• <卒業生インタビュー>cafe COUCOU(ククゥ)オーナー小嶋昌恵さん

    2020年10月31日(土)

「ウィズコロナ」の時代。外食産業を担う卒業生たちは、今どのような心持ちでビジネスをしているのでしょうか?最前線で活躍されている卒業生にヒントをもらうべく、cafe  COUCOU(ククゥ)オーナー小嶋 昌恵さんにインタビューを行いました。

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<在校中について>

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでのコース名、卒業年次を教えてください。

「カフェコースを受講しました。2010年4月から半年間学びました」

 

―――― クラスは何名くらいでしたか。またスケジュール(週2日など)も教えてください。

「20名くらいです。クラスは、30代メンバーと40代以上のチームで構成されていました。40代チームは、特に真剣度が高くバンバン質問していましたね。必ず開業する、と決めて授業を受けている方が多かったです。クラスメイトはチームのような感じで、とても仲が良かったです。スケジュールは週1回、日曜日の授業でした」

 

―――― 入学されたときは、おいくつでしたか?また入学を決意した経緯も教えてください。

「41歳のときでした。それまで、13~14年ほど派遣でプログラマーをしていたんです。食に関することはやりたかったのですが、飲食業の経験はまったくありませんでした。30代前半で離婚したこともあり、できるだけ時給が高い職種に就いていました。

入学を決意した理由は3つあって……、38歳のときに再婚し、生活が安定したこと。ふたつめは、リーマンショックがあって派遣切りがあったんですよね。私が働いていた業界は、そこまで大きな影響を受けませんでしたが、世間的に『派遣の方は気の毒だ』といった風潮が醸成されてしまって、プライドが傷つきました。みっつめは、子どもが高学年になり親から離れたこと。生活基盤も整ってきたので、この際やりたいことをやりたい!と思いチャレンジすることにしました。入学して、自分探しの旅が始まりましたね」

 

―――― 数あるスクールの中で、レコールバンタンキャリアカレッジ東京校を選ばれた理由を教えてください。

「母体が、バンタンデザイン研究所というファッション専門校なので、料理のスキルを学べるだけではなく『空間』作りなど、デザイン面も強いのではないかと思ったんです。校舎もオシャレですし、センスがいい講師が多いのではないかと思い選びました」

 

―――― 学びたい、身につけたい目標は何でしたか?

「開業するために、料理の基礎を学びたかったです。オーナーになって人を雇ったときに、恥ずかしくないようなスキルを身につけたいと思いました」

 

―――― 印象的だった講師、授業はありますか?

「講師の方々は皆さん熱心で、質問にも分かりやすく答えてくれましたね。江澤講師は、とても格好よくてドリンクの基礎を教えていただきました。ウチではソフトドリンクしか提供していませんでしたが、アルコールも含めて幅広い知識を教えてくださって参考になりました。あとは、経営を教えてくれた大平講師。利益率の大切さなど、とにかく数字を徹底的に学ぶ授業です。

開業後も、講師の方々にはとてもお世話になりました。

入学前から、私は自分の料理のこだわりをブログで発信していたんです。フードスタイリングをして、レシピを掲載して……読者から『あなたなら、素敵なカフェが開ける!』といったコメントもいただけるように。なので、当時は『こういう素敵なことをしていればお客さまも来てくれる!』と思っていたんですよね。でも、開業して蓋を開けてみたらオープン当初は、お客さんがほとんどこない。コストも異常にかけすぎていました。夢を乗せすぎて、お客さまが来ない。そこで思い切って卒業後も、レコールバンタンキャリアカレッジに相談に伺いました。業界が長い水谷講師に、的確にメニュー構成、看板の付け方までアドバイスをいただきました。お店の看板ひとつをとっても、赤い『のぼり』をいっぱいつけて目立てばいいわけではありませんよね。同時に、雑誌に掲載してほしいとお願いすると『未だそんなレベルじゃない』と言われてしまいました。でも、水谷講師のアドバイスにそって変えていったことで2年目には雑誌に掲載されるまでになりました。

雑誌を見てお客さまが増えるというよりも、来店したお客さまが、『本に掲載されているお店に来た』という満足感に繋がり喜んでくれるんです」

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジでの学びが「実践的だった」「今のビジネスに活かされている」と感じることはありますか。

「もちろんです。オープン当初は、授業で習ったワンプレートを提供していましたし、ケーキのレシピも役立ちました。ザックリと書かれたレシピ本を見るよりも、精度が高いです。あとは、授業を受けた時にメモしていた講師の細かな動き、講師から教えてもらったオペレーションを楽にするコツなどが開業後、とても役に立ちます。そうした実践的なエッセンスは、本やYouTubeでは学べないことですね」

 

―――― 在学中、アルバイトなどで飲食業界の経験をされていましたか?

「9月で卒業し、アルバイトをしようと思っていましたが、自宅の近所には個人カフェがなかったんです。そこで、大手コーヒーチェーンで働こうかな、と思っていた矢先にバイト探しではなく、物件探しに気持ちが移っていきました。なのでアルバイトはせず、そのままオーナーとしての道を歩むことにしました」

 

<卒業後について>

―――― 開業された経緯をお教えください。

「卒業年の12月から1月には、夫とも相談して物件を決めていました。3月に、東日本大震災があり、お店をやるかやらないかを一度迷いましたが、3月末には本契約しました」

 

―――― 場所、店名、コンセプトについてのこだわりをお教えください。

「場所は、自宅から車で15分くらい。素敵な街で、車の通りもよく、人も入りやすい立地でした。また、周りに個人店のカフェが1店舗しかなく、そこに人がすごく集まっていました。不定休のお店だったので、当店が毎日営業すれば絶対に人が来ると感じました。

店名のCOUCOU(ククゥ)は、フランス語で親しい間柄で、愛情を込めて使われる挨拶です。例えば、幼なじみに久しぶりに会って『わー久しぶり!会えて嬉しい』というニュアンスで『COUCOU(ククゥ)』と言います。また、無農薬野菜をお届けしたいという強い想いを持っています。コンセプトは、『お客さま、無農薬野菜の生産者さん、お店のスタッフもにっこり』を大切にしていて、入り口に置いてある看板にも掲げています」

 

―――― 無農薬野菜にこだわる理由は?

「今でこそ無農薬野菜や無添加への認知も広がってきましたが、10年前は、そうしたものは『こだわりすぎ』『神経質』など、誤解されることも多かったんですね。私が住んでいるエリアでも、新規就農者が多く無農薬野菜を売りたいけれども、慣行農法の野菜が安く、なかなか売れていない状況でした。無農薬野菜は、収穫量が少ないので、結果的に割高になってしまうんですね。『そこまでこだわっていないから、慣行農法の野菜でいい』という人も多かった。

オープン当初は、私自身も農家さんと繋がる方法が分からず自然食品のお店から野菜を購入していました。ある時、たまたまお店に置いてあったチラシをキッカケに鳩山の農家さんと知り合いになることができたんです。そこからご縁が生まれていき、今も、毎週木曜は無農薬野菜販売の日にしています。1週間ごとに違う農家さんにお越しいただいていています。今は4つの農家さんとお付き合いさせていただいています。未来の食を支える新規就農者が、身近でがんばっていることを、ずっと伝えていきたいです」

毎週木曜は無農薬野菜の販売.JPG農家さんの畑見学.JPG

―――― 内装のこだわりについて教えてください

「経費を浮かせたかったことと、自分で作りたかったのでセルフリノベーションにしました。卒業して半年だったので、クラスメイトの熱量も高くて手伝いに来てくれたんですよ。建設業をしているクラスメイトも来てくれたり、夫の親戚が左官だったこともあって、綺麗な塗り方も教えてくれたりして毎週土日は工事を進めていました。テラスも主人が造ったんですよ。

実は、大平講師に教えていただいたセオリーとは違うんです。大平講師はセルフリノベーションを否定されていて『汚い店になるし、自己満足だ』とおっしゃっていて。汚くなるという言葉は引っかかっていましたが、結果的には手作りならではの温かみがあって、味に思えるような雰囲気になっています」

店内.JPG開業6.jpg

―――― 開業してのご苦労は?

「オープンしたときは、お客さまも珍しがって来てくださるんですが、次第にお店を回せなくなっていきました。1時間待ちなどになってしまうと、お客さまの足は遠のいていき、食べログにも散々なことを書かれました。オープンして1か月ほどして、『キャパが大きいお店を選んでしまったのでは?』という想いを持つように。地元の無農薬野菜に、いい調味料を使って原価率は気づけば50%に。そこで調味料を安いものにシフトすると、自分の気持ちが荒んでいってしまうんですよね。客層が悪くて腹が立ったり、他のスタッフに責任を押し付けたり……1年後、地元商工会に相談して経営コンサルタントを派遣してもらいましたが、一般的な理論で、カフェにはあまり応用できませんでした。

そこで、水谷講師に相談して『パンケーキはどう?』と提案していただきました。無農薬野菜を伝えることに重きを置いていたので、パンケーキというメニューはまったくアイデアにありませんでした。でも、助言を受けて変えていき、2年目に『散歩の達人』に掲載されました。パンケーキに野菜を盛り合わせてセットにしたり、食事系パンケーキに野菜を組み合わせたり。『美味しい無農薬野菜を体験してもらう場としてのCOUCOU』という形で着地点を見出していきました」

 

―――― 特にオススメのメニューについて教えてください。

「今年3月にスチームコンベクションオーブンを導入しました。ハンバーグは、歴代最高に美味しいです!スチームが入ることでふんわり柔らかく仕上がります。誰でも美味しくできるので、質も高くオペレーションも楽になりました。季節の野菜で作るドレッシングもオススメです。夏はキュウリ、冬は柚子など旬の野菜で作るドレッシングはお客さまからも大好評です」

 

―――― 価格帯について教えてください。

「ランチ予算は、ドリンクを頼んでデザートも頼むと2,000円と比較的高い値段をいただいています。お客さま、生産者さん、働いているスタッフすべての人が幸せになることを考えれば適切なのではないかなと思っています」

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―――― これまでのご苦労についてお聞かせください。

「コンセプトに合わないお客さまがいらっしゃることですね。いらっしゃると、私たちのやり方に合わせてもらえなかったりします。例えば、お店のコンセプトが大人向けなので『ベビーカーはご遠慮ください』と伝えています。でも、『今どき、ベビーカーが入れないのはおかしい!』、『おむつ台がないのはおかしい!』と主張する方もいます。マスクをせずに入ってきて、『非接触で体温測定がある』とお伝えしても『テラス席で注文すればいい。お前は仕事をしろ!』と怒鳴られることも。大変な面もありますが、個人的には、サービス業は人類を救っているんじゃないかと思っています。

私自身もイヤなことがあった時、夜に別のカフェに行きます。素敵で感じのいいお兄さんがいて、とても心地のいいサービスを受けました。しょぼくれた気持ちが華やかな気持ちになって、サービス業って素晴らしいなと。サービス業の底上げをしたいという気持ちもあり、『謝る必要がないことはお客さまでも謝らなくていい』とスタッフにも指導しています。良い空間というのは、お客様とスタッフの共同作業で作られると思うのです。

 

―――― コロナウィルスの流行で、工夫された点、心がけていらっしゃることについてお教えください

「現在は、店内で、注文を受けてその場でお会計を行っています。

3月末は、イートインを辞めていました。店内にワークショップ用の10人がけ机がありましたが、解体し販売台にしました。テイクアウトのみにして、お弁当作り・お菓子作りに注力しましたね。まず、スタッフの仕事がなくならないように、シフトを決めて働かない日がないようにしました。

4月初旬には、無料でホームページが作れる『ペライチ』を利用して、テイクアウトメニューを全て掲載しました。他にも、補助金を活用してデリバリーバイクを導入する予定。7月末に発注したのですが、人気があり納品は来年3月予定です。同時に、ゴーストレストランの話を進めています。IT補助金を利用して、経営コンサルタント会社さんにホームページ作りもしていただく予定。季節のお野菜をたっぷり入れたキッシュ専門店を検討しています

 

―――― 飲食ビジネスの面白さ、喜びについて教えてください。

お客さまとお話することが何よりも大事ですし楽しいです。『そっとしておいて欲しい』という雰囲気の方に無理強いはしませんが、コロナ禍になって人と話をすることの温かさをより感じています。誰かと話すだけでストレス解消になりますよね」

 

―――― 働き方で意識されていることはありますか?

「私がいるとインテリアに合わないのでは?と思い(←※小嶋さまご自身の言葉です)お店にはほとんど入らなくても回る仕組みを作っています。でも、SNSでは顔出しをして、想いを伝えています。SNSを見ていただければ分かるのですが『こじまま』はゆるキャラのような立ち位置です。

私も主婦なので、家の掃除も片付けもお料理もあります。なので、家のこととお店のことを両立するために、宣伝と『献立作り』に時間を割きます。

スタッフにお店を任せ、調理をお願いしているからには、その分だけ稼がなきゃいけません。私は献立作りが好きで得意なので、クリスマスに向けて商品開発をしたり、新しいメニューを告知したりして、収益につなげていく役割を担っています。どれも、私が毎日お店に立っていたら、できないことだなと感じています。年を重ねても、お店に関われるようにしたいですね」

 

―――― なるほど。オーナーとしての大変さはどのようなところでしょうか?

毎年毎年、スタッフのお給料を上げていかなければならないこと。リーダーふたりをたてていますが、彼らに責任をのせるだけでなく、報酬をのせていかないといけません。スタッフたちの生活を預かっているので、その責任はすごくありますね」

高校球児か_スタッフに仲間入り.JPG

―――― 飲食業界で活躍するうえで必要なことはどのようなスキルだとお感じでしょうか?

「冷静に考え、判断する力。急ぎの判断が迫られることが多く、遅れをとると新しいことであっても始めても意味がないこともあります。

コロナ禍もそうです。パッと動いたことで、お客さまからの評価が高かった。流行し始めたときに、いち早く『当店は大変です。助けてください』とSNSで発信したことで、先行者だからこそメッセージがきちんと届きました。少しずつ状況が把握できるようになった頃には、どの業界も『ウチだって大変だよ!』という発信が増え、ヘルプが欲しいというメッセージは飽和状態でスルーされる様子を何度も見ました。なので、冷静に判断し、すぐに行動に移すこと。タイミングを見誤らないことが大切です」

 

―――― レコールバンタンキャリアカレッジへの入学を検討されている方に

ぜひ前向きなメッセージをお願い致します!

「講師も長く在籍してくださる方が多く、有難いです。卒業して10年経ちますが、今校舎にいっても声を掛けてくださいます。新しい講師も親身に優しく接してくださる。クラスメイトも含めてですが、人間関係は一生の宝になると思います。

若い方だと、違う業界にいく方もいらっしゃるかもしれません。最終的にどんな道に進んだとしても、学んだことは全部繋がって役に立ちますよ。レコールバンタンキャリアカレッジで学ぶことは必ず力になるのだから、自信をもってやりたいことを躊躇なく学んでください」

外観.JPGお食事ハ_ンケーキ.JPG

cafe COUCOU

埼玉県坂戸市 にっさい花みず木5-6-7

営業時間 11時〜18時

月曜定休

http://coucou.cafe.coocan.jp/

https://www.instagram.com/coucou_pic/

さらに詳しいスクールの特長はパンフレットに
記載しています。お気軽にお問い合わせください。

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