23.01.20 24.04.01 更新

<卒業生インタビュー>絵本カフェ LA BASE SECRÉTE オーナー 服部 伊都子さん

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ウィズコロナの時代。 外食産業を担う卒業生たちは、今どのような心持ちでビジネスをし ているのでしょうか?

最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、京都府八幡市にて絵本カフェ「LA BASE SECRÉTE」を営む、オーナー服部伊都子さんにお話をうかがいました。

 

 

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<在校中について>

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジの卒業年次を教えてください。

 

2022年の4月にメニュー制作コース(現在の調理&メニュープランニング)という、お料理がメインのコースに入学し、9月に卒業しました。

 

 

 

―――― クラスは何名くらいでしたか。スケジュールも教えてください。

 

20名弱だったと思います。日曜日午後に、授業がありました。

 

 

 

―――― 入学時はおいくつでしたか。

 

57歳です。

 

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジを選ばれた理由を教えてください。

 

開業のために準備をしたかったからです。他のスクールも資料は取り寄せたりはしていましたが、ピンとこず、体験授業までは受けませんでした。

レコールバンタンキャリアカレッジは、SNSで拝見し、雰囲気も良かったので問い合わせ、すぐに話を聞きに行きました。

絵本カフェを開業しようというプランは決まっていましたが、どのコースに通うかは決めかねていました。

スタッフさんに親身に相談に乗っていただき、体験授業を受け、入学を決めました。

 

 

 

―――― 開業された理由は?

 

私の場合、カフェを開きたいというよりも、絵本が好きでたくさんの人に絵本を読んでほしいというところがスタートです。

また、図書館ではなく、色んな人に気軽に読んでもらえる空間をつくりたいと思っています。

 

 

 

―――― どのようなことがキッカケで、絵本に魅了されていったのでしょうか。

 

娘がふたりおりますが、幼児教室に通っていました。教室には絵本が置いてあって、迎えに行く際には、自由に読める空間でした。

子育てしていると、イライラすることもありますが、絵本を読んでいる時間は日々のことを忘れ、没頭していました。

 

今まで読んだことがない作品も多く、それまで「こどもの読み物」と思っていた絵本が、大人の心にも残ることに力を感じました。

だからといって、娘たちに読み聞かせを一生懸命していたわけではないんですが(笑)、娘たちが小学生にあがってから、絵本の読み聞かせのボランティアを始めました。

活動では、さまざまな学年の子どもに読み聞かせを行います。私にとって絵本選びの時間も、とても楽しかったんです。彼女たちも大きくなって、現在は大学生と高校生。

子育てがひと段落したので、「自分の時間をちゃんと過ごしたい」と思ったときに、自分が何が好きかを考えたときに、絵本だと思いました。

コロナ禍初期では、オンラインで絵本の勉強をする講座も受けました。学びを重ねるうちに、「絵本カフェをしよう」という気持ちも強くなりました。

絵本は読む人によって、受け取るメッセージが異なるのも面白いところです。

 

 

 

―――― なるほど。その後はどのようなご準備を?

 

絵本を集め始めましたが、「いずれできたらいいな」と思いました。主人に相談すると、「いいやん、いいやん」と応援してくれました。

ただ、店舗を借りてカフェを開くとなると、賃料もかかり、必然的に利益を出さないといけません。

相談した結果「自己資金の中で、利益は徐々に出していく形ならやってもいい」と言われました。そこで土地を購入し、建物を準備しました。

 

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジで、学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

 

開業までの準備です。それまでずっと主婦をやってきたので飲食業の基礎を身につけたいと思いました。

 

 

 

―――― 印象的だった講師、授業はありますか。

 

体験授業で大野講師の授業を受け、特に大野講師に学びたいと思いました。

カフェメニューは大野講師、カフェで紅茶の授業は松村講師にお世話になりました。

お二人とも飲食業界ではお顔の広い方で、松村講師から紅茶を仕入れています。

レコールバンタンキャリアカレッジに通っていなければ、どこから茶葉を仕入れていたのか……怖い気持ちすら湧きます。

講師陣に教えてもらった信頼できる業者さんから仕入れをさせていただいています。

例えば、フードの展示会にいっても「大野講師に習っていました」と伝えると、メーカーさんに話が通じることも。フードは杉本講師に学びました。

教え方は優しいですが、危険なことをしたときは厳しいです。食べ物を提供するうえで「絶対ダメ」とされている事項が分かりましたし、メリハリのある授業でした。

またレコールバンタンキャリアカレッジは少人数制だったのも良かったです。コーヒーの仕入れやエスプレッソマシーンも大野講師にご紹介をいただいたところから仕入れています。

 

 

 

―――― 家庭でお料理をつくられていると思いますが、改めて学ばれた理由は。

 

家庭料理はできるとは思いましたが、お店のレベルかどうかは疑問だったからです。カフェを営業するということは、お金をいただいてドリンクやフードを提供しないといけません。

当時、自分がつくったものが、果たしてお店で出す基準に達しているのかが分かりませんでした。ちゃんとした技術を習わなければ、お客さまに対して失礼なのではないか?と思いました。

 

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネス」に活かされていると感じることは?

 

販売実習は、とても良い経験になりました。

 

 

 

―――― なぜでしょうか?

 

「メニュー制作コース」なので、3種類のランチコースを開発しました。仕込みも頑張りました。販売実習当日は、特にエスプレッソマシーンに触りたいと思い、ドリンクを担当しました。

エスプレッソにお湯を注いでつくる「アメリカ―ノ」など、コーヒー関連のご要望はすべてエスプレッソマシーンを使って対応していました。

しかし、コロナの感染の波が押し寄せてしまい、同級生でお休みされる人が多くなってしまいました。

当初は二部制で、前半、後半でスタッフを入れ替える予定でしたが、人数が足りず通し営業を行うことに。それが、私にとって良い経験になりました。

 

いちばんの学びは、お客さまがいっぺんに来られても、一つずつこなせば焦らなくてもいいんだ、ということを実感することができました。

「LA BASE SECRÉTE」をプレオープンしたとき、ものすごくたくさんのお客さまがいらっしゃいましたが焦りませんでしたし、失敗もしませんでした。

落ち着いてドリンクを提供することができたのは、販売実習のおかげだと感じます。営業していると、お客さまの波がワーッとくるときがありますが、焦らないです。

私の場合、一カ月後に、オープンを控えていたので、特に良かったのかもしれないです。販売実習を経験していなければ、パニックになっていただろうなと思います。

 

 

 

―――― 在学中、アルバイトなどで飲食業界の経験をされていましたか?

 

20代から30代にかけて、山のガイドをしていた時期がありました。

森の中を散策しながら植物や動物の説明をするお仕事の他に、公立の宿泊施設でも配膳のアルバイトをしていました。お膳をさげて、洗うというお仕事です。

 

 

 

―――― 在学中「開業サポート」は活用されましたか?

 

使っていないです。

 

 

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<卒業後について>

 

 

―――― 出店場所はどのように決められましたか。

 

自宅から近くないと厳しいと思い、徒歩圏内で、お店を出せる場所を探しました。都市計画上、幹線に面している一列のみ、お店を出してもいいと決められています。

もともと限られているエリアにしか出店できなかったので、選択肢は多くはありませんでした。

レコールバンタンキャリアカレッジに通う前から、建物は建てていました。主人の友だちに建築士を紹介してもらい、何回も打ち合わせしました。

自分が好きなカフェのイメージなどを、デザイナーに伝えました。

 

 

 

―――― 内装デザインで大事にしたことは?

 

ある意味において、子どもに媚びたくないと伝えました。一般的な絵本カフェというと、明るくて、置いてある家具もケガがないように角が丸くなっていたりしますが、そうではなくお母さんや大人にくつろいでもらいたいという想いがありました。なので、「暗めのカフェをつくりたい」と要望していて、落ち着いた雰囲気を大切にしました。

 

 

 

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―――― 開業された時期、場所、店名、コンセプトなど、こだわりを教えてください。

 

 

<お日にち>

 

2022年11月19日です。

 

 

 

<店名・コンセプト>

 

フランス語で秘密基地という意味の(ラバーズスクレート)と名付けました。

 

 

 

<客層>

 

幼稚園、小学校が終わった後の、お子さん連れのお客さまも多いですが、朝の散歩の途中で寄っていただく年配の女性もいます。

「絵本が好きで、話をしたいので来ました」という30代前後の女性もいらっしゃいます。

 

 

 

<絵本>

 

セレクトした絵本が、常時約1000冊前後あります。絵本の販売はしていません。

 

 

 

―――― 特に売れ筋のメニューについて教えてください。

 

「カフェラテ」(税込480円)がいちばん人気です。ルイボスティーの茶葉を粉砕して、エスプレッソマシーンに淹れた「レッドエスプレッソ」をつかった「レッドエスプレッソラテ」(税込480円)は香りがよくて濃厚です。「ウィンタードリーム」というお茶にフォームミルクをのせた「ウィンタードリームラテ」(税込480円)もよく出ます。「ウィンタードリーム」は、ルイボスティーベースのお茶なのですが、砂糖を入れなくても香りがよく「これは、なんていうお茶ですか」と聞かれることが多いです。

 

 

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―――― 「値付け」はどのように行われていますか。販売価格の付け方など、コツがありましたら教えてください。

 

すごく悩みました。「絵本を自由に読んでいただく」という付加価値がありながら、500円でお釣りがくるイメージです。

基本的には、自分がこのくらいの値段であれば出せる、という理想をつけました。

駅前であれば、一見さんが多いかもしれませんが、お店があるのは住宅街なので、何度もお越しいただけるように、心がけています。突拍子もなく高い価格では続かないのではないかと思います。現在は特に時間指定などを設けていませんが、今後は混む時間帯は「1時間半」などのご案内はしようと思います。

 

 

 

―――― 開業されて経験されたご苦労についてお聞かせください。

 

未だ大変だなとは思っていませんが……家のことをする時間が取れていないのが家族に申し訳ないなと思います。

オープンして一カ月ほどですが、毎日「どうする?」という課題を、アイデアを出しながらクリアしていくのが楽しいです。

アルバイトさん二人に来ていただいていて、日々楽しく営業しています。

読書ボランティアを一緒にやっていた人や、絵本が好きなメンバーに来ていただきました。お店には欠かせない人たちですし、とても助かっています。

 

 

 

―――― 面白さ、喜びはどのような時に感じられますか。

 

先日、小学生2年生のお客さまが、三人で来てくれました。キッズメニューは少し安い価格で提供しています。

すると、帰り際に「ココアがすごく美味しかったので、パパとママにも買って帰ります」と言ってくれて、大人のココアをテイクアウトしてくださいました。

小学校の通学路にも面しているのですが、建設中のときから、「何ができるの?」と大工さんに子どもたちが聞いてくれたそうです。

なかには「楽しみにしていた」「できたらすぐ行きたい」と言ってくださる小学生のお客さまもいて、嬉しいです。

 

 

 

―――  今後の目標はありますか。

 

現在はドリンクのみの提供ですが、余裕ができたらフードメニューを提供したいと思っています。

あとは、作家さんを招いてのイベントや、読み聞かせ会をやりたいです。2階にフリースペースがあるので、お客さまとリアルで交流できる機会を増やしていきたいですね。

 

 

 

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なスキルは?

 

エスプレッソマシーンを導入するカフェなら、ラテアートができると良いと思います。ハートなど簡単なアートでも、提供したときにお客さまに「わー、すごい」と喜んでいただけます。住宅街にあるカフェで、そうした技術を感じられるドリンクをお出しできると、お客さまのテンションが上がります。

 

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、レコールバンタンキャリアカレッジはオススメしていただけますか。はいの場合、理由を教えてください。

 

イエスです。まず、講師がデモンストレーションを行い、在校生は1から10まで「一人一製作」で調理を行うことも大きかったです。オススメです。

 

 

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に、ぜひ前向きなメッセージをお願いします!

 

例えば、サンドイッチをつくる授業があったとします。自分のお店でどういうサンドウィッチを出すか?具体的にイメージしながら受けると、吸収率が全然違うと思います。

漫然と受けるのではなく、リアリティをもって授業を受けると良いと思います。

 

私は、自分が「LA BASE SECRÉTE」」で出したいと思っていた食パンやコンビーフを、杉本講師に試食していただきました。

ただ教えてもらうだけではなく、講師から受け取ることも大事です。講師からは、自分が想像している以上のアレンジをサラサラと教えていただきました。

感想も有難いですが、お店に出せるものなのか真摯にアドバイスをいただけるのも貴重です。授業をただ受けにいくのではなく、能動的に動いてほしいです。

講師に会いにいくのも、講師からすると何も反応がないよりも嬉しいのではないでしょうか。また、講師への親近感も増すと思います。

 

 

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<SHOP INFO>

@labasesecrete_ehon_cafe

ご住所:京都府八幡市欽明台中央20-6

営業時間:水・木・金・土 8:30~17:00(LO 16:30)

 

 

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