• 【東京校授業スナップ】世田谷三宿「STAND By SUNDAY」オーナー・西原佳隆様をお招きして。自分の「スタイル&コンセプト」をブラさない重要性とは?

    2020年07月24日(金)

世田谷三宿「STAND By SUNDAY」より、オーナー西原佳隆様をお招きしました!西原さんが手掛ける「STAND By SUNDAY」は、独自性の高いお店として知られています。厳しいと言われるコロナの影響は受けながらも、元々から開放的な場所でのコミュニティショップ、テイクアウトの位置付けとしてのブランディングを続けてきたこともあり、日々の店舗運営はもちろん現在もプロデュース業務、ケータリングなどの依頼も増えてきている。

オリジナルなショップをプロデュースするに至った経緯とは?今回の授業では、独自の経営哲学に迫ります。

IMG_34792.jpg

「こんにちは。西原と申します。今日はよろしくお願いします。

実は、僕は飲食業がやりたかった訳ではないんですよ。18歳の時、僕はフリーターだったんですが、たまたま神田にある純喫茶で働き始めたのがキッカケ。当時、コーヒーを飲んでいた訳でもないし、なんとなく『楽そう』という気持ちで入ったらこれが予想以上に大変で!一度はオーナーにクビって言われたこともあります。そこで、プライドがズタズタに傷つき火が点いたんです。それから本気でネルドリップを学び始めました」

2003年、代官山のエスプレッソスタンドショップに転職。

「エスプレッソマシーンは触ったこともありませんでしたが、先輩が機械を使っている時の音、時間、タイミングをひたすら見て学び、体に叩き込んで覚えていきましたね」

2005年に、ワイアードカフェを運営するコミュニティ&ストア(現カフェカンパニー)に入社。ドリンク専任スタッフとして人気店に参画します。2010年に退社後は、バーテンダー業務に従事しながらフリーランスでケータリングを手掛けます。その後、バイロンベイコーヒー日本展開への参加、広尾CANVAS TOKYO立ち上げなどを経て2017年9月に独立されます。キャリアの中で、個人店、大型店のメリット・デメリットを体得してきました。

<大型店舗・チェーン店の特徴>

「大型店というのは、数名で、ホール、カウンター、キッチンなど役割分担されていることが多いよね。オペレーションも、マニュアル化されていることが多いから店舗によってブレることが少ない。一人ひとりに合わせた接客っていうよりも、速さ、どこに行っても変わらない安心感みたいなものを重視するお客さんが多いと感じます」

<個人店舗・コーヒースタンドの特徴>

「じゃあ、個人店はどうだろう?

コーヒースタンドの場合は、テイクアウト業務がメイン。少ないメンバーで何でも対応する分、臨機応変に動けるよね。例えば、朝考えたメニューをその日のうちに提供することもできるけれど、大型店は本部に通して審査を待たないといけない。提案しても決まらなかったり、採用されないことも多々ある。メニューも、オーナーの想いやこだわりが詰まった商材が多い。ウチも、ソースも既製品は使わずすべて手作りしています。他の店と差別化しないといけないから

IMG_3495.jpg

<アルバイトする店舗も、「なんとなく」決めてはいけない>

「今バイトしているのはどんな店舗?」と学生に質問を投げかける講師。大型店で働いている学生や、未だ決まっていないものの将来は独立したいと話す学生に……

アルバイトをする店もしっかり考えたほうがいい。学びたいことが学べなかったり、入ってみて空気感が合わないこともある。僕も採用を担当したことがあるけれど、志望理由に『家から近いから』とだけ書くような人もいるよ。欲を言えば、視野を広げるために大型店と個人店どちらでも働いてほしい。個人店にはメニューにこだわりを持っているところも多いから、面接時にはお店の魅力を明確に伝えられるくらい研究してほしい」とアドバイス。

<自分のスタイルを貫く。コーヒースタンド(個人店舗)をオープンした経緯>

  • 独立のキッカケ

「長年勤めてきて、自分の打ち出したいスタイルが固まってきたからです。人に雇われたくないという気持ちもありましたね。自分のスタイルを表現して、それを人からどう受け止められるのかを見てみたいという気持ちもありました

  • 店舗・ハコは、自分の「名刺」

店はすべてが表現できる場。ウチは『コミュニケーションの場を作る』ことを大事にしています。綺麗な店で綺麗なコーヒーを出すっていう王道はやりたくなかったから、店内は常に真っ暗。自分はグラサンをかけて、怪しげなライトの中でネルドリップしています。でも、他には絶対に負けない味わいのコーヒーを提供している自信があります。また、雨の日は営業しないと決めています。あえて休みにするのも、いつでも開いていると限定感、付加価値がないと感じたから。チェーン店ではマネできないことですね。これら全部が、ブランディングなんです

2652.jpg

 

  • 店名に「コーヒー」を入れない理由とは?

「店舗は、実務が見える場としての『お店』です。外部店舗のディレクションやメニュー開発などのプロデュースをしかけていきたい時に、店名にコーヒーを入れると仕事が限定的になってしまうと感じたのであえて入れていません。店名は、まさにコンセプト、ブランディングそのものです。“Sand by”には、寄り添う、側にいるっていう意味もあって日曜日に寄り添う存在という意味を込めています。今は、おかげさまでイベントのプロデュース案件などを4つほどいただいていますね」

 

  • 三宿を選んだ背景は?

「自分が動きたいことを考えて決めました。住んでいる人たちもファッショナブルで、空気感も合っていた。いろいろな交わりが期待できるなと思って、駅からは多少距離があるけれど三宿に決めました

  • お客さんには、飾らない言葉で接する

初対面のお客さんにもガチガチの敬語は使いません。言葉を投げかけてセッションが生まれたら、ちょうどいい距離感の言葉でコミュニケーションを取る。それはスタッフ間も同じ。例えば、人に技術を教える時も、普段のコミュニケーションが大事なんです。円滑にコミュニケーションが取れていれば店の雰囲気が良くなるしと、それに応じて売上げも上がります

IMG_3513.jpg

 

  • いちばん人気。「レモンコーヒー」

「コーヒーを健康的なドリンクとして訴求できないか?と思って作り上げたのがレモンコーヒー。いちばん人気で、コンビニからも商品化の打診をいただいたメニューです。メニューもウチ発信でやりたかったんです。ドリンクは、出きてから10分おいて飲んだ時に本性が現れます。なので、提供してから10分後の味わいもチェックして。飲んで違和感があったらメニュー化はしません。レモンとコーヒーを合わせると酸っぱ苦くなりがちだけど、そこを美味しくするのが僕らの仕事だと思っています

2653.jpg

 

<カフェオーナーを目指す学生に伝えたいこと>

色々な業態、店舗があるのでひとつの正解というのはありません。僕は個人店のオーナーなのでそのメリットをお伝えしたけれど、導線の作り方や店舗内装など大型店でしかできないこともいっぱいあります。

いちばん大事なのは、自分のスタイル、コンセプトをブラさないこと!是非、バイトするお店選ぶからこだわってほしい。軸を決めて。自分の示したモノに対して共感をしてもらえる努力を惜しまないで。そうすれば自然と仕事の幅も広がるし、ファンを獲得することに繋がると思います」と締めくくりました。

飲食ビジネスに従事したい学生、オーナーを志す学生、どんな目標を持っている人にも参考になるメッセージが満載の授業でした。

ぜひ、自分自身の「表現したいもの」を見定めて、磨いていってください!

 

2051.jpg2646.jpg

店名: STAND By SUNDAY

住所: 東京都世田谷区池尻2-7-12 1F

https://stand-by-sunday.studio.design/

https://www.instagram.com/yoshitaka2712/?hl=ja

https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131705/13218095/

 

さらに詳しいスクールの特長はパンフレットに
記載しています。お気軽にお問い合わせください。

無料でお届け 資料請求はこちら