガチになることなく、エスプレッソを淹れる練習などに打ち込めたのが良かったです。また、独立・開業を目指している人が多く、意見を言い合い切磋琢磨できたのも良かったです。一人で悩むことはありませんでした。

篠崎講師には、「仕事をするうえでは、人が7割、技術が3割」と教えられました。それを聞いて、「美味しいものを出せるのは当たり前として、変な人がやっていたらお客さんは来てくれないんだな」と納得しました。

もう一つ、オープンキャンパスも印象に残っています。篠崎講師がカプチーノを淹れてくれたんです。一見すると強面でイケオジな篠崎講師が、とても可愛いウサギのデザインカプチーノを作ってくれて、そのギャップに驚きました。自分もお客さんを楽しませたいし、エンターテイメントでもてなしたいと思いました。

 

 

―――― 在学中、アルバイトなどで飲食業界の経験をされていましたか?

1年制、週3日の授業なので、技術を伸ばすためにアルバイトしていました。エスプレッソの抽出やミルクスチームの技術を上達させたかったので、オシャレさなどよりは「量が出る」「実際にマシンに触れる」ことを基準にお店を探しました。授業で習ったことと、実際の現場でのやり方が違ったりするときは、小さな疑問でも講師に聞くようにしていました。

 

 

<卒業後について>

 

―――― 開業された経緯をお教えください。

レコールバンタンは、24歳で卒業しました。当時勤めていたカフェが廃業になったので、Paul Bassettに入りました。バンタンでは、イタリアンバールでの文化や基礎を中心に教えてもらっていたので、スペシャルティコーヒーは少し分野が違い、自分の舌を鍛える日々でした。

27歳で地元・旭川に帰り、コーヒー店に勤めながら開業資金を貯めているときに、コロナ禍に入りました。2020年を目安に、働いてたお店を辞める予定を立てていたので「どうしよう」という気持ちはありました。当時、未だ名前を知られていない私がお店を出すリスクも考え、今一緒にやっているマネージャーと相談してキッチンカーを選びました。

 

 

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―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりをお教えください。

 

<オープン日>

2020年8月です。

 

<店名・コンセプト>

collegarest(コレガレスト)は造語です。繋がるという意味のイタリア語「コレガーレ」と、英語「Rest」を掛け合わせました。事業者さまとかお客さまとの繋がりを大事にし、皆さんが休憩できるような憩いをもたらせるように、という想いを込めています。

 

<客層>

ファミリー層がターゲットなので、クレープも提供しています。幅広いお客さんに喜んでもらい、日常使いしてもらえたらと思います。

 

<キッチンカー費用>

ピンキリだと思います。collegarestは、トドックなどにも使用される1.5 t車で、価格は350万円(税別)でした。価格は上がってきていると思います。この他に、エスプレッソマシーン費用などがかかります。ただし、実店舗にかかる内装工事や、月の固定費を考えるとチャレンジしやすいと思います。 

 

<場所>

コレガレストは二人体制なので、マネージャーが事業主さんとやり取りをし、現場は私に任されています。「こっちの方まで来て」と言われることもあれば、「ここに出したい」と二人で話し合って決めることも。ご縁をいただいて、決まっていくイメージです。都心も田舎もありますし、高齢者が多いエリアもあれば、若い人が多いエリアまで幅広いです。

 

 

――― キッチンカーのメリットは?

営業していなければ、家賃も光熱費もかからない点です。あとは、人がいる所にこちらから行けるところ。実店舗だと、どうしてもお客さまを待っていないといけませんが、移動できるフットワークの軽さは魅力です。

 

 

――― 大変なところは?

移動ですね。出店場所まで7時間運転して着く、ということもあります。旭川は、北海道の真ん中に位置するので、そこはいいところ。ご依頼があれば、道外にも行きます。

もう一つは、材料を車内一杯に積んで行っても売り切れてしまうことがあります。地域によって売れ筋が違うので、ロスが出ないようにしつつ、出る量を予想しないといけません。

 

 

―――― 特にオススメのメニューについてお教えください。

クレープメニュー(税込440~480円)が、めちゃくちゃ人気があります。初年度は、ほとんどクレープの売り上げに助けてもらいました。おじいちゃんが孫にお土産として買ったり、お子さんがクレープを食べて両親はコーヒーを飲んでゆっくりしたり、といったケースがあります。東京から豆を仕入れているんですが、少しずつ「コーヒーも美味しいよね」という口コミが増えていきました。

コーヒーでは、アメリカーノ(税込400円)、カフェラテ(税込450円)も出ます。私の推察ですが、北海道の地方に行くと大手カフェチェーンもないので、キャラメルラテ(税込450円)などの変わり種も人気です。そもそも、エスプレッソを淹れるお店がなく、本格的なスペシャルティコーヒーを飲むのが初めてという人もいます。「苦いコーヒー」しか知らない人に美味しいコーヒーを味わっていただきたいですね。

 

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――― 豆はどちらから仕入れていますか?

東京・国分寺「Life Size Cribe」です。オーナーの吉田さんは、レコールバンタンの卒業生です。色々なお店のコーヒーを飲んだ結果、吉田さんの焙煎はバランスが良く、幅広い人に受け入れてもらえる豆だと感じました。

 

 

――― 「値付け」については、どのように行っていますか?

お客さまに安価で美味しいスペシャルティコーヒーを届けたいと思っているので、ギリギリの価格設定です。コーヒー豆自体の価格が上がっているので、今後上げざるを得ないかもしれません。その代わりに、クレープで原価が取れるような構造になっています。

 

 

―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

2020年に開業したものの、コロナ禍になり企業さんからも「出店はちょっと」となりました。雪もめちゃくちゃ降り、資金が底をつきかけたことも。初年度は、お店の認知度が無くて大変でした。

 

 

―――― ピンチは、どのように乗り越えたのでしょうか?

マネージャーとアイデアを出し、アプリを導入し、お客さんに「コレガレストがどこにいるか」を発信できるようにしました。スタンプカードも作り、お客さまに楽しんでもらえるツールを作ったところ、2021年には認知度が上がりお客さまがついてくれるように。FacebookとInstagramは私の担当で1週間ごとに必ず更新しています。Twitterはマネージャーが担当でフランクな感じです。出店先で夜ご飯を食べている様子を発信しているので、Twitterを見ているお客さんは、「いつもお酒を飲んでいるよね」と声をかけてくれたりします。

 

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びについて教えてください。

コーヒーを伝えたいと思って営業しています。なので、お出ししたものに「美味しい」「また来たよ」という言葉をいただくと嬉しいです。「北海道には、トレンドが3年遅れてくる」なんて言われることもあります。喫茶店文化が根付いている街では、深煎りコーヒーがいちばん美味しいという人もいます。また、缶コーヒーや、コンビニコーヒーが100円で買えるところ、うちのお店でスペシャルティコーヒーを買ってくれるのは嬉しいですし、何度も買って下さると「満足していただいているんだな」と、やり甲斐を感じられます。

 

 

―――― 大変さはどのようなところでしょうか。

他の業界に比べると、単価が低いこと。例えば、ひとつ20万の家具に比べると、売り上げ20万円に達するまでには時間も労力もかかります。1店舗で稼げる金額に上限があると思います。ビジネスとして見たときに、凄く稼げる分野ではないと思うので、好きじゃないと続かないかもしれません。

もう一つは、北海道なのでドカ雪が降って、車が埋まっちゃったりすると動けなくなることも。ウチは、冬季も稼働しますが、中には冬季休業というところもあります。

 

 

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なスキルは?

例えばミルクの熱さを人によって調整してあげるなど、お客さんが求めているものを提供できるスキル。もう一つはコミュニケーションです。二回、三回と来てくれるお客さんに対して「初めまして」の顔をされたら相手も寂しいと思うんです。なので、人の顔を覚えることは大切。どうしても思い出せないときも、話している間に頭をフル回転させて、お客さまが帰るときまでには情報を思い出せるように頑張ります。

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、レコールバンタンキャリアカレッジをオススメしていただけますか。はいの場合、理由を教えてください。

他の専門校は知らないので比べることはできませんが……。一般的な専門学校だと、「今日ダルいから休もう」みたいな人もいると思うんですが、レコールバンタンキャリアカレッジにはいませんでした。授業に対して真っすぐな人多く、それは自分で学費を払って来ている人が多いからかも。今でも連絡を取っている人が何人かいます。同じ志を持った人に出会えますし、色んな年齢の人が通っていて、横の繋がりがめちゃくちゃ強いです。幅広い人脈を作れたので、通う価値があったかなと思います。

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、ぜひ前向きなメッセージをお願いします!

真面目に、積極的に学ぶといいです。受け身の姿勢だと1年、2年はただ過ぎてしまいます。高校、大学みたいに“教えられる”姿勢というよりは、前のめりになって向かったほうがいい。授業料は決して安くはないので、得られるものを全部得てほしいです。プロ講師は、現場に立っている人。ということは、現場で使われている実践的な技術や知恵を教えてくれています。それを是非、自分のものにしてください。

 

 

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<SHOP INFO>

collegarest

https://collegarest.com

https://collegarest.official.ec

Twitter: @collegarest

Instagram: @collegarest

 

 

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