• <新しい飲食の形>実店舗を持たずに、自身のブランドを確立する料理人「MOMOE」オーナーシェフ稲垣晴代さん

    2021年06月29日(火)

 

実店舗を持たずに、無店舗経営、間借り経営、シェアキッチン、流し形式で自身のブランドを確立する料理人が増えています。

レコールバンタン在校生も、店舗を持たない“ファントムショコラブランド”「RÉCITcacao」をスタート。2018年開校「トシ・ヨロイヅカ」オーナーシェフ鎧塚俊彦氏が監修する「グラン パティシエ学科」の選抜メンバーが展開しています。

なぜ、そのような形式が支持されているのでしょうか。気になるメリット、デメリットは?

 

今回は、MOMOEオーナー稲垣晴代さんにインタビューしました。

ケータリング、ウエディングのフードディレクション、フードコーディネートまで幅広く活躍されています。現在のスタイルを確立された経緯を話してくれました。

 

MOMOEオーナー稲垣晴代さん.JPG

 

 

――――― いつから、ケータリングサービスを始めましたか?

今の形になったのは2011年くらいです。

 

 

――――― それまでは、どのようなお仕事をされていましたか。

調理学校を卒業後、フレンチレストランに1年間勤め、カフェに転職。キッチンで6、7年働きました。

 

 

――――― 今の活動に最も繋がっていると思うのは?

カフェでの仕事が、いちばん勉強になっていると思います。店長からメニュー開発までをやらせてもらい、お客さんが望んでいることを常に考えていました。カフェも、社員で働いていたのでシフトを組んだりしていました。お休みはなかったですが、みんなでワイワイと作る楽しさがありました。お金の流れも体感できたのが良かったですね。

 

 

―――――「MOMOE」をオープンした経緯について教えてください。

カフェを辞めてから、ケータリング会社で働き始めたんです。丁度、子どもが生まれたので、産休、育休に入りました。今から10年ほど前だったので、ワーキングマザーへの理解もあまり得られず「出勤時間が、早番ばかりでフェアじゃない」という周りからの意見がありました。子どもがいるのは私だけだったので、同僚から批判的なことを言われてしまうのは仕方がないなと感じていました。

より心地よく働きたいと思い「それなら、自分で始めよう」と思ったんです。

 

 

――――― どのようにスタートしましたか。

自宅で仕込みをしたり、友人のお店を間借りしたりして営業していました。少しずつケータリングのオーダーも増えてきたので、自宅の近くにアトリエを構えることにしました。自転車で10分、15分くらいの距離で、娘を保育園に迎えに行くにも支障がない距離です。駅から遠い物件だと家賃が安いのでいいなと思い決めました。

食品衛生責任者の資格も取り、飲食店営業許可も取得しました。

 

アトリエ内観.JPG

 

 

――――― ブランドロゴが素敵だと思いました。どのようにデザインを?

16年前ほど前に、デザイナーの友人が遊びで作ってくれたものをそのまま使っています。開業する前でしたが、「あったほうがいいよ」って作ってくれたんです。エンブレムっぽいデザインで気に入っています。

 

 

――――― 1日のスケジュールについて教えていただけますか。

日によって異なりますが……以前は朝4~5時に起きて仕込みをしていましたが、今はコロナ禍なので朝7時~8時からスタートします。

お昼分の仕込みをして、詰めて、お届けに行き、13時~13時半くらいに午前の仕事がひと段落します。14時頃休憩してから、夜のオーダーがある日は再び仕込みをして遅くとも19時半くらいまでには切り上げるようにしています。今は、自分で届けられる範囲内で注文を受けています。

 

 

――――― 仕入れのこだわりは?

2010年11年くらいから食生活が変わってきて、オーガニックなものを取り入れるようにしています。

いちばんはじめに仕入れたのは、隠岐島 海士町の合鴨農法のお米、有機野菜です。今は隠岐島の農家さんがお米作りをしていないこともあって、佐渡島の自然栽培米を頼んでいます。

また、『エココロ』という雑誌のイベントで『旅する八百屋 青果ミコト屋』さんに出会ってからは、自然栽培の野菜を仕入れるようになりました。

 

 

――――― お肉やお魚はどのように?

お肉も魚も都内の業者さんから仕入れています。魚は「魚ポチ」さんが便利です。個人的には、野菜メニューに力を入れているので、ベジタリアンメニューをオーダーされるととても嬉しくテンションが上がります。

 

 

――――― どのようなキッカケで、お弁当のオーダーが入るのでしょうか。

いちばん多いのは、インスタグラム。始めたばかりのときは、クチコミが多かったですが、今はインスタグラムを見て選んでくださる方が多いです。撮影は、自然光を使ったり、美味しそうに見えるように工夫しています。

 

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――――― どのようなオーダーが多いですか?

撮影現場などは、お肉、お魚も入れてほしいというオーダーが多いですね。

いちばん多いのは「彩り良くしてください」というご依頼です。お客さまのご要望と、「苦手な食材」をうかがいますが、基本は「お任せ」にしてもらっています。

 

 

――――― メニューのこだわりは?

四季を通して彩りよく、美味しく仕上げること。5月は、ちょうど冬野菜から夏野菜に変わる季節であまり野菜が揃わないのですが、冬にビーツやカボチャをペースト状にしておき、解凍したものを活用します。トマトが豊富な季節にスパイシーなトマトソースを仕込んでおいたり工夫していますね。

 

 

――――― 「無店舗」経営のメリットは?

ケータリングの場合、あらかじめオーダーをいただいてから作るので、この日はオーダーを受けるのを休みにしようとか、子どもを病院に連れていくので午前中だけの営業にしよう、など調整することができます。一般的な飲食店の場合、「拘束時間」が長い場合が多いですね。

 

――――― ご自身のブランドを確立する楽しさ、喜びについて教えてください。

料理することが喜びなので、天職だな、やっていて良かったなぁと日々感じますよ。辛いときも頑張って作ってきたからこそ今、仕事にできていると思います。

娘がいるのですが、「MOMOEをやりたい」と言ってくれて、小学校の展覧会で、木箱におにぎりを入れたミニチュア作品を作ってくれました。背中を見てくれているんだなと嬉しいです。

 

 

――――― MOMOEさんは、木箱を使っているのが特徴ですよね。

重厚感もあり、特別感も出るので、お祝いごとなどにも使っていただけると思います。もうひとつは、極力ゴミを出さないようにしたいから。「使い捨て容器でオーダーしたい」という方もいますけれどね。

 

 

――――― 反対に、難しさはどのようなときに感じますか。

コロナ禍で緊急事態宣言が発令されたとき、大型のイベントが次々にキャンセルになりました。SNS経由で、個人のお客さまも頼めるようにしましたがそれでも厳しかったです。スタッフにも「ごめんね」と。2020年3月の時点では、また持ち直すだろうと思っていましたが、2回目、3回目と緊急事態宣言が続き、今は慣れてきて「できる範囲で営業しよう」という気持ちに落ち着きました。

 

 

――――― 特に印象に残っているお仕事について教えてください。

仙台のウエディングパーティでケータリングをしたこと。縁もゆかりもない土地でしたが、新婦のかたがMOMOEを指名してくださり、福島のウエディングプランナーさんから連絡がきたんです。キャンプ場のロッジを貸し切って、塊肉やパテなど、お料理をたくさん作りました。アシスタントを連れていき、ウエディングケーキも作りました。食事を提供しながら、新郎新婦とゲストの皆さんの幸せな空気も感じられて、とても楽しかった記憶があります。

 

 

――――― ありがとうございます。実店舗については、どのようなお考えですか。

飲食店としてお店を構えるつもりは全くありません。今のスタイルで、需要があるならずっとやっていきたいです。料理は天職だと思っています。お弁当を作っていることに幸せを感じます。

 

 

――――― 今後、MOMOEをどのように展開していきたいですか?ビジョンを教えてください。

スタッフをもう一度雇いたいと思っています。以前は、ふたりの方にヘルプに入ってもらっていました。人が増えるとやれることは増えます。「お弁当を買いにきたいです」と言われても、一人だと対応できませんがスタッフがいれば受け渡しができたり、ホームメイドジャムやピクルスなどにも力を入れることができます。

なので、スタッフをもう一度入れて、彼らと一緒に考えていけたらいいですね。

 

 

 

http://momoegohan.com/

https://momoegohan.theshop.jp

Instagram:@momoegohan

 

 

<中島講師コメント>

ご本人が気を使われているようにまずはとても映えですよね!インスタでもどの投稿も映えてます。彩り対して最大限の配慮がなされています。そして具材に季節物を使われることでお客様が季節を感じやすいと思います。もともとカフェでの経験もおありですので、自由が売りの業態でもあるカフェならではで培われたセンスを感じます。ご自身のライフスタイルに合わせて働けるという観点では、重労働ではある現場仕事だけではイメージできない未来をしっかり自分目線でカスタマイズされていて、まさに憧れの「素敵ライフスタイル」だなと思います、羨ましい(笑)。これからの活躍、応援してます!!

 

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中島誠講師

エンタメカフェプロデューサー

(株)ZERO CREATIVE 代表取締役

(株)リノベーションプランニング社外取締役

Instagram:@nakajima_makoto_

 

 

さらに詳しいスクールの特長はパンフレットに
記載しています。お気軽にお問い合わせください。

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