21.06.06 24.04.01 更新

<大阪校卒業生インタビュー>しあわせばなな オーナー 榊 真一さん

学生インタビュー
卒業生
東京校

 

「ウィズコロナ」の時代。外食産業を担う卒業生たちは、今どのような心持ちでビジネスをしているのでしょうか? 最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、キッチンカー業態で活躍する「しあわせばなな」オーナー榊 真一さんにインタビューを行いました。

 

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※写真は、接客担当の息子さん

 

 

<在校中について>

――――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次を教えてください。

2019年9月にカフェコース(現:飲食店開業コース)を卒業しました。半年間学びました。

 

 

――――― クラスは何名くらいでしたか。またスケジュールも教えてください。

10名くらい。経営のクラスは約20名だったと思います。毎週日曜に授業があり、午前中の3時間は経営、12時半から4時半まで調理を学びました。入学したのは42歳のときです。

 

 

――――― レコールバンタンキャリアカレッジ大阪校を選ばれた理由を教えてください

こじんまりしたカフェをやろうと思っていたんです。なので、経営の知識、調理の技術を習得したいと思いました。プロの講師に学べるというところも気に入りました。

 

 

――――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたか。

開業に必要な知識ですね。

 

 

――――― 印象的だった講師、授業はありますか。

料理は、杉本講師が担当していて、サポートで徳田講師がついてくれました。卒業後も、相談に乗ってくれたり、お店にジュースを買いに来てくれて支えてもらいました。

また、今の「しあわせばなな」があるのは末広講師のおかげです。経営の授業で、開業に必要な「コンセプトシート」を書かなあかんかった時に、カフェとバナナジュース両方書いていたんです。卒業まで一ヵ月ないタイミングでしたが「バナナジュース面白いちゃうんか?専門店どうや」とフィードバックを受けました。正直、そのつもりはなかったのですが、いろいろ考えてバナナジュース専門店にしました。業界歴が長い方なので「低資金で始められて可能性を感じた」のではないかと思います。

 

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――――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネスに活かされている」と感じることはありますか。

どの授業も学びしかないです。入学前まで、完全なるド素人だったんですよ。今思えば、固定店舗で料理を提供して営業していく」というのは甘かったなと思います。

特に、末広講師の「自分の店をやるときにコンセプトを決め、ターゲット層を決める」という授業は、とても勉強になりました。当時、パフェグラスに芸術的なサラダを盛り付けて提供することを考えていました。スーパーで働いていたので、いい素材でサラダを提供したいと思っていたんです。末広講師にサラダパフェの画像を見せたんですが、反応はイマイチ。今の僕なら分かりますが、提供までのスピードや在庫管理を考えると、絶対無理だったんです。そんなに甘くないということに、気付いてくれたのかもしれないですね。「バナナジュースには魅力を感じる」と言われたことが今のビジネスに繋がっています。

 

 

――――― 印象的だったイベント、販売実習などはありますか。

実際に大阪校の1階にお客さんを呼んで、販売実習(※現在コロナ禍のため中止) を行いました。自分はホール担当でした。お客さんは、在校生の身内の方が多かったんですが、なんせ飲食経験がないのでかなり緊張したことを覚えています。

 

 

――――― 在学中、アルバイトなどで飲食業界の経験をされていましたか?

いいえ。していません。

 

 

<卒業後について>

――――― 移動販売車を選んだ理由は。

卒業後、固定店舗をずっと探していましたが思うような物件がなく、「将来的に、キッチンカーもありかな」くらいの軽い気持ちで、移動販売車のセミナーを受けました。固定店舗を持つことに比べると安く済むのも魅力を感じました。

2020年8月頃にキッチンカーを注文して、10月末からビジネスをスタートしました。今となっては、この業態で良かったかなと思います。

 

 

――――― キッチンカーの価格は?

価格はピンキリです。100万から200万円、500万くらいまであります。僕はセミナーを受けて、その場で買いました。大手なので安心感はありましたが、購入意欲を高めて、やや高めに売られたような気がします。リースなど、いろいろな選択肢があったと思います。これから始める方には「よく考えて」と伝えたいです。

 

 

――――― 開業された経緯を教えてください

サラリーマンが嫌だったんです。上司にぺこぺこしている人が出世し、努力しても実らないことも多い。人の言うことを聞くのが嫌だったので、独立志向がありました。以前は、スーパーで野菜と果物を担当していました。12年以上前に、一度脱サラして八百屋をやりましたが、失敗しています。看板がないとお客さんが来ないですし。在庫が増えて、どんどん衰退するしかありませんでした。その時、「在庫を持つ商売はあかん、利益率低いものはやめよう」と身に染みて勉強しました。2009年に八百屋を辞めて、再び別のスーパーに再就職しましたが、前回在職していたスーパーに声をかけられて復職。機をみて、しあわせばななを始めたという経緯です。

 

 

――――― バナナジュースを選んだ理由は?

生のバナナ、冷凍バナナ、牛乳のみで作っています。バナナが完熟したら冷凍にするので

ロスがありません。お客さんが来なくても、ロスが出ないので、飲食業界であり得ないビジネスモデルだと思います。牛乳は1週間以上持ちますし、ロスらない。

キッチンカーって、フードを提供する人が多いでしょう?場所によって1万しか売れない場所もあれば、10万売れる場所もあります。フードの場合は、売り上げ予想を読んで、仕込みの量を調整しないといけないけれど、僕の場合は仕込みも断然楽なんです。

 

 

――――― 場所、店名、コンセプトについてのこだわりを教えてください。

<場所>

キッチンカーの横の繋がりや知人からの紹介が多いです。あとは、場所をアレンジしてくれる企業さんに登録する方法も。何%か仲介料を取られますが、場所を紹介してもらえます。料金は、売り上げ10%~20%くらいですね。いかに安いところを探すかとターゲットとなる女子高生、10代、20代の女性がいるかが大事です。

<店名・コンセプト>

末広講師の授業の流れにそって、自然と名前もできました。お客さまに「幸せ」を提供することがコンセプトです。ジュース以外にも、キャラクターのロゴが入ったお守りも販売しています。

<キャラクター>

コンセプトと名前にそって、見ているだけで幸せになるようなお猿さんを作りました。経営クラスの同級生がデザイナーさんだったので、依頼しました。

<包材>

コップに関しては、キャラクターロゴをいれているので、業者さんにお願いしています。末広講師に紹介してもらいました。

 

 

――――― 人気メニューベスト3について教えてください

レギュラーばななジュース(600円)が1位、あとは横一線に近いですね。きな粉バナナジュース(650円)、黒ゴマばななジュース(650円)、どれも人気です。

 

 

――――― 開業されて経験されたご苦労について教えてください

お客さんを呼ぶのが難しい。もしも、読者の中で簡単に考えている人がいるのなら、「そんなに甘くないよ」と伝えたい。始めた当初は、必死に場所を探していました。今は、仮に人気の場所に出させてもらっても売れへんなというのが分かります。色んなところに出店すると「ここだったら、これくらい売れるんだろうな」というのが肌感覚で分かってきます。

末広講師に「一等地はいわゆる一等地であって、ターゲットが多いところが、自分たちにとっての一等地。通行人1万人に100人しかターゲットが来ない場所より、1000人のうち半分がターゲットになる場所のほうが一等地」と教わりました。

富田林市のエコ―ルロゼさんに出させてもらったとき、50代のお客さんが多く、思うほど売り上げが伸びなかったんです。「人通りが多いな=いける」と安直に考えてはダメ。きっちり把握しておかないといけない。固定店舗ならなおさらです。一度店を出したら、場所を変えられないですからね。

 

 

――――― なるほど。仕入れはどのようにしていますか?

以前、働いていたスーパーから仕入れています。いつが安いとか把握しているので融通がききます。スーパーで働いていたので、優位性はあるかもしれません。牛乳は、また違うスーパーから仕入れています。中央市場で仕入れるにしても、近くに住んでいないと頻繁には足を運べないですよね。

 

――――― コロナウィルスの影響は?

アリアリですよ。GW中のイベントが全部中止になりました。2度目の緊急事態宣言時は、保証の対象にならないのでかなりキツかったです。2021年4月25日からの3度目の緊急事態宣言発令を受けて、2021年5月1日(土)から4日に開催予定だった「スイーツEXPO in 安満遺跡公園」が中止になりました。計算上は1日30万円売れると予想していたのでキツいですね。

 

――――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びについてお教えください。

移動販売車の場合、売り上げの跳ね方が固定店舗と違うんです。例えば、固定店舗が1日3万円しか売れなかったら10万円にするのは難しいでしょうが、キッチンカーならその伸び方は可能になる。そこは面白さであり、モチベーションになると思います。

 

 

――――― 大変さはどのようなところでしょうか。

選んだのがバナナジュースなので華やかに見えると思いますが、場所を探すのにも時間かかるし、仕込みも時間かかるし、片付けも大変です。気温で売り上げもかなり左右されますしね。寒い日は寒いし、暑い日はめちゃくちゃ暑くてこたえる。

「楽しそう、面白そう、華やか」だけで始めようとする人がいるなら、「よーく考えて」と言いたいです。考えてから行動しないと痛い目に合います。

 

 

――――― 飲食で活躍するうえで必要なことはスキルだとお感じでしょうか

飲食以外の部分で、最先端のところをいく努力ですね。おいしいから売れる、は間違い。映える商品を作ったところで、持つのは1年だと思います。美味しいのを必死に作っていくことも大事ですが、集客にも力を入れないといけない。集客は、ビジネスの9割です。我々も時代の流れをみて、宣伝をTikTokに切り替えました。何事も継続が大事だと思います。

 

 

――― SNS運用の工夫は?

SNSに力を入れたのは、「女子高生は、ゴンチャ(Gong cha)や、スタバなど自分たちが知っているところにしか行かない」と分かったから。まずは認知度を上げることが大事だと考えました。

Instagramにアップするときは、その日来てくれたお客さんに、「息子と一緒にアップしていいですか」と写真掲載をお願いしています。息子のキャラクターを全面に出すようにしています。何か「推し」がないと成功しません。おかげさまでInstagramフォロワー数は伸びています。

TikTokでは、毎日「キッチンカーあるある」を発信しています。飲食でやってはるところがあったので参考にしたところ、バズって登録者数が2,000を超えました。ライブは、2,000人超えないとできないんです。今は、TikTokを見て来てくれるお客さんが多いです。YouTube頑張ろうと思いましたが、時間と手間がかかるので……。

TikTokの拡散力は、ハンパないです。息子に接客させて、僕は完全に裏方で、顔も出さない。息子とキャラクターロゴで「しあわせばなな」の認知度を高めていきたいです。認知されたら、お客さんが来てくれるので売り上げにつながります。バナナジュースの味にはこだわっていますが、どんだけこだわっても、存在が伝わらなければ意味がありません。

 

 

――― 今後は、どのように展開していきたいですか?

SNSを使って、全国区で誰でも知っているブランドに育てていきたい。有名になった先に、フランチャイズ化したいですね。

 

 

――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方にぜひ前向きなメッセージをお願い致します!

経営の授業は受けておくべき。料理だけを学ぶのではなく、経営の授業も受けたほうが失敗しにくいと思います。

 

 

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@siawasebanana877

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