21.07.12 24.04.01 更新

<卒業生インタビュー>大阪校・Bonny’s Bake Shop オーナーパティシエ 肱岡恭代さん

学生インタビュー
卒業生
東京校

 

「ウィズコロナ」の時代。外食産業を担う卒業生たちは、今どのような心持ちでビジネスをしているのでしょうか?

最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、大阪校卒業生・Bonny's Bake Shop オーナーパティシエ 肱岡恭代さんにインタビューしました。

 

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<在校中について>

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次をお教えください。

す。

2013年に、カフェコース(現:飲食店開業コース)を卒業しました。入学したのは、33歳のときです。最初は半年間のコースに通っていましたが、さらに半年間のコースを受講して計1年間通いました。

 

 

―――― クラスは何名くらいでしたか。スケジュールも教えてください

20名くらいだったと思います。週1回、土曜に朝から夕方まで授業がありました。午前中に調理の授業を受けて、昼休憩をはさみ、午後は座学もしくはバリスタの授業という感じでした。

 

 

―――― 入学時、お仕事はされていましたか?

バレエ講師をしていました。18歳頃からクラシックバレエをしているのですが体力が落ちてきたのを感じて、「も~辞めた」という気持ちでした。キャリアとしては、バレエを続けるか、教室を持つという選択肢もあったと思うのですが、私の場合は全く違う世界にいきたいと感じていました。自分の場所というか、城を作りたいと思ったんですね。父が飲食関係の仕事をしていたこともあり、食べ歩きにも連れて行ってくれたので、食べることは大好き。クラシックバレエの講師を辞めた後は、叔母のタルト屋さんで働きながらレコールバンタンキャリアカレッジに通いました。

 

 

―――― 数あるスクールの中から、レコールバンタンキャリアカレッジ大阪校を選ばれた理由を教えてください。

経営にあたっての知識がなさすぎたので通いました。今、お店は姉とふたりでやっているのですが、ふたりだと倍の費用がかかってしまうので、片方は通おうという話になったんです。

父も亡くなっていたので、教えてくれる人はいなかったんです。叔母はタルト店を経営していますが、昔に開業してはるから勝手も違うのではないかと思いました。新しい話を聞ける人が誰もいなかったので、それならば業界のプロに直接教えてもらったほうがいいなと思いました。

 

 

―――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたでしょうか

入学前から自分でやりたいことは明確にあったんです。なので経営のこと、最新の業界の話を聞きたかったですね。

 

 

―――― 印象的だった講師、授業はありますでしょうか

末広講師。自分の失敗経験も話してくださり、内容も分かりやすかったです。特に「開業時は2,000万円かかるというケースも多い。ただし、そぎ落とすことがとても重要。夢を持って開業するとお金をかけすぎてしまうケースが多いが、妥協できるところは妥協しないといけない。最初に資金を使ってポンポン儲かるという予想は覆される」というメッセージは、今でも意識の中に残っています。スイーツの授業は、西園講師に教えていただきました。

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

末広講師の授業ではお店をするとしたらどういうものを提供し、値段設定はいくらで、営業形態はどうするのか細かく問われました。また、「一体いくら入るつもりですか?」と聞かれ、「これくらい入ったらいいな」と答えると、「実は、そんなに入ってこない」と、営業を始めたときの現実を教えてくれました。また、「コンセプトは崩すな」ということも強く言われました。よその店を見ていても、コンセプトがブレて、あれこれやり始めると結局のところ上手いこといっていないケースが多いです。流行しているから手を出すとダメで、「自分がやりたいことをブレずにやる。よそ見はしない」など大切なことを教えてもらいました。末広講師は卒業後もFacebookで繋がってくださり、分からないことや気になることを聞くと親身になって答えてくれました。とても面倒見がよくて。卒業後も、雨音珈琲さんなど卒業生オーナーを紹介してくれたりもしました。

 

 

―――― クラスメイトとの交流は?

奈良県で、ご夫婦でお店を開業された方がいました。同じ時期に開業したので、奈良に遊びに行きお店にお邪魔したりしていましたが、残念ながら閉店されてしまったようです。社会人の方が多く、夢を持って通っていた人が多かったですね。

 

 

―――― 印象的だったイベント、販売実習などはありますか。

校舎の1階で模擬カフェをやりました。メニューを0から考えたりして、楽しかったですね。家族が来たり、街を歩く人を呼び込んでお客さんにしたり。学校を卒業してからすぐにオープンする訳でははないので、経験しておいてよかったと思います。でも、いざ開業してオープンすると、かなり緊張しました。自分のお店を持ったら、商品のレジ打ちに指が震えましたけれどね(笑)

 

 

 

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<卒業後について>

 

―――― 開業された経緯をお教えください。

コンセプトは「カフェ+お菓子屋さん」というイメージでした。

バレエやっているとき、息抜きがてらN.Yに2週間ほど行ったんです。たまたま入ったカフェのお菓子がめちゃ美味しくって。料理よりも、「ピーカンパイ」というお菓子の美味しさに衝撃を受けました。アメリカンスイーツの美味しさは記憶にあるものの、日本には本格的なアメリカンスイーツを出すお店がなくて。

見よう見まねで、お菓子作りをちょこちょこしていました。レシピブックなどを買うものの、自分が思うようなアメリカンスイーツの味が表現できずにいました。海外のレシピを検索して試行錯誤するうちに、本場の味が少しずつ形になりました。

そして、いよいよバレエを辞めようと思った時に、理想のアメリカンスイーツ店がないなら、自分で作ればいいじゃないかと思い、開業を決めました。

始めて食べたときの思い出は美化されているのかもしれないですが、美味しいものを作りたいなと。決めてからは、リサーチのために、本場アメリカの美味しいお店にも足を運びました。

「チェリーパイ」「アップルパイ」、どれもスタンダードなパイですが日本で売っているものとは、まったく味が違うんです。本屋さんで洋書のレシピを買って翻訳をかけ、叔母のお店でもノウハウは教えてもらいながらレシピを確立していきました。

 

 

―――― 開業された時期、場所、店名など、こだわりをお教えください。

 

<時期>

2012年3月に卒業して、2013年、7月31日にオープンしました。

 

<店名・コンセプト>

父が経営していた喫茶店が「ボニー」という名前なので、ボニーズベイクにしました。

ボニーの意味は分かりません(笑)響きがいいからですかね。実は焼き菓子のお店って、アメリカでは「ベイカリー」と呼ばれているのですが、「パン屋さんみたい」と末広講師に言われました。東京に焼き菓子のお店ができてきていて「ベイクショップ」という言い方していたので、参考にしました。今でもパンは売っていませんが、パン屋さんだと思って入ってくる方もいます。ベイカリーにしなくて良かったです(笑)

 

<場所>

京橋など「なんとなく、この駅」という候補を幾つか出していました。候補の街を練り歩いて、シャッターを見つけたら写真を撮って。何軒か候補を見つけて、知り合いの不動産で内見をお願いしました。今の物件は、街並みも素敵で、角地で嬉しかったもののめっちゃ狭くてビックリしました。

 

<デザイン>

姉がディレクションしています。デザイン系スクールに通っていたので、施工の業者さんに内装のイメージを伝えたり、ロゴを考えたり、扉の取って、壁につける飾りに至るまで姉が考えています。

 

<客層>

女性も多いですし、男性ひとりでくる方もいますね。スイーツ男子、スイーツおじさんも増えているように思います。割合としては2:8くらいかな。若い人もいますが、30後半から上は60、70代までいらっしゃいます。何故かSNSではチーズケーキがいっぱいアップされていて、焼き菓子というよりもチーズケーキがやたら人気になっているようです。それを見てきてくださる10代、20代の方も多いですよ。

 

<番外編:工事のこと>

授業で「工事しているときは、宣伝になる。ポスティングしなくてもいい」ということを聞きました。確かに、工事中、街の人は何ができるんだろう?と気にしてくださるんです。なので、工事現場には毎日通うようにしました。そうしているうちに「何ができるんですかー」と質問されたり、チラシを持っていってくれたりします。

 

 

―――― 特にオススメのメニューについてお教えください。

「ザ・アメリカ」なケーキとパイがオススメです。

お菓子の種類は多すぎて……日替わりで変わっていきます。パイは100個類以上ありますよ。マフィン、クッキー、パウンドケーキも人気です。

 

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―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

ウチは、軌道にのるまで時間がかかりました。最初の2~3年は今考えるとようやってたなと、自分の給料の中から積み立てて、旅行にも出ていましたしね。姉も私も実家暮らしということと、誰も雇ったりしていなかったのもあるかもしれません。

 

 

―――― どのようなキッカケで軌道にのりましたか?

常連さんはいて、その方は今も来てくださいます。「空いているからこそ応援したい」人もいれば、人気になるとパタッと来てくれなくなる人もいます。

『SAVVY』という雑誌の焼き菓子特集です。叔母の友達がFacebookにウチのお店をあげてくれて、それがライターさんの目に留まったんです。ご縁やなと思います。めちゃでかく紹介していただいて、そこからお客さんが増えて、テレビ取材も入るように。『LIFE~夢のカタチ~』で私たちを紹介していただいたんですが反響がすごかったです。毎日すっごくお客さんが並んで、忙しくて。でも、私たちは一日1~2時間しか寝られへんかったので、寝袋買ってお店で寝ていました。有難いけれど、二度とあんなんは、したくないです(笑)そこからスタッフさんが増えていきました。テレビ取材から続けて来てくれる人もいるので、出会いを結んでくれて感謝していますね。

 

 

―――― 新型コロナウィルスの流行で、工夫された点、心がけていらっしゃることについて教えて

去年4月の緊急事態宣言中は「閉めろ」という空気だったので、お店はクローズしていました。でも、そのときも請求はきます。収入がなかったら貯蓄した分を切り崩さなきゃとなって。STORESでお店をオープン。スタッフさんも生活があるので、仕事をしなくてはと必死でした。閉めている間も通販でお客さんはついていて、仕事はありましたね。

 通販しながら、お店を営業するのは難しいので今はECはお休みです。開けたら開けたでイートインメインというよりもテイクアウトがメインになり、普通に営業できています。「おうち時間をいいものにしよう」という流れがあって、お客さんは増えています。常連のかたにも助けていただいています。列ができているのを見て、気になって並ぶ人もいて、新規のお客さんも増えています。きっと、どこのお菓子屋さんも忙しいと思いますよ。

 

 

―――― 飲食ビジネスの面白さについて教えてください。

私はお喋りなんで、初めて来てくれた人とも30分お喋りすることもあります。仲良くなってまた来てくれると嬉しいです。よそのお店の話を聞いたりとかいろいろ情報を教えてくれる。最近なら、新型コロナウィルスの予防接種うけたという話や、どこどこのカレー店に行って美味しかったよとか情報収集できる。不特定多数の方と会えるからこそ、その人の得意な分野が知れます。お客さまですけれど、友だちみたいな感覚でお喋りしちゃう、アットホームな店なんです。一期一会のようで、続いてるご縁もあるのでは有難いです。

 

 

―――― 大変さはどのようなところでしょうか。

オーダーを受けていたのに忘れてヒヤッとしたことはあります。

また、年末は色々なイベントが続いているので、忙しいですよ。クリスマス、正月、普段のお菓子の量を作りながらクリスマスケーキやお正月用のお菓子も用意するので。「キリストさん、もうちょい、はよ生まれてくれ~」という気持ちです。

 

 

―――― 飲食業界で活躍する上で必要なスキルは?

新しいものを、どんどん食べること。殻に閉じこもったら、絶対あかん。作ることばかりに執念するわけでなく、色んなものを食べて。吸収しないと視野がすごく狭くなって、作るものもしょーもなくなります。

美味しいと分かり切っているものだけでなく、いろんなものを食べて吸収した方が良いです。冒険して。食べることに貪欲になって。商品を作るときに、他の料理からインスピレーションを得ることもあります。例えば、チョコレートとナッツの定番の組み合わせだけでなく、カクテルからも、カレーからも学べます。ヒントは、いろんなところに転がっています。お菓子ばっかり食べていたらいいわけではありません。

食べ歩きや旅行は趣味ですが、そこからインスピレーションをいただいて仕事にも繋がっていると思っています。

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方にぜひ前向きなメッセージをお願いします!

アンサーをくれる場所だと思います。疑問に思ったことはすぐ返ってくる。相談できる人がいる場所で、「こうしたらあなたの理想に近づくのではないか」と助言してくれます。

もしも入学を迷っているなら、何かしらの不安があるから迷っているのだと思います。レコールバンタンキャリアカレッジに飛び込むと、専門知識を持っている人がサポートしてくれるので、確信を持てると思います。個人的には「やりたいお店のありかた」は、あらかじめ自分で決めておくといいと思いますよ。

 

 

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Bonny's Bake Shop

〒540-0021 大阪市中央区大手通2-1-1キャピトル大手通1F

OPEN 12:00ー18:00

CLOSE 毎週月曜日・火曜日 ※不定休有り 

TEL 06-6360-9266

http://bonnysbakeshop.net/

 

 

 

 

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